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オペレーターの手足となるプルバック装置を適切に保守する
Properly Maintained Pullback Worth an Arm and a Leg

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2003年10月号 p.3)
(仮訳 国際安全衛生センター)



 OSHAイリノイ州ノースオローラ地域事務所が出した最近のニュースレターによると、この地域の検査官は、プルアウト装置やプルバック装置の保守、調整、点検がしばしば適切に行われていないと報告しているという。これは切断事故を招くおそれがある、と同事務所は指摘する
 OSHAによれば、プルアウト(pullout)ないしプルバック(pulback)装置とは、オペレーターの手に取り付け、機械式動力プレスの上部ダイスまたはスライドに接続して使う機械である。作業工程中、スライドが上がっているときは、オペレーターは作業区域に手を入れることができる。スライドが降下を始めると、プルアウト装置がオペレーターの手を自動的に安全な場所に引き戻すようになっている。この種の装置は、主に往復行程を伴う機械で使われる。
 このような作業に携わる労働者の安全を守るために、監督者には何ができるだろうか。
 まず最初に着目すべきは政府の規制である。OSHAノースオローラ地域事務所はニュースレターの中で、機械式動力プレスの基準にはプルアウト装置に関する規制が数多く盛り込まれていると指摘している(OSHA基準1910.217を参照)。
 たとえば使用中の各プルアウト装置は、オペレーターの交替の都度、新しいダイスの設置後、およびオペレーターが変わった場合に、点検とチェックを行って適切に調整されているかどうか確認しなければならない。
 地域事務所によれば、監督者はOSHAの基準に加え、プルアウト装置の操作マニュアルに記載された種々の安全措置を講じることができるという。「事業者は必ずマニュアルを読んでその指示に従う必要がある。今後検査ではこの点を徹底したい」