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精肉産業における安全
労働者を保護し、災害を減少させるため開発された訓練技法とパートナーシップ
(マーキサン・ナソ編集者)

資料出所:Safety+Health
February 2006

(仮訳 国際安全衛生センター)

掲載日:2006.09.15

労働省統計局(BLS)によると、アメリカでは、精肉産業が危険の大きなな職業の一つである。牛肉、豚肉及び家きん類の加工処理場で働く人々は、早い流れで動く解体ラインで動物の内臓を抜き、切り裂さいている。このため、従業員は、潜在的に生命を脅かすリスク・・・切傷;筋違い;蓄積されるトラウマ;転落による傷害並びに化学物質、血液及び排泄物への曝露・・・に遭遇することになる。

BLSによると、と殺場での傷害発生率は年々大幅に減少し、1992年から2001年までに、傷害の発生は14.8%減少した。しかし依然として精肉産業での強度率及び度数率は各種産業中、最も高いものとなっている。このため精肉会社では、関連する安全衛生問題に取り組んでいる。新しい訓練技法及びパートナーシップが、労働者の保護及び傷害発生数の引き続いての減少に役立つように開発されている。

OSHAと産業界の責任者により、精肉産業の労働者の安全衛生にとって、訓練は、特に重要であるとの合意を見ている。継続的な講義、OJT及び再訓練といったコースが、工場での安全向上に特に有益である。

食肉解体作業では、内臓を抜く時や畜殺体の切断段階で、特に動物の大きさ、形及び重量が千差万別なため、常に手作業により処理が行われるので、刃物取扱安全のような特定の訓練が大変役立つことになる。

精肉産業での安全向上は、その決意がなされているとOSHAは語っている。2002年、OSHAは、ワシントンに本部を置く全米精肉協会(AMI)と協力関係を結び、アウトリーチ、コミュニケーション、訓練及び教育により、労働者の安全で健康的な職場環境作りを推進することとした。OSHAによると、AMIとOSHAの代表者チームは、四半期に一度、アクションプランの策定手順の決定及び役割と責任の特定のために会合を持っている。この協力関係は、精肉会社間におけるメンタリング及び情報の共有によるエルゴノミックス訓練を提供している。

更に協力関係は、安全教材をスペイン語などその他の言葉に翻訳するとともに、様々なOSHA共同プログラムへの産業界の参加を奨励している。このOSHA共同プログラムとしては、法順守援助(労使の法順守を助ける様々なリソースを提供するもの);VPP(快適な職場安全条件を作るために、OSHA、事業者及び労働者間のパートナーシップを促すもの);及び相談業務がある。

1990年以降OSHAは、全米精肉業界、及びワシントンに本部を置く、全米食品商業労働者組合と共同で、精肉企業間の自主的なエルゴノミックスガイドラインの実施を推進してきている。

このガイドラインにおいては、成功するための安全プログラムとして、4つの大きな要素を強調している。;職場環境の分析、ハザードの防止及び抑制、医学的管理、及び教育訓練。

マイケル・ファゲル(イリノイ州北オーロラ市オーロラ加工会社安全部長)によると、質の良い安全プログラムは、2つのアクション・・・参加と確実な実施・・・にかかっているとのことである。オーロラ加工会社は、OSHAのVPPに参加している。

ファゲルによると、重要なのは、食肉加工会社が従業員の関心事に耳を傾け、安全衛生イニシアチブに参加させることである。“協力が大切である。安全であることは製品を工場から出荷するのと同じ位、優先度を持っている重要な通過点である。”と彼は語る。

ファゲルによると、企業が評価する能力を持つのならば、企業が自社の安全衛生プログラムを評価することを推薦するが、企業がいつも自分自身を公正に観察できるとは限らない。“資格のある第三者が必要である。この第三者とは、業界において客観的にものを見る知識があり、正当なアセスメントを行うことができて、洞察力と見識のある人である。”

関連情報
OSHA 鳥肉加工業向けガイドライン−筋骨格系障害予防のためのエルゴノミクス(別窓)

アメリカ政府におけるエルゴノミクス傷害(Ergonomic Injuries)の予防対策について(別窓)
http://www.jicosh.gr.jp/japanese/country/usa/topics/JSHQErgo.html