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シンガポールシンガポール - 統計から見る世界の労働安全衛生

出典:新しいウィンドウに表示します人材開発省ウェブサイト
新しいウィンドウに表示します「Annual Report 2005」(P53〜58)PDF[6.37MB]

掲載日:2007.02.01
シンガポール人材開発省が公表している安全衛生統計については、同省のウェブサイトに掲載されている。本ページでは、同省の安全衛生に関する年次報告書(「Annual Report 2005」)の一部を紹介する。

安全報告

工場法に基づく届出のあった労働災害

2005年の労働災害届出件数は前年比で3.5%増加し、2004年の3,283件から2005年には3,399件になった。このうち、1,300件は建設業、456件は船舶造船業、1,643件はその他の工場で発生した。

建設業の災害届出件数は前年から増え、2004年の1,216件から2005年には1,300件になった。造船・船舶修理船舶造船業の災害届出件数も同様に前年から増え、2004年の393件から2005年には456件になった。これら以外の工場の災害届出件数はわずかに減少しており、2004年の1,674件から2005年には1,643件になった。次に示すのは、1996〜2005年の産業別労働災害件数である。
産業別労働災害件数(1996年〜2005年)
産業別労働災害件数(1996年〜2005年)グラフ
  1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005
船舶造船業のマーク 船舶造船業 754 681 666 518 311 454 429 394 393 456
建設業のマーク 建設業 1,243 1,538 1,532 1,504 1,395 1,455 1,337 1,193 1,216 1,300
その他の工場のマーク その他の工場 2,309 2,203 2,039 1,931 1,813 1,881 1,622 1,592 1,674 1,643
工場合計のマーク 工場合計 4,306 4,422 4,247 3,953 3,519 3,790 3,388 3,179 3,283 3,399

障害の程度別にみた労働災害

届出の対象となる労働災害については、大きく3つのカテゴリーに分けて、一時障害、永久障害、および死亡を区別している。

2005年の死亡件数は44件(10年間での最低記録)で、前年の51件から13.7%減少した。死者数も2004年の67人から2005年には47人に減少した。

永久障害の発生件数は、2004年の93件から2005年には92件になった。

一時障害の発生件数は、2004年の3,139件から2005年には3,263件になり、4.0%の増加となった。

次に示すのは、1996〜2005年の労働災害を産業別障害の程度別に分類したものである。
産業 障害の程度 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005
船舶造船業 A 726 658 635 498 299 438 415 377 371 436
B 17 14 22 10 6 4 6 11 11 17
C 11 9 9 10 6 12 8 6 11 3
合計 754 681 999 518 311 454 429 394 393 456
建設業 A 1,159 1,417 1,14 1,412 1,309 1,404 1,273 1,133 1,173 1,258
B 33 49 51 44 37 24 26 29 19 20
C 51 72 67 48 49 27 38 31 24 22
合計 1,243 1,538 1,532 1,504 1,395 1,455 1,337 1,193 1,216 1,300
その他の工場 A 2,241 2,120 1,946 1,831 1,726 1,813 1,545 1,527 1,595 1,569
B 57 61 88 89 68 55 59 47 63 55
C 11 22 15 11 19 13 18 18 16 19
合計 2,309 2,203 2,049 1,931 1,813 1,881 1,622 1,592 1,674 1,643
工場合計 A 4,126 4,195 3,995 3,741 3,334 3,655 3,233 3,037 3,139 3,263
B 107 124 161 143 111 83 91 87 93 92
C 73 103 91 69 74 52 64 55 51 44
合計 4,306 4,422 4,247 3,953 3,519 3,790 3,388 3,179 3,283 3,399

注:データは災害件数を示す。

労働災害とは、工場法の下で人材開発省に届出のあった災害をいう。これには、4日以上の休業、24時間以上の入院、または死亡に至った労働災害が含まれる。
A:一時障害が発生した労働災害
B:永久障害が発生した労働災害
C:死亡に至った労働災害

労働災害の度数率および強度率

2005年の労働災害度数率(Industrial Accident Frequency Rate: AFR)は100万延労働時間当たり2.1件で、2004年には同2.2件であった。2005年の労働災害強度率(Industrial Accident Severity Rate: ASR)は100万延労働時間当たり227日で、同340日だった2004年と比べると33.2%減少した。

