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規則どおりに脚立を修理する
By-the-book stepladder repair

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2005年4月号 p.3)
(仮訳 国際安全衛生センター)



 OSHAの一般産業監督局(Office of General Industry Enforcement)のシャーマン・ウィリアムソン(Sherman Williamson)安全技師によれば、脚立はさまざまな職場でよく使われるので、脚立の修理に関する要件もさまざまなOSHA基準(スタンダード)のあちこちにちらばっているという。具体的には、次のような要件がある。

脚立も含め、一般産業で使われるすべての移動式木製はしごについての要件は、1910.25にある。
脚立も含め、一般産業で使われるすべての移動式金属はしごについての要件は、1910.26にある。
建設業で使用するはしごについての要件は、1926.1053にある。
造船所で使用するはしごについての要件は1915.72に、埠頭で使用するはしごについては1917.119に、港湾荷役作業で使用するはしごについては1918.24にある。

 ただし、ウィリアムソン安全技師によると、これらの基準のすべてには共通点があるという。それは、どの基準でも、はしごに欠陥や損傷があった場合には、修理または破棄するまではしごを使用禁止にすることを義務付けている点である。
 一般産業、埠頭、港湾、および建設業を対象とした基準では、使用禁止のはしごを何らかの手段で識別することも義務付けている。識別には、「故障のため使用禁止」と書いたタグ、または同様のものを使用できる。また、ウィリアムソン安全技師は、はしごに関するOSHAのすべての基準で義務付けられているわけではないものの、あらゆる職場において不安全なはしごにタグを付けることが望ましいという。
 修理それ自体に関しては、OSHAはわずかな数の明示的要件を定めているだけである。これらの要件は、次のところにある。

1926.1053(b)(18)、修理したはしごが当初の設計基準を満たしている場合にのみ再使用できることを定めている。
1910.25(d)(2)(viii)、移動式木製はしごに対して間に合わせの修理をすることを禁じている。

 ウィリアムソン安全技師によると、基準の多くには明示的言及がないが、OSHAでは、修理されたものかどうかを問わず、あらゆるはしごが各セクションに記述されている設計要件を満たすことを期待しているという。
 OSHAは、設計および欠陥部品の適切な修理手順に詳しい、訓練を受けた有資格者にすべてのはしご修理をさせることを義務付ける目的から、1990年にサブパートD「歩行面・作業面(Walking and Working Surfaces)」の修正を提案した経緯がある。この要件案を遵守すれば、すべてのはしご修理が適切に行われることを確実にしているとして、OSHAに受け入れられるものと考えられる。
 適切に修理することができないはしごは廃棄する必要がある。廃棄するはしごを誰にも使えないように壊すことは、安全上、適切な処置である。