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関係者にあたることの重要性 災害の目撃者から話を聞き出す
From the source Getting accident witnesses to talk to you
(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2004年6月号
p.1)
(仮訳 国際安全衛生センター)
災害の目撃者を見つけて速やかに聞き取りを行えば、災害に関する最良の情報源として目撃者が役立つ可能性がある。目撃者の発見と聞き取りについて、NSCは次のようにポイントをまとめている。
目撃者を特定する
まず災害に直接巻き込まれた従業員、続いて目撃者と現場近くにいた人にコンタクトを取る。従業員が負傷している場合は、そのことに対する配慮を忘れない。負傷した従業員の同僚は、ショック状態のために筋道を立てて話すことができなかったり、災害の記憶が欠落していたりすることがある。このような場合には、従業員や目撃者が心身面でより安定するのを待って聞き取りを行う。
目撃者を探すときは、災害を見た人だけに対象を限定しないようにする。災害について何かを聞いていたり知っていたりする人も、有益な情報を提供してくれる可能性がある。現場に居合わせたほかの人々の名前を目撃者から聞き出し、確認して記録し、関係者にもれなくあたることができるようにする。
話を聞く
目撃者に対する聞き取りは災害後できるだけ早く、ほかに人のいない場所で一度に一人ずつ行う必要がある。ある出来事に関する人間の記憶は、その出来事を経験した直後が最も正確である。事故調査の開始時に時間を取って、できるだけ多くの目撃者から聞き取りを行えるようにする。
聞き取りは、可能な場合には必ず災害の現場で行うべきである。こうすると、目撃者は何が起こったかを実際に指し示しながら説明することができる。一般に、スキルに裏打ちされた適切な調査は従業員をより協力的にさせるものである。調査をする側の関心は、懲罰を加えることではなく、災害に関する事実にあるということを目撃者によく理解してもらう。このようにして安心感を持ってもらうことで、相手が抱いている不安、すなわち場合によっては自分やほかの人たちを責めることになりはしないかという不安を払拭できる。
耳を傾け、質問をする
目撃者から聞き取りを行うときは、リラックスできるような雰囲気を作る。聞き手に徹して目撃者が話すのにまかせ、相手の話を途中でさえぎったり、せかしたりしない。詳しいことが知りたければ、目撃者の話が全部終わってから尋ねることができる。できるだけ多くの情報を引き出すには、誘導的な言葉使いを避けて、あらかじめ答えを限定せずに質問するのがよい。たとえば、「彼女はあそこに立っていたのですか」と聞くのではなく、「彼女はどこに立っていたのですか」と聞くようにする。
災害に関する事実を明らかにして情報を得ることが、聞き取りの目的であることを忘れないようにする。誰が、何を、どこで、いつ、どのように、なぜ、を具体的に引き出す質問をするべきである。
しゃべっている相手の邪魔にならないよう気を付けながら、従業員の話の内容を書き留めて記録し、あとで見直しができるようにする。場合によっては、話の腰を折らないようにするために、従業員がすべて話し終わってから、細かな点についてメモや記録を取るほうがよいこともある。話の内容を記録したら、その従業員の許可を得た上でタイプ打ちして従業員に見せ、確認と署名を求める。目撃者が話し終わったら、必ずその内容を繰り返して、こういうことですね、と確認する。
まとめる
聞き取りを行った従業員に対し、災害の再発防止策について意見を求めるのは有益である。しばしば最良のアドバイスが得られるからである。こうした意見についても、原因が特定される以前になされた提案として忘れずに記録しておく。
聞き取りの最後は肯定的な雰囲気でしめくくる。聞き取りに応じてくれたこと、情報を提供してくれたこと、アイデアを出してくれたことに感謝する。
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