このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。

屋外作業時におけるウエストナイル(西ナイル)ウイルス予防法
Avoid West Nile Virus While Working Outdoors

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2003年8月号 p.2-3)
(仮訳 国際安全衛生センター)



 米国内でウエストナイルウイルスの感染患者が初めて報告されたのは1999年夏、ニューヨークにおいてであった。以来、患者は広範囲に広がっている。米国国立労働安全衛生研究所(NIOSH)によれば、各州の衛生当局は2002年、ウエストナイルウイルスに感染した患者が3,800人を超え、同ウイルスによる死者が246人になったと報告したという。感染経路としても最も可能性が高いのは、ウイルスを持った蚊に刺されることである。ほとんどの場合、感染しても何も徴候が現れないか、せいぜい軽いインフルエンザのような症状を示す程度であるが、NIOSHによれば、重篤なケースではウイルスに感染した動物の脳、脳膜若しくは脊髄膜、又はその両方に炎症(それぞれ脳炎、髄膜炎、又は髄膜脳炎と呼ばれる)を引き起こすことがあるという。これらの重篤なケースは人間では稀である。
 危険にさらされる職業は、農家、林業従事者、造園業者、運動場や公園墓地等の整備業者、塗装工、屋根職人、舗装工、建設作業員、その他の屋外労働者である。50才を過ぎた人では、感染後に重い症状を生じる危険性も高くなる。
 NIOSHによると、十分な計画に加えて、労働者にとって良好な作業環境の維持と簡単な予防方法の実施によって、屋外で作業に従事する労働者のウエストナイルウイルス感染リスクは減らせるという。
 作業に関連して起こる感染リスクを減らすための手段として、NIOSHでは以下のことを推奨している。
事業者は屋外での作業を計画するときに、できるだけ蚊が最も活発に活動する時間を避ける。多くの蚊は夕暮れ時と夜明けに最も活発に人を刺すが、一部の蚊は日中、特に雑草の生い茂った場所や薮、木陰や日陰で活発に活動する。
一般に、雑草の生い茂った場所や薮、木陰や日陰をできるだけ避ける。
事業者は、蚊の繁殖場所となる水のたまる場所をできるだけなくす必要がある。水のたまる場所をなくすには、たとえば樽、バケツ、一輪車のような用具の場合は伏せて置く、カバーをかける、片付けるなどの処置をし、タイヤ、空き缶、箱などは処分し、雨どいや排水溝は掃除するとよい。
蚊に刺される可能性のある場所で作業を行う必要がある場合には、労働者はできるだけ長袖のシャツ、長ズボン、靴下を着用し、衣服と露出している肌に防虫剤を(使用上の注意に従って)スプレーする必要がある。


関連記事 屋外作業時における、ウエストナイル(西ナイル)ウイルス予防法