世界保健機関(WHO)の労働者の健康に関する2008-2017の10年間のアクションプランの審議が進められてきたが、2007年5月の第60回世界保健総会において採択された。
アクションプランとしては、5項目の目的(objectives)とその実施手順から成り、前文として各加盟国および事務局の遂行すべき責務が示されている。目的とされた5項目は以下である。
- 目的1
- 労働者の健康に関する政策手段の立案と実施:各国の政府は、国としての労働者の健康に関する政策のフレームワークを策定しなければならない。このとき、2006年の「職業上の安全及び健康促進枠組条約(第187号)」などの国際間の労働に関する条約を考慮するとともに、健康ならびに労働を管轄する省庁をはじめとした諸関係者の合意が必要である。
- 目的2
- 職場における健康の保護と増進:健康へのリスクのアセスメントとマネジメントによる改善を推進する。化学物質対策、副流煙対策、先端技術の取り入れ、設計段階において配慮のされたプロセス、製品の採用などが重要である。
- 目的3
- 職業保健機関(occupational health service)によるとサービスの向上と対象範囲の拡大:労働者の健康においては、職業健康有害要因と個人の状況だけでなく、保健機関の活動が重要である。遅れている地域での改善が特に必要である。
- 目的4
- 施策の実施において得られたエビデンス情報の整備と伝達:職業病の原因とその影響を的確に把握する健康診断システムが必要である。
- 目的5
- 健康ならびに労働以外を管轄する省庁の政策に「労働者の健康」を織り込む。:例えば、雇用政策は、健康に対して大きい影響のあることが知られている。
INT - WHO adopts 10-year action plan for workers’ health