中小企業支援

中小規模事業場安全衛生サポート事業(個別支援および集団支援)実施事例

芳野台工業協同組合

埼玉県川越市北部の川越工業団地内にある芳野台工業協同組合。昭和55年、同地の中小製造業者により、騒音・振動などの公害問題の解決と生産設備の近代化ならびに組合員の経営の合理化を図り、組合員の事業の健全な発展に寄与することを目的に設立されました。
現在は、光学レンズ製造、プラスチック製造、計量機・測定器製造など多様な業種の8社で構成され、共同施設の維持管理・教育情報・福利厚生など様々な協力活動を行っており、安全衛生水準の向上にも積極的に取り組んでいます。

中災防は、平成27年10月から11月にかけて、同協同組合においてサポート事業の個別支援ならびに集団支援を実施しました。
個別支援では同組合を構成する各事業場の現場確認とアドバイスを行いました。作業中の事業場内を拝見し、「資材を積むのはこの高さまで」、「ここは転落を防ぐため柵や手すりを設けるとより安全」、「ボール盤には『手袋着用禁止』『保護メガネ着用』の注意表示を」、といった改善提案・アドバイスをしました。あわせて、段差に転倒防止のため黄色いテープを貼って目立たせていたり、暑い作業場に熱中症予防の水分・塩分が用意されていたり、といった良好な点も指摘し、継続を勧めました。
集団支援では経営者・管理監督者を対象に、経営における安全衛生の重要性や安全衛生管理活動の進め方に関する講義を行うとともに、個別支援の際に見られた各社の事例を共有できるよう、紹介しました。

当日、同組合の理事長にお話を伺いました。

写真1 芳野台工業協同組合事務所

写真1 芳野台工業協同組合事務所

サポート事業を利用したきっかけは、何ですか?

以前も一度、安全衛生診断を利用したことがあります。第三者が入ることで見えてくる部分があるということで、事業場を見てもらい、指摘事項に対しては素直に改善策を取りました。そうすると、ケガをしないという安全面のみならず、例えば、立ち作業の場所にマットを敷いたら疲労度が明らかに減った、というような健康面での好影響がありました。このような取り組みは定期的に行いたいと考え、協同組合全体で安全衛生診断を受けることとしました。

写真2 経営者・管理監督者への安全衛生講義

写真2 経営者・管理監督者への安全衛生講義

本事業を有効に利用するために、どのような姿勢で臨んでおられますか?

診断結果を聞きっぱなしにせず、指摘事項の改善に取り組むことです。そして、安全衛生担当者だけでなく経営者自身も関わることです。安全衛生面の改善には当然、経費が生じることですので、最終権限者である経営者の理解を得なければ前進しません。

写真3 芳野台工業協同組合・白相 猛 理事長(大南光学株式会社 代表取締役)

写真3 芳野台工業協同組合・
白相 猛 理事長
(大南光学株式会社 代表取締役)

本事業のご利用を機に、今後どのような安全衛生活動に力を入れていきたいですか?(課題や目標を教えてください。)

とにかく、継続することです。中災防に定期的にコンタクトをとって、診断・指導を受けることです。このサポート事業はとりわけ中小企業にとって心強い事業だと思いますし、協同組合の存在意義を高める上でも有益だと考えています。そして、私たちの協同組合を含む工業団地全体に水平展開できれば、なお良いことだと思います。