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較正をすべきかどうか
To calibrate or not to calibrate

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2005年10月号 p.2)
(仮訳 国際安全衛生センター)


較正をどのくらいの頻度で行うべきかは、ガス検知器の使用をめぐってよく問題になる点の一つである。カリフォルニア州ユニオンシティーにあるRKI Instruments社のジョン・ビラロボス(John Villalovos)上級応用技師によると、使用者のニーズと使用者がモニターをどのような目的で使うかによって、較正の作業も変わってくるという。たとえば、調査目的の正確な測定を行う使用者の場合には、閉塞空間で作業する労働者など純粋に安全を目的としてガスモニターを使用する労働者よりも、機器の示す値がより正確で厳密である必要がある。
  ただしビラロボス技師によれば、最近はより慎重になる傾向が強まっているという。「監督官庁に影響されたメーカーが、エンドユーザーの行動にも影響を及ぼしています」
  ビラロボス技師によれば、最も慎重な立場に立つなら、ガス検知器は使用する前に毎回、あらかじめ濃度がわかっている試験ガスを用いて較正を行う必要があるという。これほど厳しくない方法としては、使用前に毎回ガス検出器のバンプテスト(bump test)を行い、定期的に較正を行うやり方がある。この場合、バンプテストをパスしなかった時点でガス検出器の較正を行い、標準に戻すことになる。
  多くのエンドユーザーは、メーカーが推奨する適切な較正頻度の途中では較正を行わないが、ビラロボス技師によると、ガス検知器に対するニーズや使用頻度はさまざまなので、数値で頻度を定めても、不適切な場合もあれば過剰になる場合もあるという。
  ビラロボス技師はいう。「結局、適切な較正頻度については、具体的な使い方に即してエンドユーザーが責任を負わなければならず、エンドユーザーが従っている安全のための取り決め全般と一貫性のあるものである必要があります」
  自分たちの使い方にとって適度な較正頻度を見つけるための簡単な方法は、最初は機器の較正を頻繁に行い、以後は較正のたびに、正しい値に戻すために必要とされた補正量を記録することである。「補正量が無視できる程度に小さければ、現在の較正頻度を延ばしてもよいと考えられます」とビラロボス技師はいう。
  こうして延ばした較正頻度で較正を行っていて、次回の較正で大幅な補正が必要になったら、最適な較正頻度に達したか、またはそれを超えたと考えられる。ビラロボス技師によれば、このような手順に従うことで、そのエンドユーザーにとって実質的に重要な、検知器の性能に影響を及ぼす(すべてではないが)多くの要因が考慮されることになるという。

「結局、適切な較正頻度については、具体的な使い方に即してエンドユーザーが責任を負わなければなりません」
-- RKI Instruments社、ジョン・ビラロボス