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イギリス1974年労働安全衛生法
(Health and Safety at Work Act 1974)
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第一章 労働と関連した安全衛生、福利厚生、危険物質及び大気中へのある種の排出物の管理

序文

1. (1) 本章の規定は、以下を目的とした序文と共に発効するものとする。即ち、

(A) 就労中の人物の安全衛生、福利厚生を確保すること。
(B) 就労中の人物の活動によって、あるいはそれに関連して生ずる安全衛生への危険から、就労中の人物以外の人々を保護すること。
(C) 爆発性、高可燃性等の危険物質の保管と使用を管理し、こうした物質の違法な取得、保持、及び使用を幅広く阻止すること。及び、
(D) 本条の目的のため、別に定められた何らかの施設内からの、有毒又は不快な物質の大気中への排出の管理。

(2) 安全衛生規則及び農業安全衛生規則の作成及び実施準則の作成・認可に関する本章の規定は、特に以下を考慮して発効するものとする。即ち「別表1」の第三縦列に特定された法規、及びこれら法規の下で実施されている規制、命令、及び他の法律文書は、これらの法規により、あるいはその下で実現されている安全衛生、福利厚生の標準を維持し、あるいは改善することを目的とした本章の他の規定と組み合わせて運用される規定及び公認定実施準則の体系によって段階的に代替される。

(3) 本章の目的を実現するため、就労中の人物の活動により、あるいはこれに関連して生ずる危険は、企業の遂行の様態、企業の目的のために使用される機械設備又は物質及びそのために用いられる施設あるいはその一部に起因する危険を含むものとして扱うものとする。

(4) 本章において本章の一般的な目的と言う場合、上の項目(1)に言及された目的を指す。

一般的な義務

事業者の従業員に対する一般的な義務

2. (1) 事業者は、合理的に実行可能な範囲において、その全ての従業員の就労中の安全衛生、及び福利厚生を実現する義務を負うものとする。

(2) 上の項目における事業者の義務の一般性を損なうことなく、この義務が適用される事項には特に以下が含まれる。即ち、

(A) 合理的に実行可能な範囲において、安全衛生への危険のない機械設備及び労働システムに関する規定とその維持。
(B) 合理的に実行可能な範囲において、物品及び物質の使用、操作、貯蔵及び輸送に関連した安全と危険の除去を実現するための取り決め。
(C) 従業員の就労中の安全衛生を、合理的に実行可能な範囲において確保するために必要な情報、指示、訓練及び監視に関する規定。
(D) 合理的に実行可能な範囲において、事業者の管理下にある労働の場及びその維持が安全衛生への危険のない状態にあること、及びこうした場所への出入りを安全衛生への危険のないものとするための規定とその維持。
(E) 従業員の労働環境が、合理的に実行可能な範囲において、安全衛生への危険を持たず、また施設面で適切なものとするための規定とその維持及び就労中の福利厚生に関する取り決め。

(3) 別に定められている場合を除き、全ての事業者はその従業員の就労中の安全衛生に関する一般的方針及びこうした方針を遂行するために差し当たって実施されている機構及び取り決めを内規として作成し、また適切と思われる頻度でこれを改訂し、こうした内規及びその改訂を全ての従業員に知らしめる義務を負うものとする。

(4) 所轄大臣によって作成される規定では、別に定められた場合について(当該規定の意味するところにより)認定された労働組合が、従業員の中から安全代表者を任命することができ、またこうした代表者は以下の項目(6)により事業者と協議の上で従業員を代表し、また別に定められた他の機能を持つものとする。

(5) 所轄大臣によって作成される規定では、別に定められた場合について、従業員がその中から安全代表者を選出することができ、またこうした代表者は以下の項目(6)により事業者と協議の上で従業員を代表し、また別に定められた他の機能を持つものとする。

(6) 全ての事業者は、労使が効率的に協力することによって就労中の従業員の安全衛生の確保手段を促進、開発し、またこうした手段の有効性を検査するため協定の作成及び維持を目的として、こうした代表者と協議する義務を負うものとする。

(7) 別に定められた場合について、全ての事業者は上の項目(4)及び(5)に言及された安全代表者から要請があった場合、所轄大臣の作成する規定に応じて安全委員会を設置し、就労中の従業員の安全衛生の確保手段を検討する機能及び別に定められたこうした他の機能を持たせる義務を負うものとする。

従業員以外の人物に対する事業者及び自営業者の一般的な義務

3. (1) 全ての事業者は、合理的に実行可能な範囲において、その企業によって影響を受けるその雇用外の人物が、これによってその安全衛生に危険が及ばないように、その企業を遂行する義務を負うものとする。

(2) 全ての自営業者は、合理的に実行可能な範囲において、その企業によって影響を受ける自ら及びそれ以外の人物(従業員ではない者)が、これによってその安全衛生に危険が及ばないように、その企業を遂行する義務を負うものとする。

(3) 別に定められた場合について、全ての事業者及び自営業者は、別に定められた状況及び別に定められた方法により、自らの企業の遂行の様態によって影響を受ける人物(従業員ではない者)に対して、その企業の遂行が安全衛生に如何なる影響を及ぼすかについて別に定められた情報を提供する義務を負うものとする。

施設に関係する人物が、従業員以外の人物に対して有する一般的な義務

4. (1) 本条は、以下の人々に対して関わりを有する人物に義務を負わせるものである。即ち、

(A) その従業員でない者。但し、
(B) 仕事場又はそこで使用するために供給された機械設備又は物質を使用するための場所として、非居住用の施設を利用している者。

さらに本条は、こうした施設及びこれに関連して用いられている他の非居住用施設に対して適用される。

(2) 何らかの範囲において以下を管理する人物は、次のような義務を負うものとする。即ち、本条が適用される施設、又はその出入りの手段、あるいはこうした施設内の機械設備又は物質の管理者は、全ての施設、その施設を使用する人物によるそこへの全ての出入りの手段、施設内にある、又は場合によってはそこで利用するために供給された機械設備又は物質が、安全衛生への危険を持たないようにするための手段を、合理的に実行可能であり、かつその立場の妥当な範囲において取るものとする。

