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より安全な洗浄剤を試す
Try safer cleaning products

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2005年6月号 p.2)
(仮訳 国際安全衛生センター)


 職場の洗浄剤は、清掃作業者が使うものであれ、事務員やパートタイム労働者が使うものであれ、安全衛生の問題としては見過ごされがちである。メリーランド州タコマ・パークに本拠を置く非営利環境保護団体のニュー・アメリカン・ドリームによると、従来製品に時として含まれている化学物質は、アレルギー反応や喘息、やけど、目の損傷、主要臓器の損傷、がんを引き起こすことがあるという。
  環境保護庁(EPA)の清掃用品汚染防止プロジェクト(Janitorial Products Pollution Prevention Project)の推定によれば、平均的な清掃作業者は毎年約23ガロンの化学物質を使っており、含まれている有害成分は全体の25%に達するという。これらの労働者の休業を伴う傷害の内訳は、40%が目の炎症またはやけど、36%が皮膚の炎症またはやけど、12%が化学物質の蒸気の吸入となっている。
  こうしたリスクを減らす一つの手段として、これまでのやり方を改めて「グリーンクリーニング(green cleaning)」に切り替える方法がある。EPAの定義によれば、グリーンクリーニングとは、より安全な代替洗浄剤を選んで、これを適切に使うことである。このようなクリーナー/ディグリーザー(油性洗浄剤)は、生分解性で毒性が低く、フェノール類成分や石油系溶剤をまったく含んでいない。
  ニュー・アメリカン・ドリームによれば、グリーンクリーニングは連邦、州、郡、および地方の各政府が採り入れつつあり、民間部門でも、政府組織ほどではないが採用が進んでいるという。こうした組織の中には労働者の健康増進と生産性の向上によって経費を節減できたところもあるとニュー・アメリカン・ドリームは指摘し、洗浄剤によって労働者の生産性は0.5〜5%改善できると見積もっている。
  ただし、EPAの清掃用品汚染防止プロジェクトによると、新しい製品と作業方法に切り替える試みはたいていの場合、抵抗にあうという。「ブリーチの臭いがしないから、これじゃきれいにならないさ」「“環境にやさしい”という表示があるものは効き目が弱いから、こっちの仕事が増えるだけ」といった反応は、よくみられるものである。こうした態度は洗浄剤の使い過ぎにつながることがあり、そうなると従来の製品を使っているのと同じくらい有害な作業になってしまう。したがって、エンドユーザーを対象とした新しい製品と作業方法の教育訓練については、こうした人たちから信頼される人、つまり同じ作業を自分で実際にしたことがある人が実施する必要がある。

 「グリーン」意識を高める
  どれが環境に優しい製品か具体的にわからない場合には、以下の組織が提供しているリンクをたどれば、環境面でより好ましい製品のリストを参照できる。
    EPA 
     www.epa.gov/opptintr/epp
    ニュー・アメリカン・ドリーム
     www.newdream.org/procure/products/approved.php