耳を傾ける Lend an Ear
(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2003年9月号
p.3)
(仮訳 国際安全衛生センター)
ほとんどの人は1分間におよそ125~150語のスピードで話す。しかしたいていの人は1分間に600語以上の言葉を聞くことができる。これだけ差があるのだから良い聞き手になれて当然と思いがちだが、実際には聞く人の多くは、途中で注意がそれてしまうという経験をしている。人が実際に聞いて覚えているのは言われたことの25~30%にすぎないのもそのためである。
上手な聞き手は、話すスピードと聞くスピードの差を利用して、話し手と一緒に考え、頭の中で話の要点をまとめようとする。上手な聞き手は、話し手がどの程度信頼できるかを判断し、言葉で伝えられるメッセージと言葉以外で表現されるメッセージが一致しているかどうかを分析している。
話すスピードと聞くスピードの差を上手に利用すると、コミュニケーションの鍵である相互理解を改善することができる。以下に掲げるのは、聞き上手になるための6つの一般的法則である。
話すのをやめる。自分が話している間は人の話を聞くことはできない。
繰り返す/言い換える。相手が話し終わったら、話の内容を繰り返して自分が理解しているかどうか確かめる。
明確にする/確かめる。メッセージの中でよくわらない部分があったら、わかるまで質問する。
相手の目を見る。話し手の目を見ると、言われていることの内容に集中できる。また、あなたの話に注意を傾けていますよ、という合図になる。
感情移入する。話し手の立場に立って考えてみると、相手がなぜそういう意見を言うのかがよく見えてくる。
良好なコミュニケーションを成立させるために相手に協力する。良好なコミュニケーションを成立させるには、聞き手の側も話し手と同じだけの責任を持つ必要がある。コミュニケーションはギブアンドテイクである。
してはいけないこともいくつかある。具体的には、相手の話をさえぎらない、憶測を控える、結論を急がない、である。答える前によく考えることが大事である。
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