(3) 契約又は借用により、以下に関して何らかの義務を有する人物、即ち、

(A) 本条が適用される施設、あるいはそこへの出入りの手段の維持又は修理。
(B) こうした施設内の機械設備又は物質から生ずる衛生への危険の除去又は安全性。

こうした人物は、上の項目(2)の目的のため、その義務の及ぶ事項を管理している人物として扱われるものとする。

(4) 本条において施設又は事項の管理者と言われる者は、その取引、事業、又は他の企業(営利的であるか非営利的であるかを問わず)の遂行と関連した施設又は事項を管理している者を指す。

大気中への有害な排出物と関連したある種の施設を管理している人物の一般的な義務

5. (1) 1(1)(D)条のために分類された施設を管理する人物は、当該施設内から有毒又は不快な物質が大気中に排出されるのを防ぎ、またこうした物質が排出される際にこれらを無毒かつ無害なものとするために、実行可能な最良の手段を用いる義務を負うものとする。

(2) 上の項目(1)において、そこに言及された目的のために用いられる手段として、こうした目的のために提供される機械設備の使用の様態及びこの項目の適用を受ける物質の排出に関わる操業の監視が含まれる。

(3) 上の項目(1)の目的により、有害又は不快なものと定められた物質又は何らかの種類の物質は、この項目を離れた場合にどうであるかを問わず、こうした意図のために有害であるか、又は場合によっては不快な物質であるとする。

(4) 本条において施設を管理している人物と言われる者は、その取引、事業、又は他の企業(営利的であるか非営利的であるかを問わず)の遂行と関連した施設を管理している者を指し、また本条によりこうした人物に課せられる義務は、その管理下にある事項に限られるものとする。

労働に用いられる物品又は物質に関わる製造者の一般的な義務

6. (1) 労働に用いられる物品を設計、製造、輸入、又は供給する人物は、以下の義務を負うものとする。即ち、

(A) 合理的に実行可能な範囲において、こうした設計又は製造による物品が適切に使用された場合、安全であり衛生への危険を持たないようにすること。
(B) 前述の規定によって課された義務の遂行に必要となる試験及び検査を実行するか、あるいは実行のための手配を行うこと。
(C) 労働に用いられる物品に関して、設計及び試験を経たその使用法及びその使用時の安全と衛生への危険除去に必要な条件についての情報が得られるように、必要な手段を取ること。

(2) 労働に用いられる物品の設計又は製造に携わる者は、当該設計又は物品に起因する安全衛生への危険を発見し、さらに合理的に実行可能な範囲において、これを除去するか、あるいは最低限に抑えるために必要な研究を実行するか、あるいは実行のための手配を行う義務を負うものとする。

(3) 労働に用いられる物品を、就労中の人物により当該物品が用いられる施設内に構築又は設置する人物は、合理的に実行可能な範囲において、それが適切に用いられた場合、その構築又は設置の方法が衛生への危険をもたらしたり、安全性に欠けることがないようにする義務を負うものとする。

(4) 労働に用いられる物質を製造、輸入、又は供給する人物は、以下の義務を負うものとする。即ち、

(A) 合理的に実行可能な範囲において、当該物質が適切に用いられた場合にそれが安全であり、衛生への危険のないようにすること。
(B) 上記の規定によって課された義務の遂行に必要となる試験及び検査を実行するか、あるいはその実行のための手配を行うこと。
(C) 労働に用いられる物質の使用に関して、それまでに行われた当該物質の試験結果、又は当該物質に関して、あるいはそれが適切に用いられた場合に安全であり、衛生への危険をなくするための条件について行われた試験結果について、適切な情報が得られるように必要な手段を取ること。

(5) 労働に用いられる物質の製造を行う人物は、当該物質に起因する安全衛生への危険を発見し、さらに合理的に実行可能な範囲において、これを除去するか、あるいは最低限に抑えるために必要な研究を実行するか、あるいはその実行のための手配を行う義務を負うものとする。

(6) 本条の上記規定は、ある人物又はその示唆によってすでに行われた試験、検査、又は研究の結果を、当該規定の目的のためにその人物が用いることが合理的である場合、これらを繰り返すことを求めるものとは解釈されないものとする。

(7) 本条の上の規定により、ある人物に課せられる義務は、当該人物によって遂行される取引、事業、あるいは他の企業(営利的であるか非営利的であるかを問わず) 、又はその管理下にある事項の途上において成されたものに限られるものとする。

(8) ある人物が他の人物のために、あるいはその許に物品を設計、製造、輸入、又は供給し、後者の文書による約束に基づき、当該物品が適切に使用された場合に安全であり、また衛生への危険をなくするための十分かつ特定の手段を、合理的に実行可能な範囲において取っている場合、約束という表現が合理的に意味する範囲において、当該約束は、上の項目(1)(A)によって課せられる義務を前者から免除する効力を持つものとする。

(9) ある人物(「見かけ上(ostensible)の供給者」)が、分割払い購入契約、条件付き販売契約、又は信用販売契約により、別の人物(「顧客」)のために、労働に用いられる物品、あるいは労働に用いられる物質を供給しており、さらにこの見かけ上の供給者が以下である場合、即ち、

(A) こうした契約によって他者が財を取得するための資金提供を事業として営んでおり、
(B) こうした事業の途上において、顧客が第三者(「実質(effective)供給者」)から物品又は物質を取得するための資金提供の手段として、顧客に納入された当該物品又は物質に対する利子を取得している場合、

本条の目的のため、顧客に物品又は物質を供給しているものとして扱われるのは見かけ上の供給者ではなく実質供給者であり、したがって本条の上の規定が供給者に課する義務は身かけ上の供給者ではなく、実質供給者に課せられるものとする。

