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「軽い仕事」とは実際にはどういう仕事か? What does 'light duty' really mean?
(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2004年11月号
p.2)
(仮訳 国際安全衛生センター)
傷病休暇を取っていた従業員がいる。この従業員は職場に復帰したが、医師は軽い仕事をするようにという制限を課している。監督者としては、こうした制限が課されることには慣れているが、軽い仕事というのが実際に何を意味するのかわからないことがある。
フィラデルフィアで産業医を営むリチャード・J.サガル(Richard J. Sagall)は、「軽い仕事」と聞いて当惑を覚えたら、次のように考えるとよいという。「より生産的なアプローチとして、"日常生活での活動制限"について考えてみるとよいでしょう。もし従業員が自宅で一定種類の活動ができるなら、職場でも同じ活動をすることができます。もし従業員が職場で一定種類の活動を行うことができないなら、自宅でもその活動を行うべきではありません」
医師が仕事上の制限を文書にする際は、従業員にできることとできないことを具体的にリストアップするのが適切である、とサガル医師はいう。
たとえば従業員が腰を痛めている場合には、仕事上の制限として、かがむ、体をひねる、物を持ち上げる、座る、立つ、歩くといった動作能力を取り上げる必要がある。
サガル医師は、事業者が職場復帰プロセスに関する方針を確立するとよいという。この方針には、次のことを盛り込む。
- 業務関連以外で健康問題を抱える従業員は、肉体的な制限を課せられた状態で職場に復帰できるのか、それとも、完全な回復を待って制限がなくなってから通常業務に復帰する形を取らなければならないのか。
- 傷病休暇を取っている従業員のうち、どの従業員を評価の対象にすべきか。理由を問わずすべての従業員を対象にするのか、それとも一定の基準(たとえば休職が4日を超える、入院中である、手術を受けた、など)を満たす従業員を対象にするのか。
妥当なガイドラインを用意し、これを一貫して適用することが重要である。ただし、職場のすべての区域で要件を同じにしなければならないわけではない。たとえば、なんらかの制限を課せられた事務職員や管理者については職場復帰を許可する一方で、組み立て工程の労働者には完全な回復を義務付けるといったことは可能である。
「職場復帰評価プログラムをうまく機能させるためには、各種のガイドラインや取り決めを書面で用意し、職場復帰プロセスの中で果たす役割を理解している会社付きの医師を関与させ、プログラムを分け隔てなくすべての従業員に対して適用しなければなりません」、とサガル医師。
また、制限として課せられた軽い仕事の意味が、医師によって異なる場合がある点にも注意が必要である。まかせてよいかどうか判断に迷う仕事については、実際に仕事を割り当てる前に、従業員を診察した医師に問い合わせるのがよい。
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