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中央労働災害防止協会(中災防)
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調査・研究

調査研究概要

安全衛生スタッフの体制、業務内容等の実態等についての調査研究報告書

Ⅰ.趣旨および目的

近年、企業の安全衛生スタッフを取り巻く状況は大きく変化しており、安全衛生スタッフ自体が短期間に交代し経験年数が短くなっている、事務系の従業員が多くなっている等により安全衛生管理活動が十分に展開できないなどの問題が生じているという意見が聞かれるほか、2007年問題の一つとして、近い将来に安全衛生スタッフについても大量に退職することが想定されるため、これらに適切に対応して安全衛生管理や安全衛生活動の水準の維持・向上を図らなければならない状況となっている。

また、安全衛生スタッフの属する組織、いわゆる労働安全衛生管理部門についても、その規模、社内的な位置づけ、組織構成等の変化によって、総合的な安全衛生管理を推進する上で少なからず影響が生じていると考えられる。しかしながら、従来の調査では、こうした状況について、客観的に捉えたデータがなかった。

そこで、労働安全衛生管理部門の現状、安全衛生スタッフの経歴や業務内容、安全衛生スタッフの退職に対する事業場の対応等の実態に関し、事業場に対してアンケート調査及びヒアリング調査を実施した。

Ⅱ.調査の対象

1.アンケート調査

中央労働災害防止協会賛助会員のうち、製造業で従業員50人以上の規模である2,376事業場及び、これらのうち本社が賛助会員ではない451社の本所・本社事業場の合計2,827事業場を対象とし、郵送による発送及び回収の方法で実施<回答623事業場、880部門、安全衛生スタッフ3,140名>。

2.ヒアリング調査

労働安全衛生管理部門の組織体制、安全衛生スタッフの業務実態等に関する現状、今後の課題等を把握するために、アンケート回答事業場より下記の条件を満たす事業場を選定し、10社18事業場の協力を得て実施。

