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23. 爆発火災の防止に関する規制(その2) |
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(1) 溶融高熱物等による水蒸気爆発の防止
- 溶融高熱物を扱っている建築物の構造
(a) |
床面は、水が滞留しない構造とする。
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(b) |
屋根、壁、窓などは、雨水が侵入することを防止できる構造とする。
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- 溶融高熱物を扱うピット
(a) |
地下水が内部に侵入することを防止できる構造とする。(地下水を排出できる設備を設けた時は除く)
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(b) |
作業用水又は雨水が内部に侵入することを防止できる隔壁その他の設備を周囲に設ける。
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- 高熱の鉱滓の水処理
高熱の鉱滓を水で処理し、又は廃棄する場所には次の措置をする。
(a) |
排水がよい場所とする。
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(b) |
廃棄する場所であることを表示する。
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- 金属溶解炉に金属屑を投入する場合の確認
金属屑の中に水、火薬類、危険物、密閉された容器等が入っていないことを確認する。
- 火傷等の防止
多量の高熱物等を取り扱う作業では保護具を使用させる。
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(2) 火気等の管理
- 火気等の使用禁止
危険物以外の可燃性の粉塵、火薬類、多量の易燃性の物又は危険物が存在して爆発火災の危険がある場所では、火花、アークを発し、又は高温となって点火源となるおそれのある機械又は火気を使用してはならない。
- 防爆電気機械器具の使用
通風、換気等の措置を行っても、なお、引火性の物の蒸気、可燃性のガス、可燃性の粉塵が爆発の危険がある濃度に達するおそれがある場所で使用する電気機械器具は、蒸気、ガス、粉塵の種類に応じた防爆性能を有する防爆電気機械器具でなければならない。
- 配管又は容器の溶接等
危険物以外の引火性の油類、可燃性の粉塵、危険物が存在するおそれのある配管、タンク、ドラム缶等の容器については、爆発又は火災の防止のための措置を行った後でなければ、溶接、溶断、その他火気を使用する作業を行ってはならない。
- 酸素による通風、換気等の禁止
通風、換気が不十分な場所で溶接、溶断、金属の加熱、その他火気を使用する作業、研削砥石による乾式研磨、たがねによるはつりその他火花を発するおそれのある作業を行う時は、酸素を通風又は換気に使用してはならない。
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(3) 静電気による災害防止
- 静電気帯電防止作業服等の着用
爆発火災の危険のある場所で作業を行う時には、労働者に静電気帯電防止作業服、静電気帯電防止靴を使用させる。
- 静電気の除去
次の設備については、接地、除電剤、湿気の付与、除電装置を使用して静電気を除去し無ければならない。
(a) |
危険物をタンク自動車、ドラム缶等に注入する設備
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(b) |
危険物を収納するタンク自動車、ドラム缶等の設備
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(c) |
引火性の物を含有する塗料、接着剤等を塗布する設備
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(d) |
乾燥設備で危険物又は危険物が発生する乾燥物を加熱乾燥する設備
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(e) |
可燃性の粉状の物のスパウト移送、ふるい分け等を行う設備
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(f) |
その他の化学設備、又はその付属設備
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(4) 消火設備等
- 消火設備
建築物、化学設備、乾燥設備がある場所、その他危険物等を扱う場所には消火設備を設ける。
- 防火措置
火炉、加熱装置、鉄製煙突その他火災を生ずる危険のある設備と建築物その他可燃性物体との間には、防火のための間隔を設け、又は可燃性物体を遮熱材料で防護する。
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(5) 乾燥設備
- 構造
外面、内面、内部の棚等は不燃性の材料で造る。上部を軽量な材料で造り、又は有効な爆発戸、爆発孔を設ける。
乾燥に伴って生ずるガス、蒸気、粉塵等で爆発火災の危険がある物を安全な場所に排出できる構造とする。
覗き窓、出入り口、排気孔等の開口部は、発火の際延焼を防止する位置に設け、かつ、必要があるときに直ちに密閉できる構造とする。
内部の温度測定装置、温度調節装置を設ける。
熱源として直火を使用しない。
- 作業主任者の選任
危険物、又は危険物を発生する乾燥物を乾燥する設備(内容積が1立方メートル以上のもの)及びそれ以外の乾燥設備で熱源として燃料を使用するもの(固形燃料の場合は毎時10キログラム以上、液体燃料の場合は毎時10リットル以上、気体燃料の場合は毎時1立方メートル以上のものに限る)又は電力を使用するもの(定格消費電力が10キロワット以上のものに限る)の作業を行う場合には乾燥設備作業主任者を選任し、次の事項を行わせる。
