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ドイツフランス - 統計から見る世界の労働安全衛生

出典:新しいウィンドウに表示しますフランス安全国立研究所(INRS)ウェブサイト
新しいウィンドウに表示します「2004年労災害統計」より

掲載日:2007.03.19
以下に示すフランスの「2004年労働災害統計」フランス国立安全研究所(INRS)ウェブサイトで紹介されたものです。用語の定義について一部不明な点がありますが、労働災害の潮流を知る上での参考資料として紹介いたします。

2004年の労働災害の統計がCNAMTS(労働者職業性疾病保険全国基金)から発表された。2004年の特徴は災害件数と頻度の減少である。しかしながら、職業性疾病件数の増加は継続している。最も危険な業種は依然として建設業である。そして、最も頻繁な死亡災害は常に道路上のリスクと密接に結びついている。

  • 主な数字
  • 労働災害
  • 交通災害
  • 職業性疾病
  • 詳細

CNAMTSは2004年の労働災害の統計を発表した。2004年は、9つの全国技術委員会で1,750万人の労働者をカバーしており、この数は0.6%減少した。

主な数字

15年間の労働災害頻度の推移 頻度率グラフ(Statistiques 2004より)

2004年の労働災害件数は692,000件であった。この数は前年に対し4%減少している。2004年の死亡災害は5.3%減少し、626件となった。労働者数は若干減少し、全国の労働災害は頻度率が3%減少し、災害件数100万労働時間あたり26.1件でだった。休業交通災害に関しては5.5%減少した。


補償が行われた職業性疾病数は再び増加し、2003年の報告に対し6.4%増加した。

労働災害と職業性疾病件数の推移
  2003 2004 変化
労働者数 17,632,798 17,523,982 -0.60%
労働災害
休業災害 721,227 692,004 -4.10%
身体障害を伴う労働災害 48,774 51,771 6.10%
死亡災害 661 626 -5.30%
一時的就労不能の日数 36,097,299 35,096,561 -2.80%
一時的就労不能の平均日数 50 50.7 .
頻度指標 40.9 39.5 -3.40%
頻度率 26.9 26.1 -2.90%
一時的就労不能の重大さ率 1.35 1.33 -1.50%
一時的就労不能の重大さの指標 18.2 19.5 7.10%
職業性疾病
規定された職業性疾病 34,642 36,871 6.40%
身体障害を伴う職業性疾病の件数 15,713 19,155 21.90%
死亡 485 581 19.80%
一時的就労不能の日数 6,347,481 6,819,374 7.40%
交通災害
休業を伴う交通災害 82,859 78,280 -5.50%
身体障害を伴う交通災害 9,806 10,089 2.90%
死亡災害 508 486 -4.30%
一時的就労不能の日数 5,626,334 5,258,230 -6.50%
一時的就労不能の継続期間 67.9 67.2 .

注:表中頻度指標、頻度率、一時的就労不能の重大さ率は、それぞれ我が国の年千人率、度数率、強度率に相当する。

労働災害

業種別の統計

最も災害が発生しやすいのは依然として建設業である。それは死亡、重大労働災害が最も多く遺憾に思われている建築及び公共工事に含まれる。

業種別災害発生状況
全国技術委員会 労働者 休業災害 労働災害
身体障害を伴う災害
一時的就労不能日数 死亡
金属 1,992,139 84,284 6,876 3,646,082 80
建築及び公共工事 1,328,025 118,913 10,394 6,769,756 172
輸送、配送、通信 2,043,074 92,521 6,930 5,164,116 122
食品 2,236,371 121,266 6,813 5,548,003 48
化学、ゴム、プラスチック 500,562 16,942 1,461 799,251 15
木材、家具、紙・ダンボール、繊維、衣服、皮革、石材など 647,213 35,908 3,035 1,743,220 34
商業 2,272,035 57,056 4,471 2,933,142 56
サービス業T
(銀行、保険など)
3,571,286 38,963 3,204 1,759,755 38
サービス業U
(健康)及び一時的な仕事 
2,933,277 126,151 8,587 6,733,236 61
全国技術委員会合計 17,523,982 692,004 51,771 35,096,561 626
事務所及び特別カテゴリー 341,313 7,886 947 627,972 4
フランス 17,865,295 699,890 52,718 35,724,533 630
業種別労働災害の頻度グラフ(Statistiques 2004より)
業種別頻度率
業種別にみた労働災害の頻度及び重大さ
全国技術委員会 頻度指標 頻度率 重大さ率 重大さ指標
金属 42.3 25.9 1.12 20.0
建築及び公共工事 89.8 55.3 3.14 55.6
輸送、配送、通信 45.3 31.2 1.74 25.1
食品 54.2 34.9 1.60 17.2
化学、ゴム、プラスチック 33.9 21.2 1.00 17.6
木材、家具、紙・ダンボール、繊維、衣服、皮革、石材など 55.5 34.5 1.68 29.7
商業 25.1 16.3 0.83 12.6
サービス業T(銀行、保険など) 10.9 7.7 0.35 5.9
サービス業U(健康)及び一時的な仕事  43.0 29.8 1.59 18.4
全国技術委員会合計 39.5 26.1 1.33 19.5

