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調査・研究

調査研究概要

労働安全衛生への取組が取引に及ぼす影響についての調査研究報告書のポイント

本調査研究の目的・手法

ガイドラインの表紙 要約版 別ウィンドウが開きます (PDF 63KB)

商品やサービスの取引等において、これを提供する事業場が安全衛生対策に積極的に取り組んでいることにより、他の事業場への納入等において有利に働いたり、良い影響が得られる事例を明らかにすることは、安全衛生への取組が評価される社会につながるものである。

このため、事業場の安全衛生への取組が、企業間の仕事の発注に好影響を与えている事例等に関する実態を調査し、課題をまとめ、その促進を図ることを目的に本調査研究を実施した。

アンケート調査は当協会会賛助会員のうち、労働者規模50人以上の事業場で、同一企業は1事業場のみとし、2,817事業場に対し、郵送により発送および回収し1,445事業場から回答を得た(平成22年11月〜12月、回収率51.3%)。さらに、取引に際し労働安全衛生への取組を求めているまたは求められている4事業場を選定し、安全衛生管理の担当者に対し質疑応答を行った。

本調査研究で明らかになった主な事項

発注する立場である場合
発注先に安全衛生の取組を求めることがある事業場は69.2%
アンケートに回答した1,445事業場のうち、取引を発注する立場である場合に発注先に安全衛生への取組を求めることがあるとした事業場は69.2%であった(図1)。労働者数別に見ると、規模が大きい事業場ほど取組を求めるとする割合が高い傾向にあった。また、業種別に見ると、「建設業」では94.6%、「製造業」では64.4%、「サービス業」では53.1%であり、業種間における差が見られた。
ヒアリング調査や自由記述においては、元方事業者としての観点から発注先に安全衛生への取組を求めているといった意見や、安全衛生管理の確かな企業は品質や納期なども信用できるとの意見が多数あった。
発注先に安全衛生への取組を求める割合が高いのは、設備工事・据付工事、建設工事
安全衛生の取組を求める割合が高いのは、設備工事・据付工事、建設工事の発注で70%程度である。一方、原材料、製品、部品の発注は25%前後で割合は低い。
いずれの取引においても求める安全衛生の項目の中で必須要件としているものは、「関係法令の遵守」が多く、次いで「作業に必要な有資格者の確認」となっている。
取引の種類別に見ると、「建設工事を発注するとき」、「設備工事・据付工事を発注するとき」が求める安全衛生の項目も多く、上記の2つの必須要件に加え「必要な安全衛生対策の実施」、「安全衛生管理体制の整備」、「安全衛生教育の実施」についても必要とされている要件の割合も高い。
安全衛生は条件としなくても、実施していると考える事業場 72.6%
回答した1,445事業場のうち、発注する立場である場合に発注先に対し安全衛生への取組を求めていない274事業場にその理由を尋ねたところ、最も多かったのは「条件としなくても、実施していると考えているから」(72.6%)であった。
発注側として労働安全衛生への取組を求めることが経営上有利に働いた事例は多数あり
アンケートの自由記述で安全衛生への取組を求めることが経営上有利に働いた事例についての記述が多数寄せられた。経営上有利に働いたり、信頼が得られる、評価が高くなる、取引先と意識の共有化ができることなどに加え、自社の安全衛生管理体制が改善されたり、自社製品の品質向上につながる例もある。特に建設業においては、安全は必須条件であるという意識が高かった。
一方、安全を求めるのは当然であるので特に有利ということはないという記述が複数件あった。
受注する立場である場合
発注元から安全衛生の取組を求められることがある事業場は59.1%
アンケートに回答した1,445事業場のうち、取引を受注する立場である場合、発注元から安全衛生への取組を求められることがあると回答した事業場は59.1%であった(図2)。
また、労働者数による傾向では、発注する立場での回答では労働者数が多くなるほど取組を求めているという傾向であったが、受注する立場では労働者数別での差はほとんど見られなかった。
業種別に見ると、「建設業」では94.9%、「製造業」では53.0%、「サービス業」では45.1%であり、発注する立場と同様、業種間における差がみられた。
なお、わずか(3.3%)ではあるが、取引で求められたのをきっかけに安全衛生について実施するようになったという回答もあった。
発注元から安全衛生への取組を求められる取引は、製品の受注、設備工事・据付工事、建設工事で約35%
発注元から安全衛生の取組を求められる取引の内容は、製品の受注、設備工事・据付工事、建設工事がそれぞれ35%前後で多くなっている。
また、発注元から安全衛生への取組を求められることがある理由で最も多いのは「労働安全衛生に配慮することが企業の責任であるから」で91.5%であった。
求められる安全衛生項目のうち、「関係法令の遵守」「作業に必要な有資格者の確認」は必須要件とされている割合が高い。取引の内容別にみると、「建設工事を受注するとき」が最も求められる安全衛生の項目が多い傾向が見られる。
受注側として安全衛生対策に取り組んでいることで、取引上良い影響があった事例は多数あり
アンケートの自由記述として、安全衛生対策に取り組んでいることで、取引上良い影響があった事例についての記述が多数寄せられた。経営上有利に働いたり、信頼が得られる、評価が高くなる、取引先と意識の共有化ができることなどに加え、自社の安全衛生管理体制が改善されたり、自社の業務がスムーズになった例もあった。特に建設業においては、安全は必須条件であるという記述内容が多くあった。
一方、安全を求めるのは当然であり、「『顧客による購入において有利に働く』のではなく、『安全衛生対策に取り組んでいない企業には発注しない』というのが現在の情勢である」という記述もあった。

図1 発注先に安全衛生の取組を求めることがあるか(N=1,445) 図2 発注元に安全衛生の取組を求められることがあるか(N=1,445)

報告書では、以上の調査結果を踏まえて、労働安全衛生への取組が取引に及ぼす影響と課題をまとめ掲載している。

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