(10) 本条の目的のため、物品又は物質を設計、製造、輸入、又は供給した人物がその使用に関して用意した関係情報又は助言を無視してそれが用いられた場合、当該物質又は物品が適切に使用されたとは見なされないものとする。

就労中の従業員の一般的な義務

7. 就労中の全ての従業員は、以下の義務を負うものとする。即ち、

(A) 自らの行為、又は職務上の怠慢によって影響を受ける他の人物及び自分自身の安全衛生に妥当な注意を払うこと。
(B) 関連法規定のいずれかによって、あるいはその下でその事業者あるいは他の人物に課せられる何らかの義務又は要件について、こうした義務又は要件の遂行、あるいは遵守に必要な範囲でこうした人物に協力すること。

一部の規定に基づいて提供されたものを妨害したり、悪用してはならない義務

8. 何らかの関連法規定に基づいて、安全衛生、福利厚生のために提供されたものを意図的に、あるいは無思慮によって妨害したり、悪用してはならない。

一部の特定の要件に基づいて行われるか、あるいは提供されたものの費用を従業員に負担させてはならない義務

9. 事業者は、関連法規定の特定の要件に基づいて行われるか、あるいは提供されたものについての費用を従業員に負担させたり、負担させるのを許してはならない。

「安全衛生委員会及び安全衛生庁」

「委員会及び庁」の設立

10 (1) 「安全衛生委員会」及び「安全衛生庁」と呼ばれる協力する二つの組織を本条の以下の規定に基づきこれを設立するものとする。

(2) 「安全衛生委員会」 (この法律では以下「委員会」と略す)は、所轄大臣の任命する議長及び以下の項目(3)により所轄大臣によって任命される少なくとも六名から最大九名までの委員によって構成されるものとする。

(3) 「委員会」の(議長以外の)委員を任命する前に、所轄大臣は以下を行うものとする。即ち、

(A) その中の三名については、所轄大臣が適切と判断する事業者の代表組織に諮問を行う。
(B) 他の三名については、所轄大臣が適切と判断する従業員の代表組織に諮問を行う。
(C) 所轄大臣による任命の可能性がある他の委員については、所轄大臣が適切と判断する地方自治体の代表組織及びその構成員の活動が本章の一般的な目的のいずれかの事項に関わっている専門機関を含めた他の組織に諮問を行う。

(4) 所轄大臣は、委員の一名を「委員会」の副議長に任命することができる。

(5) 「安全衛生庁」 (この法律では以下「庁」と略す)は三名の人物から構成され、その中の一名は所轄大臣の承認を得た上で「委員会」によりその長官に任命され、他は長官への諮問後、同様の承認を得て「委員会」により任命されるものとする。

(6) 「別表2」の規定は、 「委員会」及び「庁」について発効するものとする。

(7) 「委員会」及び「庁」及びその担当官及び職員の職務は、王権のために遂行されるものとする。

「委員会」及び「庁」の全般的な職務

11. (1) この法律により「委員会」に委譲される他の職務に加えて、但し以下の項目(3)を前提として、 「委員会」は本章の一般的な目的のために適切と判断するものや手配を行う全般的な義務を負うものとする。但し専ら農業の運営に関わる事項についてはこれを除外する。

(2) 前述のものを除き、「委員会」は以下の義務を負うものとする。即ち、

(A) 本章の一般的な目的の何らかの事項に関係している人物が、こうした目的をさらに促進することを支援し、奨励すること。
(B) こうした目的に関連した研究、研究結果の公刊及び訓練及び情報の提供を実施するために適当と判断される手配を行い、他の人々がこれに関連した研究や訓練及び情報の提供を行うことを奨励すること。
(C) 政府部門、事業者、従業員、事業者及び従業員の各代表組織、及びこうした目的のいずれかの事項に関わる他の人物が、こうした事項についての情報及び助言を受け、また常に情報を与えられ、適切な助言が与えられるように、適切と判断される手配を行うこと。
(D) 関連法規定の下で規制を行う権限を有した当局に対して、当該権力の下で規制を行うために適切であると「委員会」が判断する提案を適宜提出すること。

(3) 「委員会」は以下の義務を負うものとする。即ち、
(A) 職務遂行の目的を果たすための提案の詳細を、適宜所轄大臣に提出すること。
(B) 以下の規定に基づき、その活動が所轄大臣の認可を受けた提案に従っていることを確認すること。
(C) 所轄大臣によって与えられた指示を実施すること。

(4) 本章により「庁」に委譲される他の職務に加えて、「庁」は以下の義務を負うものとする。即ち、

(A) 「委員会」が実行することを指示した「委員会」の職務を、「委員会」に代わって実行すること。
(B) 上の規定(A)に基づくもの以外に「委員会」によって与えられた指示を実施すること。但し「委員会」は所轄大臣によって与えられた指示の実施という目的を除いて、個々の事例について関連法規定を実施するために「庁」に何らかの指示を与えることはないものとする。

(5) 上の項目(2)を侵害することなく、閣内相から以下のような要請を受けた場合、これを「庁」の義務とする。即ち、

(A) 閣内相に関わる何らかの事項と関連した「庁」の活動について、当該大臣に情報を提供すること。
(B) 「庁」の担当官又は職員から専門的な助言が得られるが、それが本章の一般的な目的とは関わっていない事項について、閣内相に助言を提供すること。

(6) 「委員会」及び「庁」は、本章に基づいて与えられる指示に従い、「委員会」の職務の遂行、あるいは場合によっては「庁」の職務(本項目により委譲される職務を含む)の遂行を容易にするか、それに貢献し、又はこれに付随すると目される全てのこと(金銭の借受けを除く)を行う権限を有するものとする。

