このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。

HIPAAを理解する
Understanding HIPAA

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2005年1月号 p.3)
(仮訳 国際安全衛生センター)



 1996年のHIPAA(医療保険情報の利用可能性と責任に関する法律)(Health Insurance Portability and Accountability Act of 1996)の主な目的は、個人の医療情報を適切に保護しつつ、質の高いヘルスケアの提供と推進、および一般公衆の健康とウェルビーイングの保護に必要な医療情報の流通を可能にすることにある。
 HIPAAのプライバシールールについて事業者と監督者が知っておく必要があるのは、このルールが労災補償には適用されず、さまざまな手段による労災補償目的での医療情報の開示は許可されているということである。
 情報を得るための最もよい方法は次のとおりである。
  • 従業員から書面による許可を得る。従業員は、開示または利用されるべき情報;情報を開示し、受け取る人物;許可の有効期限および許可を取り消す権利;を書面にして明示しなければならない。医療機関が開示する情報は、要求で意図されている目的を満たすのに必要な最小限の情報でなければならない。
  • 医療機関に提出命令書を送って記録を取得する。提出命令書には書面を添え、その書面には患者に対する適切な通知がすでに行われていること、保護命令*(protective order)を入手すべく適切な努力がすでになされていること、そしてその保護命令が提出命令書に添付されていることを明記する。
  • 医療機関に書面による要求を送る。医療記録が労災補償請求で使われることを伝え、公開を許可している連邦規則、および可能なら労災補償請求に関わるものであることを証する何らかの文書を添付する。
 書面による情報開示の要求に医療機関が応じない場合には、医療機関に対し、必要な情報がないと医療サービスの請求書に対する支払いはできないことを伝えるとよい。あるいは、従業員に不履行を伝え、このような不履行があると、給付と医療に対する権利行使の遅れ、または権利の停止をまねくおそれがあると忠告する必要があるかもしれない。ただし、目的の情報を受け取った場合には、入手した記録について注意が必要である。治療歴は含まれていない可能性が高いので、従業員が以前に同じ症状で治療を受けたかどうかは知ることができない。また、手にした情報をほかの人間と共有しないよう、特別な注意が必要である。情報を共有するときは、知る必要がある範囲に限る必要がある。
 HIPAAの詳細については、www.hhs.gov/ocr/privacysummary.pdfを参照のこと。


* 保護命令−−−裁判所が命じる秘密保持命令