厚生労働省より2020年3月31日付で、製造業における職長の能力向上教育を、事業者等で実施することが示されました。
これからは、製造業に係る事業者は、職長※に対し、新たにその職務に就くこととなった後からおおむね5年ごと及び機械設備機械等を大幅に変更した時に、職長能力向上教育を実施することが求められます。
※職長とは
(1) | 生産現場における「職長」とは、「常に現場にいて、作業者に対し、作業の進め方について、直接、指導・監督する立場の者」をいい、一般的には、作業者の直近上位のライン監督者が該当します。 |
(2) | 名称は、各企業によって、職長、班長、リーダー、作業長などさまざまです。 (出典)「労働安全衛生法の詳解―労働安全衛生法の逐条解説―」(労働調査会) |
リーフレット
(PDF 2,189KB)
職長能力向上教育のカリキュラムは、これまでは、建設業だけが示されており、製造業における職長能力向上教育のカリキュラムは、各事業場でカリキュラムを作成し実施していました。
第13次労働災害防止計画では、「建設業で示されている職長の再教育を製造業でも実施できるようカリキュラム等の策定を検討する。」ことが示され、中央労働災害防止協会では、厚生労働省からの補助事業として、これらの検討を行い、製造業における職長の能力向上教育のカリキュラム等を盛り込んだ報告書「製造業における現場力向上のための職長のレベルアップに向けて」を取りまとめました(令和2年3月発行 217ページ)
- 1~100ページ(PDF 3,856KB)
- 101~156ページ(PDF 5,000KB)
- 157~217ページ(PDF 5,000KB)
このカリキュラム等を踏まえ、厚生労働省は令和2年3月31日に、「製造業における職長等に対する能力向上教育に準じた教育について」を、都道府県労働局、製造業関係団体、安全衛生関係団体等に対して、通知を発出しました。
製造業における職長能力向上教育のカリキュラム
実行カリキュラムの要件はこちら(PDF 436KB)をご覧ください(厚労省通達(基発0331第7号)の別表)
「基本項目(必須)」の内容に、必要に応じて、「専門項目(選択)」の必要な内容を加えた教育を、「講義」と「グループ演習」を組み合わせて「合計360分以上」実施します。
「基本項目(必須)」 生産現場における安全衛生管理のキーパーソンとして期待される①「先取りの安全衛生管理」、②「情報管理(上司と部下とのパイプ役)」、③「部下の育成」の3つの役割について、より一層レベルアップさせて的確に果たすことができるようにするために不可欠な安全衛生教育。 |
「専門項目(選択)」 生産現場において、職長が中心となって推進する労働災害防止活動(①安全衛生実行計画、②職場巡視、③危険予知(KY)活動、④ヒヤリ・ハット活動、⑤4S(5S)活動等)についての多種多様な専門の安全衛生教育。 |
※実行カリキュラムの具体例については、上記の報告書「製造業における現場力向上のための職長のレベルアップに向けて」の203~206ページ(PDF 5,000KB)をご参照ください。
※具体的な教育内容については、上記の報告書の106~201ページ(PDF 357KB)をご参照ください。