用語の定義
- 職場(workplace)
- 「職場」とは、労働が行われるあらゆる場所をいいます。
- 工場(factory)
- 「工場」とは、次のいずれかが行われるあらゆる場所をいいます。
- 物品または物品の一部の製造
- 物品の加工、修理、装飾、仕上げ、または洗浄
- 物品の分解または解体
- 販売へ向けた物品の調整
- 工場の例としては、製造工場、自動車整備工場、造船所、建設現場があります。
- 注意:工場とみなされる場所の詳細なリストは、この手引きの付録Bに掲載しています。
- 関係者(stakeholder)
- 「関係者」とは、職場安全衛生法の影響を受けるあらゆる人または組織をいいます。
- 「合理的に実施可能(reasonably practicable)」
- 「合理的に実施可能」という表現は、特定の状況におけるリスクの程度と、このリスクを回避するのに要する時間、手間、費用、および物理的困難とを天秤にかけることができることを意味しています。
ある行為をなしうる場合、その行為は「実施可能(practicable)」であるとみなされます。
こうした行為が「合理的(reasonable)」かどうかは、一般に次の点を考慮して判断します。- 発生するおそれのある傷害または健康への害の重大性
- 上の傷害または健康への害が発生するリスクの程度(すなわち蓋然性)
- 当該ハザード、およびこのハザードの除去・低減・抑制手段についての既知の情報
- 安全対策の利用できる可能性、適合性、および費用
傷害のリスクと重大性については、リスクの除去に必要な安全対策の全体的な実現可能性と比較検討する必要があります。リスクが大きければ大きいほど、リスク低減に多大な費用と労力をかけることの合理性が増大します。
安全対策を講じる費用は、そうしなかった場合の結果と比較検討する必要があります。この判断は、客観的に下すものです。必要な安全対策を講じるだけの金銭的余裕が雇用者にあるかどうかについては、とりわけ重大な傷害のリスクがある場合や、重大性はそれほどでなくとも頻繁に傷害が発生するリスクがある場合には考慮の対象となりません。
ある安全対策が「合理的に実施可能」かどうかを判断する際には、当該業界全般に共通する一般的な慣行と知識がしばしば考慮されます。他の同業者にはよく知られているハザードがあり、その安全対策が他の場所では講じられている場合、雇用者がこれらのハザードの対処方法を知らないと主張することはできません。
どのような安全衛生措置が合理的に実施可能かどうかについての優れた参考資料として、次のものがあります。
- シンガポール実施準則(Singapore Codes of Practice)(※)
- 労働安全衛生諮問委員会(Workplace Safety and Health Advisory Committee)発行の各種の労働安全衛生基準ガイドライン(OSH standards guidelines)
(※) シンガポール実施準則はSPRINGシンガポールで購入可能。