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生産性に影響するアレルギー Allergy impact on productivity
(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2004年7月号
p.3)
(仮訳 国際安全衛生センター)
アレルギー性の症状は、鼻水や涙目以上に重大な問題を引き起こすことがある。アレルギーによる睡眠不足から生じる全身倦怠感、脱力感、体力消耗は、労働者の判断能力やふつうに仕事をこなす能力を損なうことがある。
イリノイ州アーリントンハイツの米国労働環境医学学会(American College
of Occupational and Environmental Medicine)が行ったある観察調査では、健康および生産性の面での損失は、アレルギー症状の重症度とともに劇的に増大し、重症度の高い労働者ではこれが特に顕著なパターンであることが明らかになった。重症度の高い労働者の割合は従業員1,000人あたり16.8人であるが、これらの労働者は、生産性損失は平均で常勤労働者換算3.9人分に相当すると報告している。重度のアレルギーの場合、負傷リスクは3倍に上昇し、欠勤率は67%増加していた。
労働衛生の専門家は、アレルギーと職場に関する本当の問題は、仕事の能率を左右しかねない徴候を労働者が見逃している可能性がある点だと指摘する。病気や薬による眠気から作業の能率が水準以下になっている労働者をきつい生産労働に従事させたりクルマの運転が必要な仕事に就けたりすると、大きな災害を招きかねない、という点に事業者も従業員も注意する必要がある。
米国労働環境医学学会によれば、鎮静作用のないアレルギー薬を使用している従業員は、調査で得られた生産性の損失を実際には引き下げているという。ただし、アレルギーは命にかかわるものと考えられていないために、経営者はアレルギーに関する従業員教育をおろそかにしがちである。アレルギーに起因する職場の問題を減らすうえで鍵を握っているのは教育である。アレルギーの問題について従業員に話をするときは、次のことを取り上げるようにする。
- アレルギーの原因と症状に関する一般的な情報。
- 衰弱に至る前にアレルギーの症状を見つける方法。
- 抗ヒスタミン剤、および充血除去剤の違い、ならびに鎮静剤、および非鎮静剤の違い。
- 専門家の助言を仰ぐべきか、薬を使って自分で治療すべきかの判断。
- ライフスタイルを変えてアレルゲンを減らしたり除去したりする方法。
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