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さまざまな手段を組み合わせて規則を遵守する
Putting the pieces together for reg compliance

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2005年5月号 p.1)
(仮訳 国際安全衛生センター)



 コロラド州イングルウッドにあるComcast社西部部門のレイ・レアー(Ray Lehr)安全部長は、たくさんある規則をすべて遵守することはどんな安全担当監督者にとっても難しいという。
 レアー部長によれば、OSHAや運輸省の規則から、州と地方自治体の条例にいたるまで、どの規則が自分の会社に適用されるのかをまず見極めることが、成功の秘訣だという。「規則を自分で調べることもできますが、コンサルタントを雇うこともできます。特に自分の会社が厳しい規制の対象になっているなら、コンサルタントを雇った方が得策です。また、必要な作業を大学や規制当局が無料で代行してくれる場合もあるでしょう」、とレアー部長。
 規則の分類が済んだら、以下に掲げるような、規則の遵守に役立つさまざまな手段を利用できる。

経営トップのサポート。経営陣の支持を取り付けるには、会社が遵守する必要があるのは何か、遵守にかかる費用、および遵守しない場合にかかる費用はどれくらいになるのか、対策の実施までにどれだけ時間がかかるかを正確に把握し、対策を実現するための計画を作る必要がある。

安全文化。まず、安全の重要性を理解している役員を見つけ、人事部および上級経営陣と協力して、安全衛生を責任の所在がはっきりした目標として掲げる。

規制当局との交流。地域の規制当局と関係を築く。2つ方法がある。1つは自分が担当するプログラムを宣伝するために会合を開くこと、もう1つは社内の安全会議に規制当局の人間を招いて話をしてもらうことである。

情報源。これには規制当局(気が重い場合には所属を告げずに電話するとよい)、刊行物、安全団体、コンサルタント、専門家組織と同業他社、およびベンダーが含まれる。

弁護士。法令遵守を専門とする弁護士は、トラブル時に頼りになるだけでなく、レアー部長の表現を借りれば「規則の泥道をかきわけて進む」のを助けてくれる。たとえば、新しい法律が出た場合、弁護士の助言を頼りに、その法律が会社の事業に適用されるのかどうか、適用されるならどのようにして遵守すればよいのかを判断することができる。

他人のミスから学ぶ。レアー部長によれば、そのための手段は刊行物や安全団体という形ですでに存在している。

目標の設定。長期的な目標はもちろん遵守であるが、どうやってそれを達成するかを考える必要がある。たとえば、規制に関連する種々の課題の特定、遵守に要する費用と時間の見極め、具体的な介入措置の実施、といった目標を立てることができる。

評価のプロセス。計測可能な具体的な基準を設け、これを常に評価の対象にする。レアー部長によれば、この作業は自分で行うこともできるし、コンサルトタントを雇ったり、第三者の目として外部の安全監督を利用したりすることもできる。

 「自己満足はいけません。思考回路が決して安易な"メンテナンス"モードに陥らないよう注意しなければなりません」、レアー部長はこうクギを刺した。