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ティルトアップ工法注)の安全 Tilt-up constructon safety
(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2004年2月号
p.2)
(仮訳 国際安全衛生センター)
2002年8月のある日の午後、ノース・カロライナ州ホームディーポー(Home Depot)グリーンズボロ店の建設現場では、7人の労働者がコンクリートの壁パネルの陰に座り昼食をとっていた。労働者らは高さ23フィート、幅20フィートのパネルのブレース(筋かい)が外されようとしていたことに気付かなかった。パネルが倒れたとき、2人の労働者はどうにか逃げおおせたが、2人が軽傷を負い、3人が即死した。
倒れたパネルは、ティルトアップ工法として知られる施工方法で作成されたものだった。ティルトアップ工法は、小売店舗や倉庫などの建築によく使われる工法で、コンクリートの壁パネルを引き起こして建物を作る。コンクリートのパネルは、現場で水平の型枠に流し込んで作り、これを所定の位置で縦にして壁にする。
ノース・カロライナ州労働省労働安全衛生局は、事故後に行った調査の中で、事故を招いたさまざまな危険要因を特定し、企業側が以下のことを怠ったと指摘した。
- 適切なブレースの設置(あるいは、構造物との最終接合をすべて完了する前に仮ブレースを除去してしまった)
- スチールジョイストの適切な固定
- 監督者と労働者に対するティルトアップ工法の適切な教育
OSHAでは、この事故をうけて安全衛生情報公報(Safety and Health Information Bulletin)を発行し、支えのないパネルの危険性について労働者と事業者に注意を促した。OSHAはこの公報で、次のような対策を取るよう勧告している。
- 作業現場を頻繁に点検するプログラムを維持する。
- 不安全な状態の認識と回避について従業員を教育する。
- 作業環境に適用されるOSHA規制について従業員を教育する。
- ティルトアップパネルへの適切なブレースの設置を確実に行い、風や横方向の力に耐えられるようにする。
- 屋根もしくは柱またはその両方の据付けが終わって建物が安定するまでは仮ブレースを外さない。
- スチールジョイストをティルトアップ壁パネルに溶接するときは、認定溶接機だけを用いる。
(訳注)ティルトアップ工法(Tilt-Up Construction)−−−コンクリート壁パネルを水平方向に打放し、養生したあとに垂直方向に引き起こす工法
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