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調査・研究

調査研究概要

社会福祉施設における安全衛生対策に関する実態調査結果報告書

調査研究の目的

労働災害が年々増加傾向を示している社会福祉施設(①高齢者介護施設、②障害者(児)施設、③保育所、④訪問介護・看護サービスの4つの業態)の安全衛生管理体制、安全衛生教育の実施、具体的な安全衛生活動などについてアンケート等によって実態を調査し、労働災害の減少および快適な職場環境づくりにつながる方策を検討するための基礎データの収集を行った。

調査研究の手法

アンケートは、(株)帝国データバンク所有の企業データベースから抽出した従業員が10人以上の老人福祉事業、知的・身体障害者福祉事業、保育所さらには東京都や政令指定都市等において情報が公開されている社会福祉施設から抜粋した計9,330事業場に対し郵送による発送、回収を行い3,337事業場から回答を得た(平成27年11月、回収率35.8%)。

調査結果

(1)
労働災害の発生状況
アンケート回答事業場における、休業1日以上の被災者数の1事業場平均は、平成25年度は0.25人、26年度は0.33人であった。
事故の型別では、「転倒」「腰痛」が多かった。障害者(児)施設では「暴力によるケガ」、訪問介護・看護サービスでは「交通事故」が他の業態に比べて多かった。
今回の調査では労働災害が発生していないと回答した事業場も多く見られたが、各々の職場において労働災害の危険要因が増加している可能性があることから、潜在的な危険要因に対して取り組む必要があると思われる。
(2)
安全衛生担当者の選任
衛生管理者の選任義務のある職員数50人以上の事業場での衛生管理者の選任率は、高齢者(施設)は95.6%、障害者(児)施設は84.0%であった。また、同じく職員数50人以上に選任義務のある産業医の選任については、高齢者(施設)が93.7%、障害者(児)施設が76.6%であった。
今後一層の選任を図る必要があり、さらに、選任することが目的ではなく、各々の職務を的確に実行することが重要であることから、より活動しやすい環境の整備や権限の委譲、各担当者に対する必要な教育の実施等を行うことが望まれる。
(3)
安全衛生教育の実施
労働安全衛生法で義務付けられている雇入れ時の安全衛生教育を実施している事業場は、全体では約半数の51.8%であった(図1)。まずは職場での介護や施設設備などの中に存在する危険や有害な要因の感受性の向上を図り、負担が少ない介護方法などの教育を行っていく必要がある。

図1 雇入れ時の安全衛生教育の実施
図1 雇入れ時の安全衛生教育の実施

(4)
労働災害防止活動の実施
対策を実施している事業場の割合は、全体では「腰痛予防対策」は55.8%、「転倒災害、墜落・転落災害防止対策」は61.5%、「メンタルヘルス対策」は60.5%であった。また、交通事故の防止に関する取組みの実施率は、個々の実施内容によって差はあるが、多くの事業場で取り組まれていた。
また、対策を実施していない事業場では、その理由として「災害が発生していない」「対策を行うまでの必要性を感じていない」を上位に挙げていたが、事業場によって危険要因の高低はあるにしても、危険要因ゼロというところはないと考える。危険要因を見つけ、その要因をなくしていく、つまり予防するという視点で労働災害防止活動に取り組んでいくことが望まれる。
(5)
今後安全衛生活動を進める上で充実させたい事項
全体で見ると、「職員に対する安全衛生教育・研修」が77.9%で最も高く、以下「経営者の安全衛生意識の向上」33.4%、「職員の安全衛生を担当するスタッフの養成」32.4%、「マニュアル・規程類の作成又は見直し」28.3%、「施設・利用者宅の設備の改善やレイアウトの変更等の推進」20.8%、「福祉機器や用具・保育遊具の導入又は撤去」20.7%であった(図2)。
安全衛生活動の実施あるいはその充実化を進めることは、仕事の質を高め、職員の確保や定着化にもつながるものであるが、事業場単独で進めるには限界もあることから、外部の相談機関や行政からの支援も期待したい。

図2 今後安全衛生活動を進める上で充実させたい事項(MA)
図2 今後安全衛生活動を進める上で充実させたい事項(MA)

 

報告書では、さらに業態別、規模別、労働災害発生有無別などの集計を掲載している。

 

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