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深呼吸をする
Take a deep breath

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2005年9月号 p.2)
(仮訳 国際安全衛生センター)


職業性喘息は、先進国において最も多くみられる職業性肺疾患である。職場でのばく露によって、すでに患っている喘息が悪化することがあるだけでなく、特定の物質に対してアレルギーになったり、高濃度の刺激物にばく露したりすることで、新たに喘息を発症することもある。ばく露の程度がごくわずかでも職業性喘息を引き起こす可能性のある物質は、400種類以上存在する。したがって、成人発症型の喘息が発生した場合や、成人後に喘息が悪化した場合には、必ず職業性喘息を疑ってみる必要がある。
  ランシングにあるミシガン喘息イニシアチブ(Asthma Initiative of Michigan)によれば、次のような場合、事業者は職業性喘息を疑う必要があるという。

  • 職場にいるときに喘息の徴候が悪化する。
  • 職場を離れると徴候が和らいだり改善したりする。
  • 新しい仕事の開始後に労働者が喘息を発症する。
  • 成人に新たに喘息が発症する。
  • すでに患っている喘息が成人後に悪化する。

  職業性喘息の診断が労働者に下されたら、速やかにその労働者を喘息を引き起こす物質にばく露させないようにすることで、徴候が改善したり解消したりする可能性は高まる。
  ミシガン喘息イニシアチブでは、職業性喘息を予防するため、事業者に以下のことを勧めている。

  • 喘息を引き起こす物質に代えて、より有害性の少ない物質や化学物質を使う。
  • 局所排気などの工学的な管理を利用してばく露をできるだけ低く抑える。ばく露を定期的に監視する。
  • 作業管理と工学的な管理が不可能な場合には、呼吸用保護具を用意する。
  • 労働者に対して教育訓練を実施し、喘息を引き起こす物質の認識、ばく露を最小限に抑えるための保護の方法、呼吸障害の徴候の捉え方を教える。
  • スクリーニングおよび追跡のための医療プログラムを定めて、職業性喘息を患う従業員を発症と同時に特定できるようにし、喘息が慢性または重度のものになる可能性を抑える。スクリーニングについては、ミシガン喘息イニシアチブのウェブサイトwww.getasthmahelp.org/work_related_asthma_screening.aspに詳しい情報が掲載されている。
  • 喘息を発症した従業員については、該当者であることが特定され次第、ばく露にさらされない作業に配置換えする。

「ばく露の程度がごくわずかでも職業性喘息を引き起こす可能性のある物質は、400種類以上存在する」