全国安全週間

平成28年度全国安全週間実施要綱

1 趣旨

全国安全週間は、昭和3年に初めて実施されて以来、「人命尊重」という崇高な基本 理念の下、「産業界での自主的な労働災害防止活動を推進し、広く一般の安全意識の高揚と安全活動の定着を図ること」を目的に、一度も中断することなく続けられ、今年で89回目を迎える。この間、労働災害は長期的に減少し、平成27年は統計を取り始めて以来初めて、年間の死亡者数が1,000人を下回った。これは産業安全に携わった多くの先人がたゆみなく安全活動を展開した結果得られた画期的な成果である。

一方、近年の産業構造の変化に伴って、拡大を続ける第三次産業等においては未だに安全に関して自ら取り組む意識が十分とは言い難い。また、経験が浅い労働者が職場に潜む危険を察知できないことなどを背景として、休業災害を含む労働災害全体の数は十分な減少傾向にあるとは言えない現状にある。

このような状況を踏まえ、更なる労働災害の減少を図ることを決意して、平成28年度全国安全週間は、以下のスローガンの下で取り組む。

見えますか? あなたのまわりの 見えない危険
みんなで見つける 安全管理

 

2 期間

平成28年7月1日から7月7日までとする。
なお、全国安全週間の実効を上げるため、平成28年6月1日から6月30日までを準備期間とする。

 

3 主唱者

厚生労働省、中央労働災害防止協会

 

4 協賛者

建設業労働災害防止協会、陸上貨物運送事業労働災害防止協会、港湾貨物運送事業労働災害防止協会、林業・木材製造業労働災害防止協会

 

5 協力者

関係行政機関、地方公共団体、安全関係団体、労働組合、経営者団体

 

6 実施者

各事業場

 

7 主唱者、協賛者の実施事項

全国安全週間及び準備期間中に次の事項を実施する。

(1)
安全広報資料等の作成、配布を行う。
(2)
様々な広報媒体を通じて広報を行う。
(3)
安全パトロール等を実施する。
(4)
安全講習会等を開催する。
(5)
安全衛生に係る表彰を行う。
(6)
「国民安全の日」(7月1日)の行事に協力する。
(7)
事業場の実施事項について指導援助する。
(8)
その他「全国安全週間」にふさわしい行事等を行う。

 

8 協力者への依頼

主唱者は、上記7の事項を実施するため、協力者に対し、支援、協力を依頼する。

 

9 実施者の実施事項

安全文化を醸成するため、各事業場では、次の事項を実施する。

(1)全国安全週間及び準備期間中に実施する事項

安全大会等での経営トップによる安全への所信表明を通じた関係者の意思の統一及び安全意識の高揚
安全パトロールによる職場の総点検の実施
安全旗の掲揚、標語の掲示、講演会等の開催、安全関係資料の配布等の他、ホー ムページ等を通じた自社の安全活動等の社会への発信
労働者の家族への職場の安全に関する文書の送付、職場見学等の実施による家族の協力の呼びかけ
緊急時の措置に係る必要な訓練の実施
「安全の日」の設定のほか全国安全週間及び準備期間にふさわしい行事の実施

