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掘削作業:崩壊を防ぐ
Excavation work: Preventing cave-inss
(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2005年3月号
p.2)
(仮訳 国際安全衛生センター)
ケーブルを新しく埋設する場合にしても、下水管を修理する場合にしても、掘削作業は最も危険な建設作業の1つであり、作業員すべてを巻き込む重大なリスクをはらんでいる。この種の作業に伴うあらゆる危険性の中でも、崩壊は最も大きなリスクであり、労働者の死に結び付く可能性が高い。崩壊を防ぐために、OSHAは事業者に対し、次のことを行うよう勧告している。
- 掘削面に傾斜を付けるか、または階段状にする。
- 壁面に支えをする。
- 掘削面と作業区域との間に遮蔽板を設置する。
OSHAのトニー・ノッジ(Tony Nozzi)監督官によれば、雨や装置の振動など、あらゆるものが崩壊のきっかけになりうるという。その他の要因としては、土壌の質、掘り出した土の堆積、天候、歩道などの付近の構造物、地表水および地下水の存在などがある。ノッジ監督官は、これらの要因に加え、掘削した溝の深さと幅によって、必要な保護システムの種類が決まってくるという。OSHAが許容している保護システムの設計には、次の3種類がある。
- 法面は、1.5:1以上の急勾配にならない角度とする。具体的には、1フィート掘るごとに、1.5フィート開口面を広げる。
- 2公認技術士が承認したデータ表を使って掘削作業を設計する。データ表は現場に備えておく。
- トレンチボックスまたは遮蔽板を使う。木材、アルミニウム、またはその他の適切な資材も使用できる。
OSHAでは、安定した岩盤を掘削する場合や深さが5フィート未満の掘削作業については、保護システムの設置を義務付けていない。ただしノッジ監督官によれば、5フィート未満の掘割であっても、浅いからといって必ずしもより安全なわけではないことに注意する必要があるという。小さな穴に対する警戒の必要性は、しばしば見過ごされがちである。
事業者は「穴があまり深くない場合には見張りを置かない傾向があります」、とノッジ監督官はいう。「事業者は、20〜25フィートの場合には保護が必要であることを知っています。だから、そうした穴の場合には注意します」。ノッジ監督官は、5フィートの深さの堀割が崩れて労働者が首まで埋り、あやうく死亡事故につながるところだったケースを実際に目にしたことがあるという。
労働者が掘削した穴から安全に出られるようにすることも重要である。ハシゴやタラップなどは許容できる設備である。ノッジ監督官はいう。「労働者が這いつくばったりせずに歩いて出られる限りは問題ありません。手、膝などを使わないと出られない場合、安全とはいえません」。
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