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「適任者」とは?
Are You 'Competent'?

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2003年5月号 p.2)
(仮訳 国際安全衛生センター)


職場での多くの仕事には、一定の作業をこなしたり監督したりする人として、「適任者」が必要である。この「適任者」とは、そもそもどういう人のことをいうのだろうか、またどんなことをするのだろうか。
 OSHAによれば、適任者とは、「周囲に存在する現実の危険や予測可能な危険、あるいは従業員にとって不衛生、危険、有害な労働条件を特定する能力を有し、迅速な是正処置を講じてこれらの危険を除去する権限を持つ」人のことである。
 OSHAではしばしば、適任者を現場に置くことを義務付けている。この要件は、建設業や海運業関連の基準に盛り込まれていることが多い。
 ある人が「適任」かどうかは、訓練、経験、またはその両方をベースに決めることができる。適任者は、特定の作業を受け持ち、作業方法について責任を負う。適任者は多くの場合、職長や監督者であるが、必ずしもそうである必要はない。大切なのは、適任者の判断と行為が、会社にとって拘束力を持つという点である。
 「適任者(competent person)」と「有資格者(qualified person)」はよく混同される。OSHAは有資格者を、「広く認められた学位・免状・専門的名声、または高度な知識・訓練・経験によって、特定の手段、作業、もしくはプロジェクトに関する種々の問題を解決する能力があることを証明した」人と定義している。たとえば、エンジニアやデザイナーは有資格者であろう。有資格者は、実際に作業を行う企業や請負業者の被雇用者である必要はないかもしれない。
 一方、適任者は、安全ではない労働条件を特定する訓練を受け、その経験を持った従業員で、問題を---作業の中止も含めて---是正する権限を持つ人のことをいう。
 全米建設業協会(National Erectors Association。バージニア州アーリントン)では、監督者がプロジェクト開始前にすべての仕事をチェックし、必要な作業のすべてに適任者が割り当てられているかどうかを確認することを勧めている。
 適任者の配置が義務付けられているOSHA基準のリストは、www.osha-slc.gov/SLTC/competentperson/cp_std_list.htmlで見ることができる。