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目的の作業に見合った工具は身体にもよい
Matching tool to task does the body good

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2005年3月号 p.1)
(仮訳 国際安全衛生センター)



 大きさの適切でない手工具を使っていたり、手工具の使い方が不適切だったりすると、長い間には傷害の原因となることがある。実際に入手可能で、エルゴノミクスに配慮して設計された非電動手工具の上手な選び方について解説した新しいブックレットでは、このように警告している。非電動手工具は、建設業、製造業、農業など、さまざまな産業で広く使われている。
 NIOSHとカリフォルニア州OSHAによって作成されたこの新しいブックレットでは、適切な工具の選び方をステップを追って説明している。
 作業内容を知る。工具は特定の目的を想定して設計されている。作業内容に最も適した工具を使えば、労働者の傷害のリスクも減る。
 作業場をよく見る。労働者が不自然な姿勢を取らずに済むよう、利用可能なスペースの範囲内で使用できる工具を労働者に選ばせる。
 作業時の姿勢を良くする。不自然な姿勢は体の負担を増やす。こうした姿勢を取らずに済む工具を使えば、首・肩・腰をリラックスさせたまま、体の横に腕を付けておくことができるので、労働者の苦痛や疲労を最小限に抑えることができる。
 工具を選ぶ。各自の手になじむ、仕事内容に見合った工具を労働者に選ばせる。


手工具の選び方についてのその他のヒント
  1. ハンドル(持ち手)が1つで力作業に使う工具の場合には、手に持った感じがよく、ハンドルの直径が1.25インチから2インチまでの工具を選ぶ。ハンドルの直径を大きくするには、ハンドルにスリーブを付ける。
  2. ハンドルが1つで精密作業に使う工具の場合には、ハンドル直径が1/4〜1/2インチの工具を選ぶ。
  3. ハンドルが2つで力作業に使う工具の場合には、完全に閉じたときのグリップの間隔が最低2インチで、完全に開いたときのグリップの間隔が3.5インチを超えない工具を選ぶ。連続して力を加える必要がある場合には、クランプ、グリップ、またはロッキングプライヤーの使用を考える。
  4. ハンドルが2つで精密作業に使う工具の場合には、完全に閉じたときのグリップの間隔が1インチ以上で、完全に開いたときのグリップの間隔が3インチを超えない工具を選ぶ。
  5. ハンドルが2つで、締め付け、保持、または切断用の工具の場合には、ハンドルがバネ仕掛けで開いた位置に戻る工具を選ぶ。
  6. ハンドルの縁や指をあてるためのへこみが尖っていない工具を選ぶ。
  7. 柔らかい素材でコーティングされた工具を選ぶ。
  8. 手首を真っ直ぐにしたまま作業できるような角度の工具を選ぶ。曲がったハンドルの付いた工具は、水平方向に力をかける場合に最も適した工具である。真っ直ぐなハンドルの付いた工具は、垂直方向に力をかける場合に最も適した工具である。
  9. 利き手、またはどちらの手でも使用できる工具を選ぶ。
  10. 大きな力をかける必要がある作業では、ハンドルの長さが労働者の手の最も広い部分(通常4〜6インチ)よりも長い工具を選ぶ。ハンドルの端で手のひらの神経や血管が圧迫されないようにすることで接触圧力を防ぐ。
  11. 表面がすべりにくく、しっかりと握ることができる工具を選ぶ。ハンドルの表面素材を改善するには工具にスリーブを付ける。
 このブックレット「やさしいエルゴノミクス:非電動手工具選択のガイド(Easy Ergonomics: A Guide to Selecting Non-Powered Hand Tools)」は、www.cdc.gov/niosh/docs/2004-164/default.htmlでダウンロードできる。印刷したものが必要な場合には、NIOSH (800)356-4674に問い合わせること。