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26. 有機溶剤中毒の予防 |
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工場における各種製品の製造過程を始めとして多くの産業の場において有機溶剤の使用が行われているが、その過程において急性中毒等の障害も少なからず発生しており、その予防のために事業者に次のようなことを要求している。
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1. 規制対象物質
(有機溶剤又は有機溶剤混合物−有機溶剤を重量の5%を超えて含有するもの:以下「有機溶剤物質等」という):54物質
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a. |
第1種有機溶剤
クロロホルム、四塩化炭素、1.2 ジクロルエタン、1.2 ジクロルエチレン、1.1.2.2-テトラクロルエタン、トリクロルエチレン、二硫化炭素の7物質
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b. |
第2種有機溶剤
アセトン、エチルエーテル、キシレン、酢酸ブチル、スチレン、トリクロルエチレン、ノルマルヘキサン等40物質
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c. |
第3種有機溶剤
ガソリン、コールタールナフサ、石油エーテル、石油ナフサ、石油ベンジン、テレビン油、ミネラルスピリットの7物質
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2. 有機溶剤業務
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a. |
有機溶剤等を製造する工程、染料、医薬品、農薬、合成樹脂又はこれらの中間体を製造する工程における有機溶剤等の濾過、混合、撹拌、加熱の業務
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b. |
有機溶剤含有物を用いて行う印刷の業務
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c. |
有機溶剤含有物を用いて行う文字の書き込み、描画の業務
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d. |
有機溶剤等を用いて行う艶だし、防水、その他の物の面の加工業務
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e. |
接着のための有機溶剤等の塗布業務、塗布された物の接着業務
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f. |
有機溶剤等を用いて行う洗浄、払拭の業務
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g. |
.有機溶剤等を用いて行う塗装業務
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h. |
有機溶剤等が付着している物の乾燥の業務
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j. |
有機溶剤等を用いて行う試験、研究の業務
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j. |
有機溶剤等を入れたことのあるタンクの内部の業務
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3. 予防のための基本的な措置
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a. |
設備
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第1種及び第2種有機溶剤等:
蒸気の発散源を密閉する設備、局所排気装置又はプッシュプル型換気装置
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第3種有機溶剤等:
蒸気の発散源を密閉する設備、局所排気装置、プッシュプル型換気装置又は全体換気装置但し、タンク内の時には全体換気装置は不可)
なお、屋内作業場の周壁の2側面以上が開放されている時、短時間の業務で送気マスクを使用させる時等には、設備の設置が省略できる。
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b. |
健康診断
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屋内作業場における第1種及び第2種有機溶剤等の業務及びタンク内における第3種有機溶剤等の業務(6月以内ごとに一回実施)
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c. |
局所排気装置等の性能基準
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局所排気装置等については、フードの型式、空気清浄装置、排気口の位置、風速、換気量等が規定されている。
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4. 管理
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a. |
作業主任者の選任
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(1) の物質を製造し、又は取り扱う作業については一定の技能講習を修了した作業主任者を選任する。
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b. |
定期自主検査
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局所排気装置等については、一年以内ごとに一回定期に自主検査を行い、その結果及び補修の状況を3年間保存する。
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c. |
掲示
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業務に従事する労働者の見易いところに次の事項を掲示する。
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(a) |
有機溶剤の人体に及ぼす影響
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(b) |
有機溶剤等の取り扱い上の注意.
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(c) |
有機溶剤による中毒が発生した時の応急処置
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d. |
有機溶剤区分の表示
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第1種有機溶剤等 赤
第2種有機溶剤等 黄
第3種有機溶剤等 青
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e. |
作業環境の測定
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第1種及び第2種有機溶剤の業務を行う屋内作業場については、6月以内ごとに作業環境の測定を行い、設備の改善、作業工程の改善等を行う。
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5. 適用の除外
有機溶剤の消費量が少ない場合には、設備の設置、作業主任者、掲示、表示等の義務が免除される。
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―次回は、特定化学物質等の障害予防を予定―
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