所轄大臣による「委員会」の管理

12.所轄大臣は以下を行うことができる。即ち、

(A) ll(3)(A)条に基づいて提出された提案を、修正又は修正することなく認可すること。
(B) 所轄大臣が「委員会」の職務に適すると考える指示(その職務を変更する指示を含むが、本文条に基づいて与えられた以前の指示によって剥奪されたもの以外の職務をこれに委譲する指示を除く) 及び国家の安全のためにこれに与えることが不可欠あるいは適切であると思われる指示を、「委員会」に対して与えること。

「委員会」の他の権限

13. (1) 「委員会」は以下の権限を持つものとする。即ち、

(A) 「委員会」の職務、あるいは場合によっては「庁」の職務を、政府の部門又は他の人物が(報酬の有無を問わず) 「委員会」又は「庁」のために遂行することができるよう、当該部門又は人物との間に契約を結ぶこと。
(B) 以下の項目(2)を条件として、閣内相、政府部門、あるいは他の公的機関が実行できる職務(閣内相の場合、法規によって委譲されていない職務を含む)のうち、「委員会」の職務として「委員会」が適切に遂行できると所轄大臣が考える職務を、(報酬の有無を問わず)「委員会」がこうした大臣、部門、又は機関に代わってこれを遂行するために、当該大臣、部門、機関との間で契約を結ぶこと。
(C) 政府部門又は他の公的機関による職務の遂行に関連して、当該部門又は機関から要請があった場合に限り、本章の一般的な目的以外のサービス又は施設を(報酬の有無を問わず)提供すること。
(D) その職務について「委員会」に助言を与えるための人物又は複数の人物からなる委員会を任命し、さらに所轄大臣が公務相の承認を得た上で決定する報酬を(以下の規定の一般性を損なうことなく)こうして任命された人物に対して支払うこと。
(E) 「委員会」の職務に関連して、所轄大臣が公務相の承認を得た上で決定する旅費及び特別手当及び費消された時間に対する報酬を人物に対して支払うこと。
(F) 「委員会」の職務と関連する事項について研究を遂行するか、その手配を行うか、又はその支払いを行い、こうした研究によって得られた情報の普及を図るか、その手配を行うか、又はその支払いを行うこと。
(G) 「委員会」による、あるいはそのために行われるサービス又は施設について「委員会」が行った契約の中に、こうした施設又はサービスを利用する人物及び契約の他の当事者が、「委員会」又はその代理として行動する人物に支払いを行うための規定を含めること。

(2) 項目(1)(B)は、規定あるいは他の立法的性格を備えた法的文書を作成する権限を有した閣僚、部門、又は当局の何らかの職務を、「委員会」が遂行することを認めるものではない。

調査及び審査の指示を出すための「委員会」の権限

14. (1) 本条は以下の事項に適用される。即ち、本章の一般的な目的のために、あるいはこうした目的に関する規定を作成するために、調査が必要あるいは不可欠であると「委員会」が考える何らかの事故、状況、又は他の事項について。また本項日の目的のため、当該事項に関するこうした法規定(が存在する場合)の実施について、「庁」が責任を有するか否かを特に問題としない。

(2) 「委員会」は随時以下を行うことができる。即ち、

(A) 本条が適用される事項について、これを調査して特別報告書を作成することを「庁」に指示し、あるいは他の人物にその権限を与えること。
(B) 所轄大臣の同意を得た上で、こうした事項について審査開催の指示を出すこと。

但し、専ら農業の運営にのみ関わると「委員会」に思われる個々の事例については、これを行わないものとする。

(3) 上の項目(2)(B)により開催される審査は、本項目の目的のために所轄大臣が作成した規定に従って行われ、当該規制が別に定めない限り、あるいはその程度に応じて公開して開催されるものとする。

(4) 上の項目(3)のために作成された規定には、特に以下の規定を含めることかできる。即ち、

(A) こうした審査を開催する人物、及びこれを補佐する人物に対して、立ち入りと検査の権限を委譲すること。
(B) 証人を喚問して証言を行わせるか、又は文書を提出させる権限及び宣誓に基づいて証言を採用し、さらに宣誓を行わせるか、又は宣言を求める権限をこうした人物に委譲すること。
(C) 閣内相からの指示があった場合、あるいはその程度に応じて、審査を公開せずに開催することを求めること。

(5) 上の項目(2)(A)により作成された特別報告書、あるいは上の項目(2)(B)により開催された審査を行った人物による報告書が存在する場合、「委員会」は自ら適切と判断する時期及び方法により、当該報告書、又は「委員会」が適切と判断するその一部を公開に処すことができる。

(6) 「委員会」は以下を行うことができる。即ち、

(A) 上の項目(2)(A)により(「庁」の担当官又は職員以外によって)成された特別報告書又は調査が存在する場合、所轄大臣が公務相の承認を得た上で決定する報酬及び費用を当該人物に支払うこと。
(B) 上の項目(2)(B)により開催された審査の場合、これを開催した人物及びその補佐に任命された人物に対する報酬及び費用及び証人として審査に出席した人物に対する費用を、所轄大臣が公務相の承認を得た上で決定した額に応じて支払うこと。
(C) こうした調査及び特別報告書、あるいは審査が存在する場合、所轄大臣が決定した額に応じて、その他の費用を支払うこと。

(7) 本条が適用される事項がスコットランドで生じ、それが人物の死をもたらすような事項である場合に、上の項目(2)(B)により審査の開催が指示されたとしても、 1895年「死亡事故審査(スコットランド)法」{1895c.36.} に基づいてスコットランド検事総長が別に指示を出さない限り、当該死亡事故に関する審査は開催されないものとする。

安全衛生規則及び公認実施準則

安全衛生規則

15. (1) 第50条の規定に基づき、所轄大臣は本章の一般的な目的のため、本条の下で(本章では以下「安全衛生規則」と称す)専ら農業の運営に関わる事項以外について規則を作成する権限を有するものとする。

