このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。

シンガポール新労働安全衛生法の手引き
A Guide to the Workplace Safety and Health Act

(仮訳 国際安全衛生センター)

掲載日 2006.12.26

はじめに

このブックレットの内容は?
このブックレットはシンガポールの新しい職場安全衛生法についての簡単な手引きです。

このブックレットでは、次のことを解説しています。

  • 職場安全衛生法の主な特徴
  • 職場安全衛生法がさまざまな関係者に与える影響
職場安全衛生法とは?

職場安全衛生法は、経営トップから組織末端の労働者にいたるまで、職場のあらゆる人々に優れた安全慣行を育むことを目的とした新たな枠組みの不可欠な要素です。職場安全衛生法は職場のすべての人に対し、各職場と労働者の安全衛生を確保するうえで合理的に実施可能な(reasonably practicable)措置を講じることを義務付けています。

労働安全衛生の新たな枠組みとは?

政府は2005年3月、シンガポールの労働安全衛生水準を向上させるためのいくつかの重要な改革の実施を宣言しました。これらの改革がよりどころとしているのは、労働災害の防止は、職場のあらゆる当事者がそれぞれ責任をもってこれまで以上に高い安全水準を実現することではじめて可能になる、という考え方です。

これを受けて、労災死亡件数を5年間で3分の1を減らし、10年以内に2分の1に減らす(労働者10万人当たりの死亡件数を2004年の4.9件から2015年には2.5件にする)ための新たな枠組みが整備されました。

この新たな枠組みの3つの原則は次のとおりです。

  • 職場の関係者すべてに対し、自分が職場で作り出すリスクの除去または低減を義務付けることにより、リスクを発生源で抑える。
  • 労働安全衛生における産業界の自主性を着実に高める。今後は、定められた要件を遵守することから、安全に関して望まれる成果を達成するために、それぞれの状況に応じて適切な安全作業手順の作成を各雇用者に義務付ける方向へと重点が移ることになる。
  • 劣悪な安全衛生マネジメントに対しては、従来より厳しい罰則を課するこによりで災害を防止する。
新しい職場安全衛生法での主な変更点は?

職場安全衛生法に盛り込まれた主な変更点は次のとおりです。

  • 工場所有者の代わりに、職場の一定範囲の人々の責任を定めています。
  • 規則を定める代わりに、安全に関して一定の成果を達成するための労働安全衛生の効果的マネジメントに焦点をあてています。
  • 安全衛生を損なう行為に対し、従来より厳しい罰則を定めています。
職場安全衛生法の施行日は?

職場安全衛生法は「2006年3月1日」に、従来の工場法(Factories Act)に代わって施行されます。