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皮膚炎を防止するためのステップ Take steps to prevent dermatitis
(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2005年4月号
p.2)
(仮訳 国際安全衛生センター)
NSCによると、業務上のすべての衛生問題を通じて最も大きな負担となっているのは、皮膚のトラブルだという。通常、皮膚疾患は、特定の種類の化合物へのばく露、または何らかの形での皮膚の物理的摩擦や刺激によって引き起こされる。敏感肌の場合には、ふつうなら無害の物質によっても炎症が生じることがあり、その程度はさまざまである。
職業性皮膚疾患の原因は、次のように分類される。
1. 機械的因子 - 摩擦、圧力、外傷。
2. 物理的因子 - 高温、低温、輻射。
3. 化学的因子 - 有機物と無機物があり、皮膚への作用によってさらに一次刺激性物質と感作性物質とに分かれる。
4. 生物学的因子 - バクテリア、真菌、寄生虫。
5. 植物毒 - ツタウルシ(poison ivy)をはじめとする数百種類の草木。
皮膚反応には、大きく分けて一次刺激性皮膚炎と感作性皮膚炎の2種類がある。機械的、物理的、化学的因子による一次刺激性皮膚炎は、実質的に誰もがかかる。高濃度の一次刺激性物質に短時間接触したり、低濃度の一次刺激性物質に長時間ばく露したりすると、炎症が引き起こされる。これらのケースでは、アレルギー反応は要因にはならない。一方、感作性皮膚炎は、ある与えられた物質へのアレルギー反応の結果である。いったん感作が成立すると、ごくわずかな量の当該物質にばく露するだけで症状の徴候が出ることがある。物質によっては、一次刺激性と感作性の両方の皮膚炎を引き起こすものがある。たとえば有機溶剤、ホルムアルデヒド、クロム酸などがそうである。
有機系切削液はしばしば職業性アクネ(座瘡)の原因となる。皮膚が有機系切削液にかぶれると、思春期にできるニキビに似た吹き出物や (せつ)を生じる。重油、不適切なマテリアル・ハンドリング(原材料取り扱い)、さらに切削液への殺菌剤添加は、職業性アクネの発生確率を高める。
こうした事態が生じるのを防ぐには、機械類とその周辺区域を清潔に保つ。有機系切削液に代えて水性切削液を用いる。切削液を定期的に交換する。保護クリームや保護手袋、前かけ、保護面を労働者に使用させる。該当区域で労働する従業員には、シフト終了時にシャワーを浴びること、または全身を洗うことを勧める。作業衣は帰宅前に着替える必要がある。研磨タイプのクリーナーやブラシの使用を避け、お湯、刺激性の少ない石鹸、柔らかいブラシを使う必要がある。
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