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職場のアレルゲン注)
作業環境が従業員を病気にしていないか?
Workplace allergens
Is their work environment making employees sick?
(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2004年3月号
p.1)
(仮訳 国際安全衛生センター)
仕事中は不調かまたは元気がない様子をしている従業員たちが、仕事を終えて帰るときには元気を取り戻すように見える場合には、単に仕事からくる憂欝以上のものが原因である可能性がある。従業員たちは実際に仕事によりアレルギーにかかっている可能性もある。職場で触れる物質に対してアレルギーを持つ従業員は数多くおり、職業性アレルギーに対する懸念は高まっている。
継続的な暴露は職業性アレルギーにおける最も一般的な要因であり、農業、製造業、食品加工、およびヘルスケアに携わる労働者は、害を受けるリスクが非常に高い。
アレルギー反応を引き起こす生物学的因子には、ウイルス、バクテリア、真菌類、および花粉があり、これらは手洗所、加湿器、通風管、ダクトに蓄積される可能性がある。
事務職員もこうした現象と無縁ではない。たとえば、揮発性有機化合物を出すものとして、マジックペン、修正液、クリーナー、塗料、トナーなどがある。接着剤やカーペット、繊維、家具に含まれるホルムアルデヒドも、既知の有害物質である。
職場のアレルゲンは、労働者に呼吸器障害や皮膚障害を起こしやすくする可能性がある。業務上疾病で最も頻繁にみられる発症器官は、アレルギーを引き起こす因子の入り口となる気道である。イリノイ州アーリントンハイツにあるアメリカアレルギー、喘息&免疫学会(American
College of Allergy, Asthma and Immunology:ACAAI)によれば、職場関連のアレルギーと喘息に関わる因子は250近くあり、推定で成人の喘息症例の5%を引き起こしているという。
では、従業員を守るために監督者には何ができるのだろうか。大切なのは、呼吸用保護具、手袋、その他の個人用保護具などの特別な保護手段を提供して暴露のリスクを減らすことである。
暴露を減らすには次のような方法もある。
- より効率的な換気システムと空気清浄システムを使用する。
- 蒸気や水ハネの発生を抑えるように設計された、改良された装置を使用する。
- 装置や工程を囲うことで発散物を抑制又は収集する。
自分の監督する作業環境でアレルゲンが現実の問題になったら、以下に示す物質への従業員の暴露を制限するため、いくつか規則を設けるとよいだろう。
しかし過度の心配は無用である。職業性アレルギーとの診断が下されたら、解決策を見つけることができる。医師は、職場での感作の可能性がある職種については求職者を検査したり、さまざまな環境管理対策を講じたりするような、予防医学を実践する機会を有している。
(訳注)アレルゲン---アレルギー抗原(アレルギーを引き起こす抗原物質)
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