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職場の関節炎 Arthritis at Work
(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2003年11月号
p.3)
(仮訳 国際安全衛生センター)
アトランタの関節炎財団(Arthritis Foundation)によると、米国では7,000万人が関節炎を患っており、身体障害原因の第1位を占めるとともに逸失賃金の形で米国経済に年間820億ドルの損失をもたらしているという。
同財団シカゴ支部のローランド・チャン医師によれば、統計上これだけ大きな存在であるにもかかわらず、関節炎の症状は一般に目に見えないので、多くの事業者は関節炎を患う従業員のニーズに気付いていないという。さらに、多くの人は依然として関節炎を高齢者の病気と思っているが、「実際にはあらゆる年齢の人がかかる病気」だという。「65才以上の人は誰でもこの病気にかかる可能性が高くなりますが、45〜65才の半数近くの人が痛みやさまざまな症状を訴えています」
関節炎にかかっている従業員は、職を失うのを恐れて自分のニーズを事業者に話すことをしばしばためらう。チャン医師は言う。「彼らがとりわけ心配しているのは失業と健康保険のことです。患者にとってとても大事なことは適切な治療を受けることです。そうすれば、なぜ彼らが自分の健康状態について語りたがらないかも理解できるようになります。しかしこれは労働者にとって不利になることがあるので、労働者と事業者の双方にメリットがあるような何らかの方法を考える必要があります」
職場の関節炎患者は疲労と苦痛をしばしば最も大きな問題として訴えるので、静養期間を設ける、役割を分担するなど、場合によっては作業のやり方を物理的に変更する必要がある。「仕事を続ける上で一つ大切なのは、身体を使う作業をいつ行うかを管理することで、これは特に炎症型の関節炎患者では重要です。関節炎にかかった労働者を上手に職場に引き留めておくには、柔軟に対処できるだけの余裕をみておく必要があります」、チャン医師は言う。
昼間に運動を取り入れることは、関節炎を患う労働者にとって有益である。「一般に関節炎患者には身体運動がよい影響を与えますが、関節に過度の負担をかけると症状が悪化することがあります」、とチャン医師。「繰り返し重い物を運ぶような動作は避ける必要があります。患者に適しているのは、身体に負担のかからない軽い運動です。デスクワークをする人の場合、最もよいのは、1〜2時間ごとに体を伸ばしたり、柔軟体操をしたりすることです」
このほかにクルマをやめて公共輸送を使う、睡眠時間を多めに取る、自宅勤務にするなどの対処方法も有効である。
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