(2)継続的に実施する事項

安全衛生活動の推進
安全衛生管理体制の確立
(ア)
経営トップによる統括管理、安全管理者等の選任
(イ)
安全衛生委員会の設置及び労働者の参画を通じた活動の活性化
(ウ)
年間を通じた安全衛生計画の策定及び安全衛生規程の整備
職業生活における安全衛生教育計画の樹立と効果的な安全衛生教育の実施等
(ア)
経営トップから第一線の現場労働者までの階層別の安全衛生教育の実施、特に、雇入れ時教育の徹底及び未熟練労働者に対する教育の実施
(イ)
就業制限業務、作業主任者を選任すべき業務での有資格者の充足
(ウ)
災害事例、安全作業マニュアルを活用した教育内容の充実
自主的な安全衛生活動の促進
(ア)
発生した労働災害の分析及び再発防止対策の徹底
(イ)
職場巡視、4S活動(整理、整頓、清掃、清潔)、KY(危険予知)活動、 ヒヤリ・ハット等の日常的な安全活動の充実・活性化
リスクアセスメントの普及促進
(ア)
リスクアセスメントによる機械設備等の安全化、作業方法の改善
(イ)
SDS(安全データシート)等により把握した危険有害性情報に基づく化学物質のリスクアセスメント及びその結果に基づく措置の推進(「ラベルでアクション」の取組の推進)
その他の取組
(ア)
安全に係る知識や労働災害防止のノウハウの着実な継承
(イ)
外部の専門機関、労働安全コンサルタントを活用した安全衛生水準の充実
業種横断的な労働災害防止対策
転倒災害防止対策(STOP!転倒災害プロジェクト)
(ア)
作業通路における段差や凹凸、突起物、継ぎ目等の解消
(イ)
照度の確保、手すりや滑り止めの設置
(ウ)
危険箇所の表示等の危険の「見える化」の推進
交通労働災害防止対策
(ア)
適正な労働時間管理、走行計画の作成等の走行管理の実施
(イ)
飲酒による運転への影響や睡眠時間の確保等に関する安全衛生教育の実施
(ウ)
災害事例、交通安全情報マップ等を活用した交通安全意識の啓発
(エ)
飲酒、疲労、疾病、睡眠、体調不良の有無等を確認する乗務開始前の点呼の実施
(オ)
健康診断及び診断結果に基づく保健指導等の措置の実施、長時間労働を行った運転者に対する面接指導等の実施、労働時間の短縮等の就業上の措置の実施
非正規雇用労働者等に対する労働災害防止対策
(ア)
雇入れ時教育の徹底・内容の充実
(イ)
非正規雇用労働者を含めた安全管理の徹底や安全活動の活性化
(ウ)
派遣労働者における派遣元・派遣先責任者間の連絡調整の徹底
熱中症予防対策
(ア)
WBGT値(暑さ指数)による適正な作業環境管理、作業管理の実施
(イ)
計画的な暑熱への順化期間(暑熱に慣れ、その環境に適応する期間)の設定
(ウ)
自覚症状の有無にかかわらない水分・塩分の積極的摂取
(エ)
熱中症の発症に影響を与えるおそれのある疾患(糖尿病等)を踏まえた健康管理
(オ)
熱中症予防に関する労働衛生教育の実施
腰痛予防対策
(ア)
腰部への負担の少ない作業方法の選択及び見直し、介助法の普及
(イ)
腰痛予防に関する労働衛生教育(介護作業等の雇入れ時教育を含む)の実施、腰痛予防体操の励行
業種の特性に応じた労働災害防止対策
製造業における労働災害防止対策
(ア)
機械・設備等の修理、点検、トラブル処理等の非定常作業に係る安全作業マニュアルの整備
(イ)
請負企業の労働者、派遣労働者、外国人労働者等に配慮した安全衛生管理、派遣元・派遣先における安全衛生教育の実施及び責任者間の連絡調整の徹底
(ウ)
未熟練労働者の経験不足を補完するため、災害事例や視聴覚教材を活用した未熟練労働者に対する安全衛生教育の内容の充実・強化
(エ)
鉄鋼業等の装置産業の事業場における老朽化施設対策を含む安全管理に係る自主点検の実施及びその結果を踏まえた対策の実施
(オ)
化学設備の定期自主検査の計画的な実施、化学設備の改造・修理等の作業の注文者による文書等の交付等、工事発注者と施工業者との連携等の実施
建設業における労働災害防止対策
(ア)
一般的事項
a
建設工事の請負契約における適切な安全衛生経費の確保
b
元方事業者による統括安全衛生管理と関係請負人に対する指導の徹底
c
足場に係る改正労働安全衛生規則等を踏まえた墜落・転落防止対策の徹底や手すり先行工法等の「足場からの墜落・転落災害防止総合対策推進 要綱」に基づく措置の実施、ハーネス型安全帯の積極的な使用
d
クレーン、移動式クレーン、解体用機械等の車両系建設機械の検査・点検整備及び安全な作業方法の徹底
e
事業所と現場の車両移動時の運転者の疲労軽減への配慮
(イ)
東日本大震災に伴う復旧・復興工事の労働災害防止対策
a
輻輳工事における適正な施工計画、作業計画の作成及びこれらに基づく工事の安全な実施
b
解体用機械等の車両系建設機械との接触防止、高所からの墜落・転落災害防止対策等の徹底
c
一定の工事エリア内で複数の工事が近接・密集して実施される場合、発注者及び近接工事の元方事業者による工事エリア別協議組織の設置
d
職長、新規入職者等に対する安全衛生教育の確実な実施及び作業内容に応じた保護具の使用
(ウ)
平成28 年熊本地震に伴う復旧工事の労働災害防止対策
a
余震の発生や降雨による二次災害のおそれにも留意の上、土砂崩壊災害防止対策、土石流災害防止対策、墜落・転落災害防止対策等の徹底
b
労働者に対する熱順化の状況確認、水分・塩分の適時摂取、休憩場所や休憩時間の設定等の熱中症予防対策の徹底
陸上貨物運送事業における労働災害防止対策
(ア)
荷役作業中の荷台等からの墜落・転落防止対策の徹底
(イ)
荷主等との合同による荷役作業場所、荷役作業方法の安全点検及び改善の実施
(ウ)
適正な労働時間管理、走行管理等の交通労働災害防止対策の実施
小売店、社会福祉施設、飲食店等の第三次産業における労働災害防止対策
(ア)
安全衛生教育の実施、内容の充実、安全意識の啓発
(イ)
安全パトロール、4S活動(整理、整頓、清掃、清潔)、KY(危険予知)活動、危険の見える化、ヒヤリ・ハット等の安全活動の活性化、職場環境や作業方法の改善の実施
(ウ)
安全推進者の配置促進、安全管理体制の整備
林業の労働災害防止対策
(ア)
車両系木材伐出機械等の検査・点検整備及び安全な作業方法の徹底
(イ)
チェーンソーを用いた伐木及び造材作業における保護具、保護衣等の着用並びに適切な作業方法の徹底
(ウ)
安全な手順に基づく「かかり木」処理の徹底