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「猛犬注意」
"Beware of the dog"

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2005年10月号 p.3)
(仮訳 国際安全衛生センター)


今や米国世帯の40%近くが犬を飼っており、そのうち多くの世帯が、防犯のためにより大型で攻撃的な種類の犬を飼うようになっている。このため、公共サービスに従事する労働者が犬に噛まれる危険性は以前にもまして高くなっている。
  犬に襲われないようにするには、公共サービスに従事する労働者が、犬に噛まれないための安全についてしっかりと教育訓練を受ける必要がある。フロリダ州オカラにあり、犬に噛まれないための労働安全について詳しいBulli Ray Enterprises社のミツィ・ロビンソン(Mitzi Robinson)社長によると、よくある思い違いのうちで大きいのは、犬の目を見ないようにすること、犬に襲われたらじっとして動いてはいけないということの2点だという。ほとんどの犬は従順だということを労働者は知る必要がある。ロビンソン社長は、犬は従順であればあるほど、恐怖心に反応して行動するので、より危険だという。「犬の目をじっと見つめて、こちらが支配者であることをわからせる必要があります。犬が恐くないという姿勢を示せば、犬は後ずさりして、こちらに近付こうとしません」
  また、公共サービスの会社では、犬に関する集中的な安全講習を受けて、犬に襲われない方法を労働者に教えることができる専門家を、少なくとも一人社内に置く必要がある。こうした教育訓練は継続的に実施しなければならない。ロビンソン社長はいう。「管理職クラスや監督者クラスの多くの人たちが外回りをしていたのは20年前のことで、犬をめぐる現状についていけない点が、最も大きな問題の一つだと私は考えています。犬の種類が劇的に変わっているのです。今、人々が犬を飼っているのは防犯のため、つまり人を威嚇して近付けないためなのです」
  コロラド州のケーブル・インターネットプロバイダー、コムキャスト(Comcast)社のスティーブン・スナイダー(Stephen Snider)安全遵守部長(director of safety and compliance)は、公共サービスに従事する労働者にとって、とっさの際に最も役立つことは、襲いかかってきた犬と自分との間を何かでさえぎることだという。「ジャケットでも手袋でも、クリップボードでも何でもいいので、何かに噛みつかせ、そのまま引っ張るのです。そして犬が口を離さないようにしておいて、安全な場所に逃れます」