(2) 上の項目の一般的な目的を損なうことなく、安全衛生規則は本章の一般的な目的のため、「別表3」に記載された目的のための規定を作ることができる。

(3) 安全衛生規則は、以下を行うことができる。即ち、

(A) 既存の法規定を撤廃又は修正すること。
(B) 分類された特定の事例について、第2条から9条の規定、あるいは既存の法規定を除外し又は修正すること。
(C) 関連法規定の実施について、特定された範囲に応じて、特定の権限又は責任ある権限の分類を定めること。

(4) 安全衛生規則は、以下を行うことができる。即ち、

(A) 「委員会」あるいは他の特定された団体又は人物の承認を経た上で、要件を課すこと。
(B) 特定の文書が改訂、又は再発行される度にそれを参照させるため、規定中に当該文書への参照を付すこと。
(5) 安全衛生規則は、以下を行うことができる。即ち、

(A) 関連法規定により、あるいはその下で課せられる要件又は禁止事項を(無条件又は条件付きで、さらに期限付又は無期限に)免除すること。
(B)特定の人物、又は特定の機関によってその代理となることを認められた人物によって、関連法規定により、あるいはその下で課せられる要件又は禁止事項(無条件又は条件付きで、さらに期限付又は無期限に)の免除を可能にすること。

(6) 安全衛生規則は、以下を行うことができる。即ち、

(A) 規定により、あるいはその下で課される要件又は禁止事項に違反した場合、どの人物又は人物の集団が反則の罪を負い、さらに他の人物又は人物の集団がそこに含まれるか、あるいは除外されるかを特定すること。
(B) 関連法規定の下で、一般的な、あるいは特定の状況の下で成された反則について、訴訟に用いられる特定の答弁を準備すること。
(C) 既存の法規定の第2条から9条まで、あるいは安全衛生規則により、あるいはその下で課される要件あるいは禁止事項の違背からなる違反について、告発による訴訟を除外すること。
(D) 上記の規定(C)に言及された違反によって課される可能性のある刑罰を制限すること。

(7) 第35条を侵害することなく、安全衛生規則は、関連法規定の下での違反を法の実施当局の責任の範囲内に置くか、あるいはこうした違反についての訴訟維持の権限を裁判所に委譲することを目的として、特定の場所においてこうした違反が成されたものとして、これを扱うための規定を定めることができる。

(8) 安全衛生規則は、個々の状況あるいは個々の事例にのみ適用される規定(例えば個々の施設のみに適用される規定)の形態を取ることができる。

(9) 大ブリテン島外の人物、施設、又は労働に対して、あるいはこれらに関して適用することを定めた84(3)条により「評議会命令」が出された場合、こうした「命令」に反して安全衛生規則は、大ブリテン島外を飛行中の航空機、船舶、ホバークラフト、あるいは沖合いの施設については、又は海底ケーブルあるいは海底パイプラインに関連して大ブリテン島外で就労中の人物については、あるいはこれらに関しては、当該規定にその旨明記されていない限り適用されないものとする。

(10) 本条における「特定」とは、安全衛生規則に特定されていることを意味する。


「委員会」による実施準則の承認

16. (1) 第2条から7条までの規定、又は安全衛生規則、あるいは既存の法規定の諸要件に関して実際的な指針を与えることを目的として、 「委員会」は以下の項目に従い、さらに専ら農業の運営に関わる事項を除いて、以下を行うことができる。即ち、

(A) 当該目的にふさわしいと「委員会」に判断された実施準則(「委員会」が作成したか否かを問わず)の承認と発行。
(B) 当該目的にふさわしいと「委員会」に判断され、「委員会」以外によって発行、又は発行の提案が行われている実施準則の承認。

(2) 「委員会」は、所轄大臣の同意を得ることなく上の項目(1)の実施準則を承認してはならず、またその同意を求める前に、以下に諮問を行うものとする。即ち、

(A) 「委員会」が適切と考える政府部門又は他の機関(さらに、特に電子・電磁的な放射に関する実施準則については「国家放射線保護委員会」)及び、
(B) 当該で扱われている事項に関して、所轄大臣の指示により、本条の下で「委員会」が諮問を行うことを求められる政府部門及び他の機関。

(3) 上の項目(1)により「委員会」が実施準則を承認した場合、「委員会」は文書によって以下の通知を発行するものとする。即ち、

(A) 当該実施準則を確認し、「委員会」により発効が承認された日付を述べたもの。及び、
(B) 上の項目(1)のどの規定により、当該実施準則が承認されたかを特定したもの。

(4) 「委員会」は以下を行うことができる。即ち、

(A) 本条に基づいて「委員会」によって作成された実施準則の全体、又はその一部を適宜改訂すること。
(B) 本条により、差し当たって公認実施準則の全体、又はその一部の改訂、あるいは改訂の提案を承認すること。

さらに上の項目(2)及び(3)の規定は、それらが上の項目(1)による実施準則の承認について適用されるのと同じく、本条による改訂の承認についても、必要な修正を伴った上で適用されるものとする。

(5) 「委員会」は、本条により公認実施準則の承認取り消しを、所轄大臣の同意を得た上で随時行うことができるが、その同意を求める前に、実施準則の承認の提案について上の項目(2)で諮問を求められたのと同じ政府部門又は他の機関に対して、諮問を行うものとする。

(6) 上の項目により、「委員会」が本条により公認実施準則の承認取り消しを行う場合、「委員会」は当該実施準則を確認し、またその承認が失効する日付を記した文書による通知を発行するものとする。

(7) 本章における「公認実施準則」とは、本条によりその全体あるいは一部の改訂が承認され、差し当たって発効している実施準則を指す。

(8) 「委員会」以外によって発行され、又は発行が提案されている実施準則を、上の項目(1)(B)により「委員会」が承認する権限には、こうした実施準則の一部を承認する権限が含まれる。したがって本章における「実施準則」とは、こうした実施準則の一部を含むものとして解釈することができる。

