労働安全衛生法(1994年)
1997年労働安全衛生規則:安全衛生管理者
人的資源大臣は、1994年労働安全衛生法第29条及び第66条により付与された権限を行使し、労働安全衛生規則を次のように定める。
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第1章
序
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第1条 引用及び開始期
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本規則は、1997年労働安全衛生(安全衛生管理者)規則として引用されるものとし、施行日を1997年8月22日とする。
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第2条 解釈
本規則では、条文中に他の定めない限り次のとおり解釈する。
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「継続教育プログラム」とは、総局長によって承認された、労働安全衛生又はこれに準ずる講習、セミナー、研究発表会、その他の教育プログラムを意味する。
「総局長」とは、法第5条第1項に従い任命された労働安全衛生局総局長を意味する。
「休業傷害」とは、労働者の通常の労働の遂行を妨げ、かつ永久的又は一時的労働不能をもたらす傷害を意味する。
「ニアミス災害」とは、人に対する傷害又は財産に対する損害を引き起こす可能性のある、作業場での災害を意味する。
「非休業傷害」とは、医療上の措置のために休業を必要とするようなことのない場合の障害を意味する。
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第3条 適用
本規則は、次の者に適用される。
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(a) |
本法又は本法により作成された規則が定める安全衛生管理者として活動する者
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(b) |
本法により安全衛生管理者を雇うよう規定された業種又は業務内容を有する事業の事業者
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第2章
安全衛生管理者の登録
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第4条 登録
何人も、総局長への登録を行なわない限り、安全衛生管理者として活動してはならない。
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第5条 登録の申請
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第1項 |
安全衛生管理者の登録の申請は、表 I に指定される書式でなされなければならない。
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第2項 |
安全衛生管理者の登録申請は、手続料100リンギットを添え、書式の中で指定される証書及び情報とともに、総局長に提出しなければならない。
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第6条 登録の資格
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第1項 |
次の者は、その者によってなされる申請に基づき、安全衛生管理者として登録する資格を与えられる。
(a) |
労働安全衛生の学位を所有している者又は人的資源大臣によって認可された専門機関又は大学でこれと同等なものを有し、総局長の推薦を得た者
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(b) |
労働安全衛生に関する教育課程を修了し、当該課程の試験に合格した者又は人的資源大臣によって許可されたこれと同等な者で、総局長の推薦を得たもので、労働安全衛生の分野において最低3年の実務経験を有する者
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(c) |
少なくとも10年間、労働安全衛生の分野に就労している者
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(d) |
法第29条第4項に従って人的資源大臣により随時定められるところの、その他の資格を有する者、又はそうした教育を受けた者
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第2項 |
第1項の定めにかかわらず、その者が登録申請時点で、次の事項に該当する場合は、安全衛生管理者として登録する資格は与えられない。
(a) |
本法又は本法により作成された規則の違反で有罪の判決を受けた場合
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(b) |
何らかの違反で、1年以上の懲役刑又は2千リンギット以上の罰金刑の判決を受けた場合
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(c) |
破産宣告を受けた場合
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第3項 |
第1項b号においては、マレーシア国立労働安全衛生研究所によって運営される安全衛生管理者課程を、認可された課程の一つとする。
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第7条 登録証
総局長は、安全衛生管理者としての登録申請を認可した者に対し、定められた形式で登録証を発行しなければならない。
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第8条 登録更新のための継続教育プログラムへの出席義務
安全衛生管理者として登録された者は、登録更新のため少なくとも1年に1度、継続教育プログラムに出席しなければならない。
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第9条 登録拒否
総局長は、申請者が本規則又は人的資源大臣によって作成された命令に定められた規定を満たしていないと確信できる場合、規則第5条に従ってなされた登録申請に対し登録の拒否をする事ができる。
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第10条 登録の有効期間
安全衛生管理者の登録有効期間は、本規則に基づいて期間満了前に登録が取り消される場合を除き、登録日から3年とする。
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第11条 登録の更新
安全衛生管理者の登録更新の申請は、手続料50リンギットを添え、表 II において指定される書式でなされなければならない。
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第12条 総局長による登録更新の拒否
総局長は、申請者が以下に該当する場合、規則第11条に基づき行われる登録の更新を拒否することができる。
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(a) |
その者が、安全衛生管理者である事を停止した場合
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(b) |
その者が、登録又は更新終了後に、本法29条に基づく安全衛生管理者としての任命を受けたことがない場合
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(c) |
その者が、本規則で規定された要件を満たしていない場合
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(d) |
その者が、本法又は本法により作成された規則で定める職務を遂行しなかった場合
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(e) |
その者が、規則第8条のもとで要求される継続教育プログラム、もしくはこれと同等なものに過去3年間出席した経緯があることを立証できない場合 |
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第13条 登録の抹消
総局長は、安全衛生管理者が以下に該当する場合、いつでも安全衛生管理者の登録を抹消することができる。
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(a) |
安全衛生管理者であることを停止した場合
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(b) |
本法又は本法により作成された規則の違反で、有罪の判決を受けた場合
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(c) |