3.調査研究結果の概要

○調査上の用語の定義

  1. 労働安全衛生管理部門:安全衛生管理業務を担当するいわゆる間接部門。 その際、同一組織内の同一レベルの複数の組織が安全衛生管理を担当している場合は、その上位の組織を労働安全衛生管理部門とした (例えば総務部の総務課と健康管理課がともに安全衛生管理の業務を担当している場合は、総務部を労働安全衛生管理部門とした。)。
  2. 安全衛生スタッフ: 1.労働安全衛生管理部門に属し、かつ安全衛生管理業務を行っている者(当該業務の割合を問わない。)。
  1. 労働安全衛生管理部門について
    1. 各事業場における労働安全衛生管理部門の数(健康保険組合を除く)は1箇所の事業場が63%で最も多く、2箇所が26%、3箇所以上は9%。
    2. 労働安全衛生管理部門の組織上の位置付けは、課相当が47%、部相当は31%。
    3. 労働安全衛生管理部門が所属する部や課の組織(名称による分類)
      1. 部レベル:回答のあった880の部門が所属している部レベルの組織を、その名称で分類すると、「総務・人事」系が43%で最も多く、次いで「環境安全」系(20%)、「安全衛生」系(15%)の順であり、製造部門は4%で、労働安全衛生管理部門と生産部門とはほとんど別の組織となっている。また、「健康・保健」系は4%。
      2. 部−課レベル:労働安全衛生管理部門が課相当以下であり(部相当の組織ではなく)かつ部の名称も課の名称も回答があった380の部門について、その所属する部と課のレベルの関係を名称で分類すると、「総務・人事」系部−「総務・人事」系課が34%、「総務・人事」系部−「安全衛生」系課が26%、「環境」系部−「安全衛生」系課が約7%などであった。規模が小さいほど「総務・人事」系部−「総務・人事」系課が多く、規模が大きいほど「総務・人事」系部−「安全衛生」系課又は「環境」系部−「安全衛生」系課が多い傾向がある。なお、「総務・人事」系部−「健康・保健」系課は4%。
    4. 労働安全衛生管理部門で行っている安全衛生管理業務のうち実施割合が高い業務は、「安全衛生方針・計画の策定等」(74%)、「安全衛生管理業務に関わる事務処理一般」(74%)、「安全衛生の基準・規程、作業標準の策定」(72%)、「安全衛生委員会の運営」(72%)、「関係法令に基づく渉外対応(各種届出、報告書関係等)」(71%)等。
    5. 安全衛生管理上生じている(生じるであろう)問題とその原因
      1. 現在何らかの問題が生じているとする事業場が79%、将来何らかの問題が生じるとする事業場が75%。
      2. 現在生じている問題又は将来生じるであろう問題は、現在についても将来についても、リスクアセスメントの推進(現在42%、将来25%)及びマネジメントシステムの推進(現在37%、将来36%)を挙げる事業場が多く、上位2位までを占めている。
      3. リスクアセスメントの推進、マネジメントシステムの推進等の主な問題について、問題が生じる原因をみると、現在についても将来についても、「専門的知識・能力をもった安全衛生スタッフが不足している(する)」を挙げる事業場が半数以上あり、「安全衛生スタッフの数自体が不足している(する)」、「他の業務との兼務者が行っているため時間を確保しにくい(しにくくなる)」等の回答を引き離している。
    6. 労働安全衛生管理部門の組織上の変化は、44%は1990年以前から存在する部門である一方、事業場内の組織の再編等により2001年以降に発足した部門も26%ある。
  2. 安全衛生スタッフ等について
    1. 総括安全衛生管理者の安全衛生スタッフとしての延べ経験年数は、5年以下が約60%、6〜10年が18%である。また、勤続年数に対する安全衛生スタッフとしての経験年数の割合は、当該割合が5%未満の者が41%、10%未満で53%、20%未満で68%である
    2. 安全衛生スタッフの属性
      1. 年齢をみると、45%は50歳代であり、27%が55〜59歳である。定年までの年数をみても、0〜4年であると回答した安全衛生スタッフが23%。
      2. 入社後の業務系統は、技術系が32%、事務系が30%、技能系が18%、保健・医療・看護系が10%。
      3. 勤続年数に対する安全衛生スタッフとしての経験年数の割合は当該割合が50%以上の者が26%を占めた。
    3. 安全衛生スタッフの人事(企業の人事部門へのヒアリング調査による)
      1. 人事ローテーションが存在する企業では、安全衛生スタッフについて特別なローテーションにはしていないとするところが多かった。
      2. 新たに安全衛生スタッフに就ける際には、安全管理業務については、現場での経験が豊富な者を選ぶという事業場が大半であった。衛生管理業務については、衛生学を学んだ者を新卒採用し教育しながら育成するという企業が多くみられた。
      3. 安全衛生スタッフの人事上の位置付けは、豊富な専門知識と経験を活かして業務を行う専門家集団とみている事業場が多かったが、なかには、キャリアとしての経験を積ませるための業務の1つとしているところもあった。
    4. 安全衛生管理業務の割合は、当該割合が100%とする者(安全衛生管理業務以外は行っていない者)が29%である一方、当該割合が半分以下とする者が40%。
    5. 10年間の安全衛生スタッフ数の変化等
      1. 安全衛生スタッフ数は、基本的に変化がなく、10年前が5.1人、調査時点が5.6人。10年前と調査時点の従業員数の変化をみると、10年前が740人、調査時点が602人。
      2. 事業場の従業員数に占める安全衛生スタッフの割合の変化をみると、10年前が0.7%、調査時点が 0.9%と微増。

Ⅲ.安全衛生スタッフの退職者が多くなることについての事業場の対応等について

  1. 安全衛生スタッフの退職に対する事業場の対応は、「計画的な人事を行っている」(39%)、「後継者を育成するため教育を行っている」(38%)、「退職者を再雇用することにしている」(37%)とする事業場がそれぞれ4割弱。
  2. 過去5年間に安全衛生スタッフを最後に退職した者の再就職等の状況について事業場は、退職者のうち30%の者については再就職しているかどうか自体も把握していない。ただし、この中には自己都合による退職者も含まれていることを考慮する必要がある。

全ての働く人々に安全・健康を 〜Safe Work , Safe Life〜

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