刑事訴訟における公認実施準則の使用

17. (1) ある人物が、公認実施準則の規定に従わなかったとしても、それ自体では当該人物に民事又は刑事訴訟の責任を負わせるものとはならない。但し、刑事訴訟において、16(1)条に言及されている規定により、あるいはその下で課される要件又は禁止事項に違反したことを理由に、ある関係者が罪を犯したと申し立てられている場合、申し立てられた違反の時点において、公認実施準則によってこうした規定が存在しているのであれば、当該訴訟をめぐるこうした実施準則について以下の項目が効力を有するものとする。

(2) こうした実施準則の規定が、違反の申し立てられている要件又は禁止事項に関係すると裁判所が判断した場合、これらは当該訴訟において証拠として採用され得るものとする。さらに訴追において当該要件又は禁止事項の違反を立証することが必要な事項と関係しているものと裁判所が判断した実施準則の規定が、何らかの重要な時点において遵守されていなかったことが証明された場合、当該実施準則の規定を遵守しなくとも、こうした事項について当該要件又は禁止事項に従い得たと裁判所が納得しない限り、当該事項は証明されたものとして扱われるものとする。

(3) 刑事訴訟においては、

(A)第16条により「委員会」が発行した通知であると言われる文書は、そうでないことが証明されない限りこうした通知であると見なされるのものとする。さらに、
(B)当該通知の主題であると裁判所が判断する実施準則は、そうでないことが証明されない限りこうした通知の主題と見なされるものとする。

実施

関係する法規定の実施に責任を有する機関

18. (1) 「庁」は、関連法規定の実施について、適切な手配を行う義務を負うものとする。但し、以下の項目(2)の下での規定又は規則により、他の機関又は機関の集合体がその実施に責任を有していない範囲においてとする。

(2) 所轄大臣は規定により以下を行うことができる。即ち、

(A) 別に定められた範囲において、地方当局に対し関連法規定の実施に責任を負わせること。
(B) 当該規定によって決定される範囲において、関連法規定の実施責任を以下とする規定を作成すること。即ち、
(i) 「庁」から地方当局へ、あるいは地方当局から「庁」へと移転すること。
(ii) 本項目の下での、当該規定の実施に関する個別責任についての不分明を解消するために、「庁」又は地方当局に割り当てること。
さらに上記の規定 (B)に従って作成された規定には、当該規定により発効する移転又は割り当てを、これに関係する人物に知らせるための規則を含むものとする。

(3) 上の項目の規則により作成された規定は、 15(3)(C)条の下での安全衛生規則あるいは農業安全衛生規則により作成された規定に従って発効するものとする。

(4) 全ての地方当局は以下の義務を負うものとする。即ち、

(A) 上の項目(2)の下での規定又は規則により実施責任を負わされている範囲内で、自らの領域において関連法規定を実施するための適切な手配を行うこと。及び、
(B) 上記の規定によって自らに課された義務及び関連法規定によって自らに委譲された他の職務を、「委員会」が与える指針に従って遂行すること。

(5) 適切な農業大臣、「庁」又は地方当局以外の機関が、上の項目(2)の下で関連法規定、あるいは規則によって、こうした規定を何らかの範囲で実施する責任を負わされた場合、当該機関は以下の義務を有するものとする。即ち、

(A) 当該規定をその程度に応じて実施するための適切な手配を行うこと及び、
(B) 上記の規定によって当該機関に課された義務、及び関連法規定によって当該機関に委譲された他の職務を、「委員会」が与える指針に従って遂行すること。

(6) この法律、あるいはその下で作られた規則のうち、関連法規定の実施をスコットランド内の人物に負わせたいかなる規定も、何らかの違反について訴訟を起こす権限を当該人物に与えるものとは解釈されないものとする。

(7) 本章において、

(A) 「実施当局」とは、関連法規定、あるいは上の項目(2)の下での規則により、何らかの範囲でこうした規定の実施の責任を負わされた「庁」又は他の機関を意味する。さらに、
(B) 実施当局の責任範囲とは、こうした規定の実施について、差し当たって当該機関の責任が及ぶ範囲を指す。

但し、 13(1)条の規定(A)により「委員会」又は「庁」の職務の遂行が、政府部門又は人物に委任されている場合、当該職務に関する本章の規定における「委員会」又は「庁」(あるいはその権限が庁にあるような実施当局)とは、当該の規定による何らかの契約を発効させるために必要な範囲において、当該部門又は人物を指すものとして解釈されるものとする。従って実施当局の責任範囲とは、当該部門又は人物がこうした職務を差し当たって遂行する範囲を指すものとする。

監督官の任命

19. (1) 全ての実施当局は、その責任範囲において関連法規定を発効させるために必要だと判断する適切な資格を備えた人物を、(その時々に応じて適宜決定される肩書きの下で)監督官に任命し、さらに本条により行われた任命を終了させることができる。

(2) 本条によりある人物を監督官に任命する場合、関連法規定によって監督官に委譲される権限のうち、任命された人物によって行使されるものを特定した法的文書を作成するものとする。さらに本条により任命される監督官には、以下が与えられるものとする。即ち、

(A) 特定された権限のみを行使する資格。及び、
(B) 任命した機関の責任範囲内においてのみ、特定された権限を行使する資格。

(3) 監督官を任命する法的文書において特定される、その権限行使の範囲は、監督官を任命する実施当局によって異なったものとすることができる。

(4) 関連法規定によって自らに委譲された権限を行使する、あるいは行使しようとする監督官は、その要求を受けた場合に、自らの任命文書、又は真正なものであることが証明されたその写しを提示するものとする。

監督官の権限

20. (1) 第19条及び本条の規定に基づき、全ての監督官は、自らを任命した実施当局の責任範囲内において関連法規定を発効させることを目的として、以下の項目(2)に述べられた権限を行使することができる。

