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20. 荷役運搬機械による災害防止に関する規制


近年の運搬作業は、機械化が著しく、多くの荷役運搬機械が導入されているが、それに伴って労働災害も発生しているので、事業者に次のことを要求している。


1規制対象の荷役運搬機械
フォークリフト、ショベルローダー及びフォークローダー(以下「ショベルローダ
ー等」という)、ストラドルキャリヤー、不整地運搬車、構内運搬車、貨物自動車

2. 作業時の安全確保
(1) 作業計画の作成
作業場所の広さ、地形、運搬機械の能力等に適応する作業計画(運行経路、作業方法を含むもの)を作成し、関係労働者に周知する。

(2) 作業指揮者の選任
作業指揮者を定め、作業計画に基づく作業の指揮を行わせる。(作業指揮者の資格については特に規定は無い。)

(3) 制限速度の設定
時速10km以上の車両を用いて作業を行う時には、地形、地盤の状態に応じた制限速度を定め、運転者に徹底する。

(4) 運搬機械の転落防止等
  1. 運行経路について、次の措置をする
    • 必要な幅員を保持する。
    • 地盤の不同沈下を防止する
    • 路肩の崩壊を防止する。
  2. 誘導者を配置して、運搬機械の転倒、転落防止、付近で作業している労働者との接触防止等を行わせる。また、一定の合図を定めて誘導させる。
  3. 偏荷重の防止等
    • 偏荷重にならないように荷を積む。
    • 不整地運搬車、構内運搬車、貨物自動車では、荷崩れ、荷の落下を防止するため、ロープ掛け、シート掛けを行う。
(5) 修理、点検時の措置
  • 運搬機械の修理、点検時には、フォーク、ショベル、アーム等が不意に降下しないよう安全支柱、安全ブロック等を使用する。
  • 作業指揮者を定め、作業の指揮、監視を行わせる。
(6) 運転席から離れる時の措置等
  • フォーク、ショベル等の荷役装置を最低の位置まで下げる。
  • 原動機を止め、ブレーキを確実にかける。
  • 乗車席以外に労働者を乗せない。
(7) 移送時の措置
移送のため、運搬機械を貨物自動車に積卸しする時は、次の方法により行う。
  • 積卸しは、平坦で堅固な所で行う。
  • 道板を使用する時は、十分な長さ、幅、強度、安全な勾配を確保する。
  • 盛土、仮設台を使用する時は、十分な幅、強度、安全な勾配を確保する

3. 構造規格の具備

次の機械については、構造規格に適合したものを製造、販売、使用する。
フォークリフト、ショベルローダー等、ストラドルキャリヤー、不整地運搬車

4. 定期自主検査・作業開始前点検

機械の名称 年次検査 月例検査 作業開始前点検 記録の保存
フォークリフト
ショベルローダー等
ストラドルキャリヤー
不整地運搬車
構内運搬車


貨物自動車


(注) は、一定の資格者による特定自主検査(その他は事業者の自主検査)
は、2年に一回(その他は一年に一回)

5. 運搬機械別、その他の安全対策

(1) フォークリフト
  • 前照灯、後照灯の備え付け
  • 強固なヘッドガードの備え付け
  • バックレストの備え付け。
  • 強固なパレット、スキッドの使用
  • 能力を超えた使用の禁止
(2) ショベルローダー等
  • 前照灯、後照灯の備え付け
  • 強固なヘッドガードの備え付け
  • 能力を超えた使用の禁止
(3) ストラドルキャリヤー
  • 前照灯、後照灯の備え付け
  • 能力を超えた使用の禁止
(4) 不整地運搬車
  • 前照灯、後照灯の備え付け
  • 能力を超えた使用の禁止
  • 荷の積卸し時の荷台への昇降設備の設置
  • 不適格な繊維ロープの使用禁止
  • 荷の中抜きの禁止
  • 荷台への乗車禁止
  • 荷の積卸し時の保護帽の着用
(5) 構内運搬車
  • 能力を超えた使用の禁止
(6) 貨物自動車
  • 能力を超えた使用の禁止
  • 荷の積卸し時の荷台への昇降設備の設置
  • 不適格な繊維ロープの使用禁止
  • 荷の中抜きの禁止
  • 荷台への乗車禁止
  • 荷の積卸し時の保護帽の着用


(次回は、電気による災害防止に関する規制を予定)