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契約労働者の安全確保のカギを握る監督者
Supervisors key to keeping contract workers safe

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2006年7月号 p.1)
(仮訳 国際安全衛生センター)

掲載日2006.12.07

建設業界ではここ数年、契約仕事が大幅に増えている。ニューオリンズなどの暴風雨で破壊された都市で仕事が増加しているのに伴い、多くの企業は臨時雇いの労働者を雇ってプロジェクトを遂行する傾向を強めている。

こうした新たな単純労働力の大量流入は、経験不足や訓練不足、離職率の高さ、言語の壁など、安全に関係するさまざまな問題を生んでいる。これらの問題はいずれも傷害や死亡事故に結び付くおそれがあり、特にプロジェクト開始から数か月間はその可能性が高い。したがって現場の監督者が安全プログラムを理解し、これを労働者に周知徹底して災害を未然に防ぐことが非常に重要である。

多くの場合、建設現場で重要な決定を下すことができる唯一の人物は、監督者または職長である。イリノイ州ヒルサイドにある建設安全評議会(Construction Safety Council)のトム・ブロデリック(Tom Broderick)理事長によれば、「最前線に立って作業を指揮し、ハザードを特定・是正して傷害がひとつも発生しないようにする」役割を果たすのは監督者や職長だという。「監督者は、労働者の経験と知識のレベルを評価して、労働者がハザードにさらされる前に適切な教育訓練を実施することができる立場にあります」、とブロデリック理事長はいう。

教育訓練を適切なものにするには、最初に労働者に対するオリエンテーションを行い、規則違反がどういう事態を招くかなど、安全にかかわる問題に関して会社が労働者に何を期待しているかを大まかに説明する。特定の作業や具体的なハザードに特化した教育訓練と安全に対する啓蒙活動も、職場の潜在的危険を労働者に認識させるうえで重要である。ブロデリック理事長はいう。「この教育訓練は、契約労働者も会社の正規の労働力の一部とみなして、同じように徹底して実施する必要があります」

毎日、作業開始前に短時間のミーティングを開き、ハザードの特定、およびハザードの除去・管理手段の指導を行えば、監督者は一日の仕事を効率よく始めことができる。安全な作業の遂行方法について労働者が質問しやすいようにすることも重要である。

意思の伝達は、契約仕事の監督者にとって最重要課題のひとつである。ここ数年、建設業界にはヒスパニック系労働者が大量に流入しているが、その多くは臨時雇いの労働者であり、英語を話せない場合がある。職長や監督者が労働者に明確に意思を伝達することができなければ、災害のリスクも高まる。

労働安全衛生庁(OSHA)第5地域事務所のマイク・コナーズ(Mike Connors)所長によれば、建設現場の監督者は、臨時雇いの労働者の安全を確保して建設現場での作業をスムーズに進めるために、3つのことを行う必要があるという。「まず、権限系統を明確にする必要があります。次に、きちんと意思の伝達が行える必要があります。最後に、安全衛生プログラムの有用性と重要性を認識している必要があります」、とコナーズ所長。

詳細については
新しいウィンドウに表示しますNIOSHの建設業のハザードに関する情報:www.cdc.gov/niosh/topics/construction/
新しいウィンドウに表示しますOSHAのヒスパニック向けアウトリーチのページ: www.osha.gov/dcsp/compliance_assistance/quickstarts/hispanic/index_hispanic.html
新しいウィンドウに表示しますOSHAの建設業に関する“Quick Start”のページ:www.osha.gov/dcsp/compliance_assistance/quickstarts/construction/index_construction.html