(2) 上の項目に述べられた監督官の権限とは、以下の通りである。即ち、

(A) 上の項目(1)に言及された目的のために、立ち入るべき理由があると判断した施設に、妥当な時期に(あるいは危険であると、又は危険であり得ると随時判断された状況において)立ち入ること。
(B) 自らの義務を執行するに当たって、何らかの重大な支障があると懸念すべき妥当な理由がある場合に、警官を付き添わせること。
(C) 上記の規定を侵害することなく、上の規定(A)により、以下と共に施設に入ること。即ち、
(i) その(監督官の)実施権限により正当な権限を与えられた他の人物。及び、
(ii) 立ち入りの権限を行使するという目的に必要な何らかの機材又は物質。
(D) 何らかの状況において、上の項目(1)に言及された目的に必要な範囲で検査及び調査を行うこと。
(E) 立ち入る権限を有した施設について、上の規定(D)による検査又は調査を行うための妥当な範囲において、こうした施設、その一部、あるいはその中のものを散乱させない(全般的であるか個別的であるかを問わず)ように指示すること。
(F) 上の規定(D)による検査又は調査を行うために必要だと判断される範囲において、測定を行い、写真及び記録を取ること。
(G) 立ち入る権限を有した施設内で発見された物品又は物質及びこうした施設内あるいはその周辺の大気の標本を採取すること。
(H) 立ち入る権限を有した施設内で発見された物品又は物質が、安全衛生にすでに危険をもたらしているか、あるいはその可能性が高いと判断される物品又は物質である場合、これを取り外すか、何らかの処理又は試験に付すこと(但し上の項目(1)に言及された目的のために必要な状況でない限り、これに損害を与えたり破壊しない程度であること) 。
(I) 上の規定に言及されたような物品又は物質である場合、以下に述べる目的の全て又はその一部に必要な範囲において、これを保持し、留置すること。即ち、
(i) これを検査し、これに対して当該規定の下で行う権限のある全てを行うこと。
(ii) その検査が終了する以前に、これが改変されないようにすること。
(iii) 関連法規定の下での反則に関する訴訟、又は第21あるいは22条による通知に関する訴訟において、証拠として利用できるようにすること。
(J) 上の規定(D)による検査又は調査に関連した情報を提供できると信ずるに足る理由を備えた人物に対して、(監督官によって出席を指名された人物及び監督官が出席を許可した人物以外の居ない場所で)監督官が適切と判断する質問への返答及び返答の真実性についての宣誓の署名を求めること。
(K) 以下の提示、検査、複製又は記載の写しを求めること。即ち、
(i) 関連法規定により、保存が必要な書籍又は文書。及び、
(ii) 上の規定(D)による検査又は調査のために、監督官が目を通すことが必要な他の書籍又は文書。
(L) ある人物の管理下にあるか、その責任に関わりのある事項あるいは物について、監督官が本条により自らに委譲された権限を行使するために必要な範囲において、その便宜又は支援の供与を求めること。
(M) 上の項目(1)に述べられた目的のために必要なその他の権限。

(3) 所轄大臣は、規則により、上の項目(2)(G)による標本の採取において従うべき手順について規定を作成することができる(それにより採取された標本の取り扱いについての規定を含む) 。

(4) 施設内で発見された物品又は物質について、監督官が上の項目(2)(H)により委譲された権限の行使を提案する場合、その時点において当該施設内におり、これに責任を有する人物からの要請があれば、当該権力によって行われるべきことを当該人物の立ち会いの下に行うものとする。但し、当該人物の立ち会いの下にそれを行うことが国家の安全を侵害すると監督官が判断した場合を除く。

(5) 何らかの物品又は物質について上の項目(2)(H)により委譲された権限を行使する前に、監督官は当該権力の下で行うことを提案していることによって、どのような危険が生じるかを確認するために、自らが適切と判断する人物に諮問を行うものとする。

(6) 上の項目(2)(H)により委譲された権限により、監督官が施設内で発見された物品又は物質を保持する場合、当該物品又は物質を特定するのに十分な詳細と、当該権限の下でこれを保持する旨を述べた通知を責任ある人物に託すか、あるいはそれが不可能な場合には、目の付きやすい場所にこれを残しておくものとする。さらに当該権限によりこうした物質を保持する前に、監督官はそれが実行可能であるならば、その標本を採取し、それを特定するのに十分な記しを付けた標本の一部を施設内の責任ある人物に与えるものとする。

(7) 上の項目(2)(J)により課された要件に従ってある人物が行った返答は、訴訟において当該人物、あるいはその配偶者の意に反して証拠として採用されることはないものとする。

(8) 本章のいかなる条文も、高等法院の訴訟における開示命令、あるいはスコットランド民事上級裁判所の訴訟における文書提示命令による提示を、法曹特権に基づいて保留する権利を与えられた人物の文書について、その提出を強制するものとは解釈されないものとする。

改善通知書

21. ある人物について監督官が次のように判断する場合、即ち、

(A) 関連法規定の一つ又はそれ以上に違反しているか、又は、
(B) 当該違反が今後も継続するか、反復される可能性の高い状況において、こうした規定の一つ又はそれ以上にすでに違反している場合、

監督官は、自らがこうした判断に立っていることを述べ、こうした判断をもたらした規定を特定すると共に、こうした判断に至った理由の詳細を述べ、さらに当該人物に対してこうした違反、あるいは場合によってはそれを引き起こしている事項を、通知書に特定された期間内(第24条により通知への上訴を行うことができる期間以前に終了してはならない)、に回復することを求めた通知書(本章においては「改善通知書」と称する)を当該人物に送達することができる。

