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作業関連の目の傷害を防ぐ
Prevent work-related eye injuries

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2006年5月号 p.1)
(仮訳 国際安全衛生センター)

掲載日2006.10.12

メリーランド州ベテスダの国立眼研究所(Bethesda,MD-based National Eye Institute)によると、職場で目に傷害を負ったために毎日約2000人の米国人労働者が医師の治療を受けているという。職場での傷害は、目の外傷、視力喪失、目の機能傷害、失明の主要原因であり、業務や日常生活の遂行能力がそのために損われるおそれがある。

事業者と労働者は視力へのリスクに注意する必要があるが、特に建設、製造、採掘、大工、自動車修理、電気工事、配管、溶接、整備といったハイリスクな職業に従事している場合には、いっそう警戒が必要である。ハザードを排除または低減し、適切な目の保護具を着用すれば、多くの目の傷害は予防可能である。

サイドシールド付き安全めがね、ゴーグル、フェイスシールド、および/または溶接用ヘルメットを着用すれば、飛来物をはじめ、大きな破片、高温の火花、光線、溶けた金属の飛抹、物体、粒子、まぶしさなどのよくあるハザードから目を保護することができる。目の傷害のリスクと予防手段の必要性は、具体的な作業の内容や職場の諸条件によって異なる。

労働環境を可能な限り安全なものとし、目の傷害のリスクを低減するために、事業者は次のような措置を講じることができる。

  • 目のハザードに関する評価を実施する。
  • あらゆる目のハザードを可能な限り排除または低減する。
  • 職場に存在するハザードの種類に応じて適切な目の保護具を用意する。
  • 危険な環境で作業する従業員すべてに適切な目の保護具の着用を義務付ける。
  • 目の保護具を良好な状態に保ち、適切なフィットが得られるよう労働者を支援する。
  • 関係者以外を作業区域外に出すか、または防護壁のうしろに退避させる。
  • 警告標識を使って、ぶら下がっている物体や突き出た物体などの潜在的なハザードの存在を知らせる。
  • ハザードの存在する区域の近くに緊急消毒用の洗眼液/洗眼設備を用意する。
  • 応急処置に関する指示および緊急援助の要請に関する情報を掲示する。

目の安全については、職場の教育プログラムで継続的に注意を喚起する必要がある。目の傷害に対処するための手順も確立して実施する必要がある。労働者は目の健康を維持するために、定期検診、一般的には2年に1度、総合的な目の検診を受ける必要がある。健全な視力を維持することは、作業中の傷害を防ぐうえで重要である。

目を安全に保つ

職場での目の傷害は、最もしばしば金属や石の破片、釘、研磨用の砂などの飛来物によって引き起こされる。イリノイ州ショウンバーグにある米国視覚障害防止協会(Prevent Blindness America,Schaumburg,IL.)は、このほかに目の傷害の原因として次のようなものを挙げている。

  • 砥石車(細かな浮遊粒子)
  • 腐食性物質
  • 有害な可視光放射または熱放射
  • 金属の飛抹
  • 有毒なガスや蒸気
 硬い金属製工具同士をぶつけ合ったり、金属製手工具で機材を叩いたり、切断によって粉じんが飛び散ったりする作業を行う場合、一般に作業者とその周囲の労働者は目の保護具を着用する必要がある。非鉄製の「ソフトな」打撃用工具を使用し、作業現場を金属製や木製、帆布製のデフレクタで囲むと、ハザードを最小限に抑えることができる。木材加工用・切断用工具を顔の高さや頭上で使う場合をはじめ、粉じんが目に落ちてきたり目に飛び込んできたりする可能性がある場合には、安全めがねかフェイス・シールドを着用する。