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スプリンクラー・システムを停止するときは注意が必要
Sprinkler system shutdown calls for diligence

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2005年1月号 p.2)
(仮訳 国際安全衛生センター)



 火災と爆発から労働者を安全に守ることは非常に大事なことであって、予防のための費用は高くつくことがあるが、悲惨な人命損失はそうした費用を上回る壊滅的打撃をもたらす。NSCの「Injury Facts」によると、1992年から2001年までの間に火災と爆発によって1,948人が亡くなっているという。2001年だけをとってみても、火災と爆発による致命的ではない業務上の傷害は3,711件に達している。こうした業務上の死傷によって事業者が負担する費用は、2002年には33億ドルであった。
 監督者として労働者の安全を常に守るには、火災のハザードが発生する可能性だけでなく、火災予防システムが機能しなくなるような状況についても警戒を怠らないようにする必要がある。スプリンクラー・システムの停止も、こうした状況の一つとして考えなければならない。
 NSCによれば、スプリンクラー・システムを停止しなければならない場合(たとえば保守作業を実施する場合など)には、火災時の安全確保を確実にするために必ず特別な警戒措置を講じなければならない。まず、準備作業がすべて終わっていることを確認する。予備の消火装置を用意し、スプリンクラーが作動しなくなる区域はどこかを消防隊に知らせる。手順によっては、スプリンクラーのバルブが閉まっている間は、よく目立つ赤いタグをバルブに付け、保険業者に通知することを義務付けていることもある。保守作業は可能な限り速やかに終え、終了時にタグを取り外し、スプリンクラー・システムが元どおり作動するようになったことを保険業者に知らせる。
 バルブがいっぱいに開いていることを確実にするには、バルブのテストを行い、開いた位置で固定する。
 スプリンクラーのバルブはすべて定期的にチェックし、バルブが勝手にいじられたり、ロックされていたり、閉められたりしていないことを確認する必要がある。
 システムの変更や修理などでスプリンクラー・システムを停止しなければならない場合には、監督者と保守要員は必ず通常の業務時間の前または後に作業を行う必要がある。危険性の最も高い時間に作業を行わなければならない場合には、あらかじめホースを引いておく、防火パトロールを強化するなど、特別な予防措置も必要になる。