このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。
|
 |
 |
|
化学物質等安全データシート(MSDS)の混乱を断ち切る Cutting confusion out of MSDSs
(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2004年11月号
p.1)
(仮訳 国際安全衛生センター)
秘密でも何でもない。化学物質等安全データシート(MSDS)を理解するのは難しい。評論家らも、MSDSはあまりにわかりにくく、あまりに複雑すぎ、あまりに長すぎるという意見である。しかし、興味を引く一つの解決策がある。それは、「化学品の分類および表示に関する世界調和システム(Globally
Harmonized System of Classification and Labeling of Chemicals: GHS)」である。2002年に国連で採択されたGHSは、ハザード評価、安全データシート、表示に関わる要件を規格化することで、危険有害性に関する情報の伝達(hazard
communication)の質を高めようとするものである。たとえばデータシートは、現在ANSI
Z400.1-2004で定められているものと同様に16セクションで構成される形式となり、主要な文面、および情報の出現する順序は常に一定となる。
バージニア州アーリントンで危険有害性に関する情報の伝達に関するコンサルタントをしているミッシェル・サリヴァン(Michele
Sullivan)によると、利用者が参照しているのがどのデータシートか、データシートを作成したのがどの製造者かにかかわらず、同じセクションには同じ種類の情報が記載されることになるので、利用者すべてにとって理解が容易になるという。サリヴァンは、GHSの策定にあたった国際委員会のメンバーを務めた。
サリヴァンによれば、GHSは、危険有害性に関する情報の伝達およびデータシートの進化における次のステップとして当然のものだという。「政府、産業界、労働者、国際組織、それに労働組合も含め、世界各国の最も著名で学識豊かな危険有害性に関する情報の伝達の専門家が集まり、一丸となって可能な限り最良のシステムを策定し、さらに、それぞれの経験や過去の学習に基づく種々の強化策もつとめて取り込むようにしたのです。これ以上、ほかのどのような方向性が考えられるでしょうか」、とサリヴァン。
米国では、GHSの影響をこうむるOSHA、EPA、運輸省、および消費者製品安全委員会(Consumer
Product Safety Commission)の4つの政府機関のうち3つが、GHSを導入すべきかどうかの検討をすでに進めている。
OSHA基準・指針局次長(OSHA's deputy director in the Directorate of Standards
and Guidance)のジェニファー・シルク(Jennifer Silk)は、GHSの導入はOSHAに最も大きな影響を与えるだろう、GHSを導入すれば、OSHAは危険有害性に関する情報の伝達基準をGHSの基準にあわせて改訂する必要があるという。現在の危険有害性に関する情報の伝達基準は、結果を主体としたもので、事業者がしなければならないことを定めているが、それをどのように行えばよいのかは具体的に示していない。
シルク次長はいう。「全体的なアプローチの点ではオーバーホールというほどではありませんが、間違いなく今とは異なったものになるでしょう。米国中のあらゆる表示とデータシートを変える必要があります。これは影響としてきわめて大きいものだと思います」
したがって、遵守までの段階的導入期間では、表示やデータシートの通常の更新サイクルをうまく活用する必要がある、とシルク次長はいう。「時間をかければ可能です。いずれにせよ[データシートとラベルは]定期的に更新するものですから」
OSHAの手間は膨大なものになるわけだが、同庁はGHSの導入に前向きである。「GHSには米国のシステムを改善してくれる部分があり、米国のシステムのよいところも採り入れられています。もちろんヘンショー[OSHA長官]も非常に関心を持っていますし、私たちもその方向で動いています」、とシルク次長。
国際社会は世界全体でのGHS導入の目標を2008年に設定している。ただし、各国による導入に関して公式な手順は定められていない。
「化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)」の仮訳はこちらでご覧になれます。
|
|