(a) |
労働者に作業の方法を周知させ、作業を直接指揮する。
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(b) |
乾燥設備及び付属設備について不備に箇所を認めた時は直ちに必要な措置をとる。
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(c) |
内部の温度、換気の状態及び乾燥物の状態について随時点検し、異常を認めた時は直ちに必要な措置をとる。
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(d) |
乾燥設備がある場所を常に整理整頓し、その場所にみだりに可燃性の物を置かない。
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- 定期自主検査
乾燥設備については、一年以内ごとに一回定期に自主検査を行い、その結果、補修の結果を3年間保存する。
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(6) ガス集合溶接装置
ガス集合溶接装置(可燃性のガス容器を10以上導管で接続したもの、及び9以下の可燃性ガスを導管で接続したものであって容器の内容積の合計が水素又は溶解アセチレンの場合にあっては400
リットル以上の場合等)については,次のような措置を行う。
- 設置場所等
(a) |
火気を使用する場所から5メートル以上離れた場所に設ける。
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(b) |
移動して使用するもの以外は、専用の室(ガス装置室)に設ける。
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(c) |
ガス装置室については、ガスが漏洩した時に滞留しないようにする。屋根及び天井の材料を軽い不燃性の物とする |
- 配管
(a) |
フランジ、バルブ、コック等の接合部には、ガスケットを使用し、接合部を相互に密接させる。
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(b) |
主管及び分岐管には、安全器を設ける。この場合、一の吹管について、安全器が2以上になるようにする。
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(c) |
配管及び付属器具には、銅又は銅を70% 以上含有する合金を使用してはならない。
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- 管理
(a) |
使用するガスの名称、最大ガス貯蔵量を見易い箇所に掲示する。
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(b) |
ガス容器を取り替える時には、ガス溶接作業主任者を立ち会わせる。
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(c) |
5メートル以内の場所では、喫煙、火気の使用又は火花を発するおそれのある行為を禁止し、その旨を掲示する。
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(d) |
バルブ、コック等の操作要領及び点検要領を見易い位置に掲示する。
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(e) |
導管には、酸素用とガス用との混同を防止する措置を行う。
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(f) |
作業者に保護めがね、保護手袋を着用させる。
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- ガス溶接作業主任者
(a) |
作業の方法を決定し、作業を指揮する。
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(b) |
作業者にガス容器の口金、配管の取り付け口に付着している油類、じんあい等を除去させる。
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(c) |
容器の交換を行った後、ガス漏れを点検させる。ガス漏れは、石鹸水等を用いて安全に点検させる。。
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(d) |
ガス容器の取り替えに立ち会う。
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(e) |
作業開始前に、ホース、吹管、ホースバンド等の器具を点検し、必要な補修等を行う。
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(f) |
安全器を一日一回以上点検する。
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(g) |
保護めがね、保護手袋の着用状況を監視する。
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- 定期自主検査
ガス集合溶接装置については、一年以内ごとに一回定期に自主検査を行い、その結果、補修の結果を3年間保存する。
(注)その他アセチレン溶接装置(アセチレンを発生させる装置を含む)についても規制されているが、日本ではほとんど使用されなくなったので省略。
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(次回は、貨物の取扱時の災害防止に関する規制を予定) |
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