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天窓の危険性に気付かない事業者、労働者
Employers, workers unaware of skylight dangers

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2004年12月号 p.2)
(仮訳 国際安全衛生センター)



 労働統計局(Bureau of Labor Statistics)によれば、墜落・転落は職場における外傷性傷害による主要死亡原因の1つであり、2001年の外傷性傷害による死者のうち、13.7%が墜落・転落を原因とするものだった。墜落・転落の原因として広く認識されていないものに天窓、およびその他の屋根や床の開口部がある。2001年には、天窓からの墜落・転落で23人の労働者が死亡し、屋根の開口部からの墜落・転落で11人が死亡、床の開口部からの墜落・転落で24人が死亡した。休業を伴う傷害については、1999年に天窓からの墜落・転落で推定80人の労働者が負傷し、屋根の開口部からの墜落・転落では100人、床の開口部からの墜落・転落では617人が負傷した。
 NIOSHでこうしたタイプの墜落・転落について調査したところ、そのほとんどが、天窓などの開口部付近で作業する際の防護手段および墜落・転落防止手段が不適切であることに起因することがわかった。墜落・転落の要因として、次のようなものが挙がっている。
  • 安全プログラムおよび労働者の教育訓練が不適切。
  • 墜落・転落のハザードの特定および除去を行っていない。
  • 労働者による開口部の蓋の撤去。
  • 悪天候時に墜落・転落のハザードから労働者を保護することを行っていない。
  • 若年労働者に対する不適切な作業の割り当て。
 監督者が墜落・転落による労働者の死傷防止のためにできることはある。最近のNIOSHアラートに掲載された勧告に基づいて、次の点について確認するとよい。
  • 自分の会社には書面による墜落・転落防止プログラムがあり、このプログラムが実施されているか。
  • 作業開始前に現場を監督する適任者が割り当てられているか。適任者は墜落・転落のハザードを特定し、労働者が使用すべき適切な墜落・転落防止手段を決定する必要がある。
  • 天窓およびその他の開口部付近での作業に関して、適切な墜落・転落防止手段の使用が義務付けられ、こうした手段が用意されているか。
  • 定期点検---予定された点検および臨時の点検---は実施されているか。
  • 労働者は墜落・転落のハザードを認識するための教育訓練を受けているか。労働者は従うべき適切な墜落・転落防止手順の教育訓練を受けているか。
  • 自分の会社は児童労働に関する各種法律を遵守しているか。16歳未満の労働者はいかなる種類の建設作業にも携わることはできず、18歳未満の労働者は農業以外のいかなる作業においても屋根工事を行うことはできない。
 該当するNIOSHアラートはwww.cdc.gov/niosh/docs/2004-156で参照できる。