原因による分類

休業労働災害の主原因グラフ(Statistiques 2004より)
休業労働災害の主原因

マニュアル・ハンドリングが休業災害の三分の一を占める。

車両業は常に、確認し得る死亡災害の一番の原因である。

災害の主原因
原因 休業災害 身体障害を伴う災害 死亡 一時的就労不能の日数
同一平面での転倒 159,489 11,094 9 8,419,366
墜落・転落 87,616 9,022 85 6,494,855
マニュアル・ハンドリング 233,965 15,728 25 11,130,373
移動物体 41,730 2,217 32 1,404,350
巻上げ機、持上げ装置 24,839 1,786 26 1,257,147
車両 21,966 2,857 159 1,600,827
機械 23,749 2,844 14 1,025,044
土木機械 951 175 11 85,229
工具 46,761 2,078 0 1,142,255
電気 865 79 22 48,935
各種機器 10,974 830 11 307,885
その他 39,099 3,061 232 2,180,295
合計 692,004 51,771 626 35,096,561

交通災害

労働者の数はあまり変わらなかったにもかかわらず、休業を伴う交通災害は5.5%減少し、2003年の82,859件から2004年には78,280件となった。一時的就労不能の日数はほぼ同じで530万日であった。一時的就労不能であった期間は労働災害の場合が51日であるのに対し、交通災害では67日であった。2004年の身体障害を伴う交通災害は10,089件であった。死亡交通災害は2003年の508件から2004年には486件となり、4.3%という顕著な減少となった。

業種別に見た交通災害
全国技術委員会 休業災害 身体障害を伴う災害 一時的就労不能日数 死亡
金属 7,822 1,145 532,447 73
建築及び公共工事 6,490 792 476,727 56
輸送、配送、通信 7,392 1,099 529,742 55
食品 13,323 1,379 916,707 72
化学、ゴム、プラスチック 1,496 233 106,279 20
木材、家具、紙・ダンボール、繊維、衣服 2,338 341 188,424 17
商業 8,568 1,153 528,417 38
サービス業T(銀行、保険など) 11,758 1,631 608,322 41
サービス業U(健康)及び一時的な仕事  17,152 1,970 1,181,564 109
全国技術委員会計 76,339 9,743 5,068,629 481
事務所及び特別カテゴリー 1,941 346 189,601 5
フランス 78,280 10,089 5,258,230 486

職業性疾病

補償が行われた職業性疾病総数は、6.4%増加し、2003年の34,642件から2004年には36,871件となった。このうち、19,155件は身体障害を伴うものであり、581件は死亡であった。

職業性疾病:業種による統計
全国技術委員会 職業性疾病 身体障害を伴う職業性疾病 一時的就労不能日数 死亡
金属 4,950 2,595 904,866 55
建築及び公共工事 3,329 1,861 688,548 18
輸送、配送、通信 1,208 625 274,461 4
食品 5,204 1,878 1,164,294 2
化学、ゴム、プラスチック 1,300 694 262,441 13
木材、家具、紙・ダンボール、繊維、衣服 2,422 1,254 555,035 15
商業 1,116 562 239,070 9
サービス業T(銀行、保険など) 877 403 166,917 6
サービス業U(健康)及び一時的な仕事  2,701 1053 564,086 2
全国技術委員会計 23,107 10,925 4,819,718 124
事務所及び特別カテゴリー 13,764 8,230 1,999,656 457
フランス 6,871 19,155 6,819,374 581

関節周囲の疾患が頻発しており、認定されたものの68%を占める24,848件が関節周囲の疾患であった。腰痛は、第97表(410件)、第98表(2,3130件)を作成する前は二義的なものであったが、それ以来は職業性疾病の第3位の要因となっている。全体では筋骨格系障害が職業性疾病の四分の三を占めている。アスベストに関係した疾病すなわち第30表、第30-2表(それぞれ4,831件、818件)も職業性疾病の重要な部分を構成しており、過去のばく露を反映して大幅に増加している。

主要な職業性疾病の推移
表番号 名称 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年
57 関節周囲の疾患 13,104 15,912 21,126 23,672 24,848
30 アスベスト粉じんによる疾患 2,564 2,984 3,939 4,366 4,831
98 重量物による腰の慢性疾患 1,551 1,798 2,251 2,260 2,313
42 騒音による疾患 613 494 543 632 980
30bis アスベスト粉じんの吸入により発症する疾患 346 370 555 652 818
97 振動による腰の慢性疾患 384 383 424 421 410
65 アレルギーによる湿疹 296 304 365 364 351
66 アレルギーによる呼吸器疾患 255 255 322 309 315
25 珪石吸入により発症するじん肺 236 235 293 281 307
79 関節の慢性疾患 98 171 231 254 292
69 機械工具の振動により発症する疾患 165 172 167 187 185
8 セメントによる疾患 173 202 190 199 147
. 職業性疾病合計 20,695 24,220 31,461 34,642 36,871