このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。


16. 墜落・転落による災害防止に関する規制



高い場所からの墜落・転落による労働災害の比率は災害原因の中で最も高いが、その防止について、事業者に次のことを要求している。

1. 安全な足場の設置等

(1)高さが2メートル以上の箇所で作業を行なう場合
a. 作業床を設けた足場を組み立てること。
b. 足場周囲には、高さ75センチメートル以上の手すりを設けること。
c. 作業床の床材の幅は40センチメートル以上とし、床材間の隙間は3センチメートル以下とすること。また、床材には十分な強度のあるものを使用し、転位又は脱落しないように2箇所以上支持物に緊縛すること。
d. (a) の作業床を設けることが困難な時は、防網(Safty Net) を張り、労働者に安全帯を使用させること。
e. 足場を組み立て又は解体の時には、作業主任者の指揮で行うこと。

(2)高さが2メートル以上の作業床の端、開口部等(既設の設備等)で墜落の危険がある箇所で作業を行なう場合
a. 囲い、手すり、覆い等を設置すること。
b. (a) の設置が困難な時、臨時に取り外す場合には、防網を張り、労働者に安全帯を使用させること。

(3)労働者の義務
労働者は、(1)の(d) 、(2)の(b) で安全帯の使用を命ぜられた時には、安全帯を使用すること。

(4)照度の保持
高さが2メートル以上の箇所で作業を行なう場合には、作業を安全に行なうために必要な照度を保持すること。

(5)悪天候時の作業中止
高さが2メートル以上の箇所で作業を行なう場合、強風、大雨、大雪等のため危険が予想される時には、作業を中止すること。

(6)立ち入り禁止
墜落の危険がある場所には労働者を立ち入らせてはならないこと。

(7)安全帯の取り付け設備
労働者に安全帯を使用させる時には、安全帯を安全に取り付けるための設備を設置すること。また、安全帯、取り付け設備の異常の有無を点検すること。


2.踏み抜き防止の措置

スレート等の屋根の上で作業を行なう場合で、踏み抜きの危険がある時には、幅が30センチメートル以上の歩み板(歩行のための板)を設置するか、防網を設置すること。


3.使用を廃止した立坑等の閉塞

使用を廃止した立坑、40度以上の斜坑、坑内掘削跡等は、墜落防止のために閉塞すること。


4.昇降設備の設置

高さ又は深さが1.5 メートル以上の箇所で作業を行なう時には、安全に昇降できる設備を設置すること。


5.煮沸槽等への転落防止措置

作業中、通行中に転落して火傷、窒息等の危険がある煮沸槽、ホッパー、ピット等の周囲には、高さが75センチメートル以上の丈夫な柵等を設置すること。


6.粉砕機等における転落防止措置

粉砕機及び混合機の開口部から転落することを防止するため、蓋、囲い、高さ90センチメートル以上の柵等を設置すること。


7.架設通路の安全確保

架設通路については、次のような措置を行なうこと。
a. 勾配は30度以下とすること。
b. 墜落の危険がある箇所には75センチメートル以上の手すりを設けること。
c. 立坑内の架設通路については、10メートル以内ごとに踊り場を設けること。
d. 建設工事に使用する登り桟橋については、7メートル以内ごとに踊り場を設けること。


8. 保護帽の着用

a. 墜落による危険を防止するため、労働者に墜落防止用の保護帽(安全帽)を着用させること。
b. 労働者は、墜落防止用の保護帽を着用しなければならない。


9. 下請け業者に使用させる場合の措置

建設工事及び造船業の元方事業者等は、(1) のa、b及び(4) の設備を下請けの労働者に使用させる場合には要求されている安全基準を満たしたものとしなければならない。(一部15回に掲載済み)