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労働者のやる気を引き出すコンテスト
Motivate workers through contests

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2004年10月号 p.1)
(仮訳 国際安全衛生センター)



 安全コンテストの実施を検討しているだろうか。NSCによると、安全コンテストは、災害予防に対する労働者の動機付けに最も効果のある方法のひとつだという。
 競争は、部別、工場別、または課別など、ニーズに応じてさまざまなレベルで行うことができる。6〜12か月の事故の経験をふまえたコンテストもある。優勝者の決定には、お互いの水準比較、成績の向上、又はあらかじめ定めたいくつかの要素などが、基準として用いられている。宣伝キャンペーンにも力を入れ、一定期間開催される効果的なローカルコンテストは、数多く実施されている。
 コンテストでは、安全プログラムの多くの尺度を対象にすることができる。たとえば、次のようなものを対象にできる。
  • 開催された安全会議の量と質
  • 提出されたヒヤリハット事故の報告の数
  • 従業員の安全に関してなされた提言
  • 完成または改訂された作業安全分析
  • 完結し適切な期間内に提出された事故調査報告書
  • 実施された安全講習、安全セミナー、および安全プログラム
  • 従業員の安全に関してなされた勧告
  • 成果をもたらした安全点検
  • 安全委員会メンバーの積極的関与の維持
部間での競争

 部間での競争はうまくいく。労働者は自分の所属部の順位を気にするものだからである。ただし監督者にとっては、部間のコンテストは大きな試練である。1つの工場内において、互いに類似点の少ない部間でコンテストを行う場合には、部の規模、業務の種類、およびハザードへの暴露などの違いを考慮に入れる必要がある。安全記録が完璧な部が2つないしそれ以上ある場合には、記録された最後の事故以降、最も労働時間の長い部を優勝者とする。
 部によって労働者数や作業の種類が大きく異なる場合には、20〜50人のチームを作ってグループ間で競わせる方法がある。チームのメンバーは、危険度が高、中、低の業務に携わる労働者の比率がチーム間で同じになるように構成する。チームのメンバーにはバッジを付けてもらい、バッジの色で所属するチームを識別する。チーム名はグループが自分たちで選んでもよいし、くじ引きで決めてもよい。
 優勝チームに所属する労働者は、全員が何らかの褒美を受け取るべきである。賞品として最もよいのは、それ自体に価値はあまりなくとも、賞状、トロフィー、盾など、全員が手にできるものである。賞品を受け取るのが、優勝チームの中からくじ引きで選ばれた一人だけの場合、優勝に貢献したほかのメンバーはがっかりしたような気分を味わう。

部内での競争

 部内で実施する形式ばらない安全コンテストも、安全衛生プログラムへの関心を高めるのに大いに役立つ。コンテストでは、良好な整理整頓、整理整頓の最大限の改善、又は個人用保護具の着用などをテーマにすることができる。整理整頓コンテストの優勝者は、定期的かつ公平な検査によって決定するべきである。
 こうしたコンテストではしばしば細かく規定された点数制度が作られていて、当該部のトロフィーを手にするためだけでなく、当該部の成績に対する各従業員の貢献度に応じて個人単位で点数を貯められるようになっている。従業員は貯まった点数に応じてカタログから商品を選んだり、賞品を受け取ったりすることができる。
 安全コンテストは、従業員にも事業者にも人気がある。ただし、コンテストは優れた安全プログラムの代わりにはならないことを忘れるべきではない。コンテストの目的はただひとつ、組織化された安全プログラムに対する企業レベルでの関心、認識、参加を促すことにあるのである。