このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。
国際安全衛生センタートップ国別情報(目次) > イギリス 安全衛生委員会(HSC)

安全衛生委員会(HSC)
1999〜2002年の戦略的プラン
概要

(資料出所:Health and Safety Commission Strategic Plan for 1999/2002 Summary
(訳 国際安全衛生センター)



継続的目的


当委員会の継続的目的は次のとおりである。

■ 欧州連合やその他の国際機関を含め、法規制上の枠組みを近代化、簡略化、支援する。よりよい規則作りに向けた当委員会の取り組みは、法律を検討、評価する広範なプロジェクトに反映されている。その中には、鉱山業法を新たな技術進歩を取り入れた最新のものとするための見直しや、こうした危険性の高い産業で長期的な戦略を策定する上で役立つ海外の安全制度の評価が含まれている。1999年4月に施行された新しいCOMAH規則は、人間や環境に害を及ぼすおそれのある重大な化学的災害を防止することを狙いとしている。これらは、HSE、環境省、スコットランド環境保護局で構成された新設の権限を有する機関によって執行されている。当委員会はまた、例えば書類提出の必要をなくすことで死傷および疾病報告をより簡約化することを含め、中小企業を支援する新しいアプローチを今後も打ち出していくつもりである。ヨーロッパでは、法令の施行と公布に対する重点的な扱いを強めることで、安全衛生の現実的な改善を達成する、積極的で建設的な役割を果たしていく。さらに、放射線保護のための「ユーラトム(欧州原子力共同体)基本安全性基準」指令を含め、いくつかの重要なEU指令を導入していく。


■ バランス、一貫性、透明性、リスクを考慮した目標設定という原則に従い、法の順守を保証する。検査やその他の規制活動は依然HSEの業務の柱である。中小企業の増加や業界の細分化、民営化といった産業界の構造変化は、当委員会の業務に多大な影響を与えており、委員会の執行および諮問戦略が有効性を保ち、広く行き渡ることを保証するために戦略が修正されている。今年、委員会は、188,000回の規制面の接触を実施する計画で、このうち約50%は予防的検査、約20%は調査、残りが執行、特別プロジェクト、諮問業務等に関連したものとなる。


当委員会は、調査と助言に対する需要の増加に対応している。苦情申立て手続きの改善により、1999〜2000年には、その86%を調査すると予想され、これは1997〜98年の実績を12%上回っている。また、昨年の計画より1,000件を上回る報告事故を調査すると予想される。


■ 適切な(かつ適時の)情報および助言の提供を通じて安全衛生についての知識と理解を深める。効果的なコミュニケーションは、多様な聴衆への伝達を確かなものにする。当委員会は、新技術の活用を含め、多種多様なコミュニケーション手段の利用に努めている。電子的なコミュニケーション形式として、HSEのホームページの開発を進めており、1999から2000年には、新たに500ページのWebページを制作する計画で、400万「ヒット」のアクセスを期待しており、また、刊行物の電子版を出版するパイロット・スキームが計画されている。最終的には、HSEのすべての刊行物が電子形式やインターネットで利用できるようになるだろう。HSEの極秘電話相談、「Infoline」は非常に好評で、問合せ件数は増加の一途をたどり、現在月平均で2万件に達している。委員会はまた、事業者と労働者に不可欠な安全衛生情報を伝える革新的な方法の検討を進めている。広く産業界と労働組合の支援を受けて開発されている「COSHH essentials」は、特に中小企業を対象に、特定の化学リスクの管理対策に関する実際的なガイダンスを提供するだろう。


■ 基準の設定と執行活動の指針のベースとしてリスクアセスメントと技術的知識を促進する。人々の安全衛生リスクの適切な管理を確かなものにするという当委員会の使命を果すためには、災害と疾病の予防に関連する科学技術についての完全な知識と理解を必要とする。委員会は、検査および災害調査を通じ、また技術的な進歩についての知識から、危険な出来事や新しい危険有害要因に関する情報を得ている。委員会はこの情報を調査と共同作業を通じて拡充し、そうして得た知見を規則と基準の提案、業界への助言およびガイダンス、そして法的執行に活用している。また、この情報は絶えず更新する必要がある。


■ 例えば雇用医療助言局(Employment Medical Advisory Service)などを通じて、法規制上のサービスを含め、法制面の計画を遂行する。特定の製品や物質(例えば新しい化学物質、非農業要殺虫剤)が市場に出る前に政府により評価、承認、認可されることを保証するために、当委員会は、業界および一般向けに法制面の計画を提供している。その計画には検査、証明、承認が含まれる。委員会の雇用医療助言局(EMAS)の検査官は、鉛、アスベスト、潜水などの特定の危険有害要因にさらされる労働者の法定臨床検査や医学的監視を実施し続けている。これらの検査官は、労働衛生問題の調査や検査にさらに深く関与するようになり、現在すでに、法令などの執行通知を発行する権限も与えられている。


当委員会はまた、次のような運営目的を有している。

■ 金額に見合う価値を促進、確保する効率的で効果的な中央サービスを維持する。セクション3の1999〜2002年HSE戦略的プランの全文には、資源や人員の配置、HSEスタッフの研修および能力開発を含め、HSCがどのように運営されているかについての詳細な情報が記載されている。当委員会は、今後効率の向上をはかり、委員会のサービス提供の質的側面を特に重視する業務改善プロジェクトを展開する。委員会は現在、HSEがさらに委員会のプロセス改善を支援するための品質・フレームワークの導入を進めている。





前のページへ 目次へ 次のページへ