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19. 飛来・崩壊による災害防止に関する規制


地山が崩壊したり、高所から物体が飛来したことによる労働災害も多く発生している が、その防止について、事業者に次のことを要求している。


1.地山等の崩壊による危険防止のための措置

(1) 地山の崩壊又は土石等の落下防止
地質、地層等の状態、き裂、含水、湧水、凍結の有無及び状態、埋設物等の有無及び状態、高温のガス、蒸気の有無及び状態等について事前調査を実施する。

(2) 地山等の勾配を安全なものとする。

[手掘り(パワーショベル等を使用しないとき)の勾配]

地山の種類 掘削面の高さ(m) 掘削面の勾配(度)
岩盤又は堅い粘土 からなる地山 5未満 90
5以上 75
その他の地山 2未満 90
2以上5未満 75
5以上 60
砂からなる地山 勾配30度又は掘削面の高さ5m未満
発破等の後の地山 勾配45度又は掘削面の高さ2m未満

  • 点検者を指名して、作業開始前に地山、ずい道、採石場所等の浮石、亀裂、落盤・肌落ちの状況等を点検する。
  • 土止め支保工、ずい道支保工等を設け、防網を張る。立ち入り禁止区域を設定する。
  • 採石場所には、支柱、残柱、ロックボルト等の措置を行い、立ち入り禁止区域を設定する。
  • 労働者に保護帽を着用させる。


2. 物体の飛来・落下による危険防止

  • 3メートル以上の高所から物体を投下する時には、投下設備を設置し、監視人を配置する。
  • 物体が落下する危険のある場所(つり足場の下などには、防網を設置し、立入禁止区域を設定する。
  • 材料、器具、工具等を揚げ又は降ろす時は、つり綱、つり袋等を使用する。
  • 船台、建築現場等で上方で作業を行なっているときには、下の労働者に保護帽を着用させる。
  • 船倉の内部では、防網、防布等の措置をしない限り、同時に異なる層での作業を禁止する。
  • 岩石の落下等の危険ある場所で使用する車両系建設機械には、堅固なヘッドガードを設ける。
  • 「はい」については、ロープで縛る、網を張る、「はい」替えを行う。立入禁止区域を設定する。

3.吊り荷等の落下による危険防止

  • 荷の落下危険があるフォークリフト、ショベルローダー等には、堅固なヘッドガードを設ける。
  • 貨物自動車、不整地運搬車、構内運搬車等で重量が100kg 以上の荷の積卸し作業には、作業指揮者を選任し、ロープ解きまたはシート外しの際に荷の落下危険がないことを確認させる。
  • コンベヤーから荷の落下危険があるときは、覆いまたは囲いを設ける。
  • 車両系建設機械を主たる用途以外に使用して荷を吊り上げる時は、立ち入り禁止区域を設定する。
  • 杭打ち機、杭抜き機の運転中に溝車、滑車装置等が飛来する危険ある場所は、立ち入り禁止とする。
  • ジャッキ式つり上げ機械を使用して荷の吊り上げ、つり下げを行なう時は、立ち入り禁止区域を設定するとともに、労働者に保護帽を着用させる。
  • 揚貨装置、クレーン等のにの下を通行止めにする。

4. 加工物等の飛来による危険防止のための措置

  • 機械で加工中に切断、欠損等で飛来の危険があるときは、機械に覆いまたは囲いを設ける。それが困難な時は労働者に保護具を着用させる。
  • 切削屑等が飛来する危険があるときも上記と同じ対策を行なう。
  • ブレーカーを用いて工作物の解体または破壊、コンクリート、岩石等の破砕の作業を行なう時は、立ち入り禁止区域を設定する。
  • 空気圧縮機を使用してタイヤに空気を充填する時は、破裂したタイヤ等の飛来を防止するため、安全囲い等を設ける。


(次回は、荷役運搬機械による災害の防止に関する規制を予定)