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調査・研究

調査研究概要

自動生産設備における非定常作業の安全

ガイドラインの見直し案の作成

自動化生産システムの非定常作業における安全対策のためのガイドライン(1997(平成9)年12月22日基発第765号)は、その前年度当協会でまとめた「非定常作業における安全衛生対策に関する調査研究(自動生産システム)」を基に策定されたものである。
その後各関連団体・企業においてはガイドラインに沿って労働災害防止対策を進めているところであるが、ガイドライン策定以来20年近くが経ったことから、産業構造や就業形態の変化、法令改正、リスクアセスメントの普及などをふまえた現状に即したものになるようガイドラインの見直し案を作成した。

写真 報告書の表紙

全文PDF(PDF 2,858KB)

実施内容

ガイドラインの見直し案の作成にあたっては、自動生産設備を主力にした製造業の代表として自動車製造業を選定し、この業界の関係者をメンバーとする委員会を設置した。この委員会において近年の自動車製造業の労働災害について情報収集をし、現状や課題等について確認した。あわせて、効果的な安全化を図るための参考資料を関係各社より収集した。

概要

(1)
ガイドラインの見直し案の構成
  1. 目的
  2. 用語の定義
  3. 対象となる非定常作業
  4. 自動生産設備の安全対策に関する基本的考え方
  5. 実践的リスクアセスメント活動の進め方
  6. 作業計画の作成とPDCAサイクルの構 築
  7. 請負作業における元方事業者、関係請負人等の責務と安全衛生管理体制
  8. 安全衛生教育の実施
  9. 現場巡視のポイント
  10. 非定常作業における安全管理のポイント
(2)
主なポイント
実践的リスクアセスメント活動の進め方
リスクアセスメント活動は徐々に実施されるようになっているが、非定常作業時における取組みを推進する着眼点を示した。
安全衛生教育の実施
非定常作業時の災害防止を進めるために非常に重要な管理者教育をはじめ、非定常作業時の作業指揮の取り方など担当者教育について取り上げた。
職場巡視のポイント
職場巡視で作業者の行動面を見る際の留意事項、特に非定常作業時の観点をまとめた。
非定常作業における安全管理のポイント
非定常作業における具体的な安全管理の方法について、異常処置作業、改善(カイゼン)作業、切替・移行時作業、保全作業それぞれについて記載した。
様式例を資料として掲載
事業場において非定常作業時に利用している資料等を10件掲載した(図1)。
災害事例を収録
近年発生した自動生産設備に関する非定常作業時の災害事例12件について、災害発生状況および原因と対策についてまとめたものを収録した(図2)。