本規則、又は法第29条第4項に基づき人的資源大臣によって作成された命令の規定された要件を満たしていない場合
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(d) |
詐称又は詐欺により登録を取得した場合
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第3章
安全衛生管理者の届出
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第14条 安全衛生管理者として雇用された者の届出
- 事業者は、次の場合総局長に対し文書で1ヶ月以内に届出を行わなければならない。
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(a) |
安全衛生管理者の任命
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(b) |
安全衛生管理者の解雇又は辞職
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第4章
事業者の義務 |
第15条
施設
事業者は、安全衛生管理者に対し、教育設備や、安全衛生管理者が本法のもとで定められる職務を行うことを可能にする適切な情報を含む充分な便宜をはからなければならない。
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第16条
継続教育プログラム
事業者は、安全衛生管理者に対し、少なくとも1年に1度、労働安全衛生に関する知識を高めるための、継続教育プログラムに出席することを認めなければならない。
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第17条
調査
事業者は、事故、ニアミス災害、危険なできごと、職業性中毒事故、又は職業性疾病についての調査に際し、安全衛生管理者を支援するよう、監督者、又は事業場の人若しくは活動につき直接の管理権を有する者に対し、指示しなければならない。
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第5章
安全衛生管理者の職務 |
第18条
安全衛生管理者の職務
- 安全衛生管理者の職務は以下のとおりとする。
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(a) |
事業者又は事業場を管理している者に対し、事業場で働く者の安全衛生のために講じられるべき対策に関し、助言すること
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(b) |
事業場で用いられている機械、設備、機器、物質、器具、又は手作業の方法若しくは説明書が、事業場で働く者に身体的傷害を引き起こす性質のものであるかどうかを決定するため、事業場を点検すること
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(c) |
事業場で発生した事故、ニアミス災害、危険なできごと、職業性中毒事故、又は職業性疾病を調査すること
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(d) |
事業場における労働安全衛生プログラムを計画,実行する際に、事業者又は、1996年労働安全衛生(安全衛生委員会)規則第11条により安全衛生委員会が設置されている場合は、その安全衛生委員会を支援すること
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(e) |
1996年労働安全衛生(安全衛生委員会)規則第6条第2項に規定される安全衛生委員会が設置されている場合は、その安全衛生委員会の幹事となり、当該規則に規定される幹事の全職務を遂行すること
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(f) |
安全衛生委員会が、本法又は本法により作成された規則に基づき講じられた対策の有効性及び効力を調べることを目的として事業場を点検する際は、その安全衛生委員会を支援すること
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(g) |
事業場で発生した事故、危険なできごと、職業性中毒事故、又は職業性疾病に関する統計を収集、分析、維持管理すること
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(h) |
係官が本法又は本法により作成された規則上の職務を遂行する際は、その係官を支援すること
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(i) |
事業者又は事業場を管理する者が行う職場の安全衛生に関するその他の指示を実行すること
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第19条 安全衛生管理者による報告書の提出
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第1項 |
安全衛生管理者は、翌月の10日までに、自分の活動に関する報告書を事業者へ提出しなければならない。
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第2項 |
前1項に従って提出される報告書は、以下の事項を含むものとするが、それに限定されるものではない。
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(a) |
本法又は本法により作成された規則の規定に従うため、事業者が行うべき活動
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(b) |
事業場における安全で衛生的な労働状況を確立、維持する方法
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(c) |
作業場で発生した事故、ニアミス災害、危険なできごと、職業性中毒事故、又は職業性疾病の件数及び型で、休業傷害又は非休業傷害を伴うか否かに係らず、負傷した者の人数を含む
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(d) |
作業場で用いられている機械、設備、機器、器具、物質、又は手作業の方法若しくは説明書で、その作業場で作業をする者に身体的傷害を引き起こす性質のあるもの
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(e) |
そうした危険を最小にする目的で必要とされる機械、設備、機器、器具、又は個人用保護具
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(f) |
事業場で雇用されている者の安全衛生のために、事業場の構造又はレイアウトに対してなされるべき変更の勧告
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(g) |
事業場における安全衛生を推進する目的で事業者に雇用された者またはグループが行った安全衛生に関する作業
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(h) |
a号からg号に規定された項目のうち、前回の報告で未解決となっている項目
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(i) |
事業場で作業する者の安全衛生に関係したその他の問題
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第20条 報告書に基づき行われる活動
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第1項 |
事業者又は事業場の管理をしている者は、規則第19条による報告書の受領後、2週間以内に、安全衛生管理者とともにその報告書を検討しなければならない。
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第2項 |
事業者又は事業場の管理をしている者は、報告書の受領を確認するために、報告書に副署しなければならない。
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第3項 |
報告書は、必要な場合、安全衛生管理者により点検又は調査のために、少なくとも10年間、良好な状態で保管されなくてはならない。
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第6章
雑則
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第21条 安全衛生管理者の死亡、疾病、及び欠勤
総局長は事業者に対し、安全衛生管理者の死亡、疾病、又は欠勤の場合、本規則の規定にかかわらず、3暦月を限度として、安全衛生管理者不在のまま作業が行われることを書面により認可することができる。 |