産業別労働災害度数(1996年〜2005年)
産業別労働災害件数(1996年〜2005年)グラフ
  1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005
船舶造船業のマーク 船舶造船業 7.9 7.3 6.1 5.1 3.8 4.1 3.1 3.4 3 2.8
建設業のマーク 建設業 2.9 3 2.7 2.8 2.6 2.8 2.8 2.7 3 3.0
その他の工場のマーク その他の工場 2.2 2.1 2 2 1.8 1.9 1.7 1.7 1.8 1.6
工場合計のマーク 工場合計 2.7 2.6 2.5 2.4 2.1 2.3 2.2 2.2 2.2 2.1
注:労働災害度数率(AFR)=(労働災害届出件数/延労働時間)×1,000,000
産業別労働災強度数(1996年〜2005年)
産業別労働災害強度数(1996年〜2005年)グラフ
  1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005
船舶造船業のマーク 船舶造船業 940 840 708 680 552 724 394 454 830 175
建設業のマーク 建設業 828 968 846 647 654 405 553 510 536 403
その他の工場のマーク その他の工場 108 196 141 131 176 129 156 163 183 161
工場合計のマーク 工場合計 353 466 416 337 349 26 299 288 340 227
注:労働災害強度率(ASR)=(労働損失届出日数/延労働時間)×1,000,000

害の種類別にみた労働災害

2005年の労働災害で多かったのは、次の4種類である。

  • つまずき/激突・激突され(39%)
  • 墜落・転落(22%)
  • 挟まれ・巻き込まれ(19%)
  • 落下物(12%)

これら4種類の災害で、全産業の労働災害届出件数の92%を占めた。

災害の種類 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005
墜落・転落 853 842 903 844 831 756 621 767 767 749
落下物 662 804 815 863 645 608 549 380 380 405
つまずき/激突・衝突され 1,624 1,562 1,299 1,016 1,246 1,079 1,081 1,223 1,223 1,311
挟まれ・巻き込まれ 787 771 782 771 624 586 548 652 652 657
火災/爆発 23 15 29 25 15 22 21 25 25 18
高温の物質/物体との接触 71 55 86 75 79 62 51 58 58 66
電気へのばく露/接触 16 24 23 16 11 15 16 9 9 11
有害物質/放射性物質へのばく露/接触 45 23 43 36 43 37 34 40 40 37
危険な事態の発生 3 7 7 9 7 4 7 2 2 0
その他 240 319 260 295 289 219 251 127 127 145
合計 4,306 4,422 4,247 3,953 3,790 3,388 3,179 3,283 3,283 3,399
注:データは災害件数を示す。

傷害の種類別にみた労働災害

2005年の労働災害統計で最も多かったのは手と指の傷害であった。手と指の傷害は、2005年の傷害件数全体の47%を占めた。この傾向は過去10年間変わっていない。

下肢の傷害、すなわち足と脚部の傷害は、それぞれ全体の14%と5%を占めた。腕/肩の傷害も全体の11%あった。

負傷部位 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005
131 137 128 140 118 137 128 122 107 109
頭/首(目を除く) 294 315 356 303 282 278 271 223 217 242
218 241 220 222 204 272 236 194 218 235
手/指 2,112 2,130 1,962 1,911 1,676 1,743 1,579 1,513 1,582 1,619
腕/肩 432 465 473 412 384 436 377 394 376 367
足/足指 327 316 311 268 213 253 204 179 182 162
脚部/足首 515 615 605 579 508 541 499 430 406 482
複数箇所 295 224 236 165 155 151 103 125 257 193
その他 47 50 32 19 21 23 13 21 18 16
合計 4,371 4,493 4,323 4,019 3,561 3,834 3,410 3,201 3,363 3,425
注:データは負傷者数を示す。

業関連の死亡件数

2005年の作業関連の死亡件数は71件で、前年の83件から15%減少した。

2001 2002 2003 2004 2005
作業関連の死亡件数 90件 92件 78件 83件 71件
死亡率 5.3% 5.5% 4.7% 4.9% 4.0%

作業関連の死亡率は、2004年の労働者10万人当たり4.9人から18%下がり、2005年には同4.0人となった。

作業関連の死亡率

注:上の作業関連の死亡率は、次のデータを基にして算出している。

  1. 工場法および/または労災補償法に基づく届出のあった作業関連の死亡件数(交通事故、海難事故、および作業関連ではない事例は除く)。
  2. 次に掲げる部門の被雇用者数:農業(狩猟業と林業を含む)、製造業、公益事業、建設業、卸・小売業、流通業、ホテル・レストラン業、輸送業、金融・不動産業、および漁業・鉱業・採石業。