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速報ドイツの「よい仕事 (good job)を作り出す取り組み」を推進するBAUAの長期活動プログラム


(速報作成 国際安全衛生センター)

掲載日:2007.12.03

Arbeitsprogramm 2007-2010 / Working Programme 2007-2010PDFファイル [1.42MB]

速報「ドイツにおける「仕事の新しいクオリティーへの取り組み」活動の進展」 で紹介したように、ドイツにおいては「仕事の新しいクオリティーへの取り組み」活動が展開されているが、この活動において中核をなす連邦労働安全衛生研究所(Die Bundesanstalt für Arbeitsschutz und Arbeitsmedizin −BAUA)の2007年から2010年までの活動プログラムが公表された。

10項目の目的と3項目の重点実施事項とから成り、副題が「安全、健康な競争力のある(competitive)職場」となっていることが注目される。

安全、健康の充実が企業経営に寄与することは、イギリス(HSE)、欧州(EU−OSHA)、アメリカ(OSHA)などでも以前から強調されてきたところだが、競争力につながるとするのは示唆に富む表現だと考えられる。ここに示された10項目の目的は、今号で併せて紹介する WHO, EU−OSHAなどの活動計画と同様に、古い時代の安全衛生活動の枠組みとは、異なっていることを認識しておく必要がある。

目的1
職業能力と雇用適性の保持と向上
目的2
職業性健康障害、疾病防止における改善
目的3
中小企業および災害多発業種の安全と健康に対して有効で経済的なコンセプトの開発と実施
目的4
設計において、安全と健康を取り入れた作業システムの普及
目的5
危険有害性物質および生物学的要因による職業性健康リスクに対する防止対策の改善
目的6
使用することにより、作業上の安全と能率が向上する化学物質の使用の普及
目的7
安全、健康な設計を取り入れた製品の使用される範囲の拡大
目的8
危険有害な性質を有する特定な製品グループの使用の抑制
目的9
職場の安全、健康に関連したコンサルタント、情報提供、認証等のサービス範囲の拡大
目的10
職場の安全衛生がプラスとなるとのイメージの普及

重点実施事項

  1. 機器・製品安全法

    既存の機器安全法と製品安全法を統合した新しい機器・製品安全法(GPSG:Geraet und Produktsicherheitgezetzes)が2004年5月に施行されたことにより、産業用機器の安全と消費者向け製品の安全との間に存在していた安全に関する概念のギャップが解消される方向に向かいつつあるが、この方向を一層推進する。

  2. 職業病補償範囲の見直し

    ドイツ職業保険組合(BG)と提携して、作業条件と職業病発症との関連についての従来から蓄積されてきた膨大なデータを再整理することにより、補償範囲の見直しなどを検討する。

  3. 化学物質規制

    新規届け出化学物質の審査、欧州委員会による規制の国内施行、農薬の位置づけなどを実施する。

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