禁止通知書

22. (1) 本条は、ある人物により、あるいはその管理下で行われているか、又は行われようとしており、これに対して、又はこれに関して関連法規定が適用されるか、あるいはそのまま行われた場合、今後これが適用されることになる諸活動について適用される。
(2) 本条の適用される何らかの活動が、件の人物により、あるいはその管理下で行われているか、又は行われようとしており、こうした諸活動が重大な個人被害の危険をもたらすか、あるいは今後もたらすことがあり得ると監督官が判断した場合、監督官は当該人物に対して通知書(本章では「禁止通知書」と称する)を送達することができる。

(3) 禁止通知書では以下を行うものとする。即ち、

(A) 監督官が上述の判断に立っている旨を述べること。
(B) 上述の危険をもたらしているか、あるいは今後もたらす可能性があると監督官が判断している事項を特定すること。
(C) こうした事項が関連法規定に違反しているか、あるいは今後違反する可能性があると監督官が判断している場合、こうした判断をもたらした規定を特定すると共に、こうした判断に至った理由の詳細を述べること。
(D) 上記(B)に従って通知書に特定された事項及び上記(C)に従って特定されたこれに付随する規定違反がすでに回復されていない限りにおいて、当該通知書に関わる諸活動を、通知書が送達される人物が、あるいはその管理下において行わないように指示すること。

(4) 上記項目(3)(D)に従って与えられる指示は、重大な個人被害の危険がすでにあるか、あるいは今後差し迫っていると監督官が判断し、かつそれを述べた場合には直ちに発効するものとし、さらにそれ以外の場合には通知書に特定された期間の後に発効するものとする。

第21及び22条の補足的規定

23. (1) 本条における「通知書」とは、改善通知書あるいは禁止通知書を意味する。

(2) 通知書には、違反又は当該通知書に関わる事項を回復するために取るべき手段についての指示を含めることができる(但し強制ではない)。さらに指示について以下を行うことができる。即ち、

(A) 何らかの範囲において、公認実施準則を典拠として指示を作成すること。
(B) 通知書が送達される人物に対して、違反又は事項を回復する複数の方法について選択肢を与えるために指示を作成すること。

(3) 関連法規定が建物、あるいは建物に関わる事項について適用され、さらにこうした建物又は事項に関する当該規定の違反について監督官が改善通知書の送達を提案している場合、関連する建物が新規に建立されたものであれば、こうした建物又は事項を対象として差し当たって施行されている建築規則の要件の遵守に必要なもの以上に負担の重い、当該規定違反への回復手段をこうした通知書において指示してはならないものとする。但し、当該建物又は事項が遵守を求められている上述の建築規則の要件よりも、さらに負担の重い特定の要件をその規定が課している場合を除く。
この項目において「関連する建物」とは、建物の場合には当該建物を意味し、さらに建物に関連した事項の場合には、当該事項に関わる建物を意味する。

(4) 労働の場として用いられているか、あるいは用いられようとしている施設に関して、火災の際に当該施設に備えられているか、又は備えるべき避難方法について手段を講じることを求めるか、あるいはそうした結果となる可能性の高い通知書を監督官が送達する場合、監督官はそれに先立って消防当局に諮問を行うものとする。
この項目において「消防当局」とは、 1971年「火災予防法」 {1971c.40}の43(1)条に指定された意味を有する。

(5) 直ちに発効しない改善通知書又は禁止通知書が送達された場合、以下が可能となる。即ち、

(A) 第21条、あるいは第22(4)条に基づいて特定された期間の終了以前に、監督官は随時通知書を撤回することができる。
(B) 通知書への上訴が係属中でなければ、監督官は随時そこに特定された期間を延長するか、さらに延長することができる。

(6) 本条をスコットランドにおいて適用する場合には、以下とする。即ち、

(A) 項目(3)の文言を以下に代替する。即ち、
「関連法規定が建物、あるいは建物に関わる事項について適用され、さらにこうした建物又は事項に関する当該規定の違反について監督官が改善通知書の送達を提案している場合、以下の遵守に必要なもの以上に負担の重い、当該規定違反への回復手段をこうした通知書において指示してはならないものとする。即ち、

(A) 関連する建物が新規に建立されたものであれば、こうした建物又は事項を対象とした建築基準規則の諸規定。あるいは、
(B) 1959年(スコットランド)建築法 {1959 c.24} 第16条により、
(i) 当該建物又は事項を建築基準規定に従わせるための必要な措置の執行を求めた同法の第10条に基づく命令に関して、又は、
(ii) 当該建物又は事項をこうした規定に従わせることを求めた同法の第11条に基づく命令に関して、
 執行官への上訴が行われ、執行官が当該命令を変更した場合、命令の変更によって関係を有する上記規定(A)に言及された建築基準規則中の規定。
 但し上述の建築基準規定の要件、あるいは執行官が変更した命令の要件よりも、さらに負担の重い特定の要件を関連法規定が課している場合を除く。

(B) 項目(5)の後に、以下の項目を挿入する。即ち、

「(5A) 上の項目(3)における「建築基準規定」は、1959年(スコットランド)建築法の第3条におけるものと同じ意味を有する。」

改善通知書又は禁止通知書への上訴

24. (1) 本条において「通知書」とは、改善通知書又は禁止通知書を意味する。

(2) 通知書を送達された人物は、送達の日付を起点として別に定められた期間内に、産業裁判所に対して上訴を行うことができる。さらにこうした上訴について当該裁判所は通知書の破棄又は追認を行い、さらに追認を行う場合には、これを当初の形態のままとするか、あるいは裁判所が状況のために適切と判断する修正を加えることができる。

(3) 上の項目により認められた期間中に、本条に基づいて通知書への上訴が行われた場合、

(A) 改善通知書の場合には、上訴が最終的に決着するか、あるいは上訴が撤回されるならば、それが撤回されるまで、上訴の提出は通知書の措置を保留させる効力を持つものとする。
(B) 禁止通知書の場合には、上訴人の申請に基づいて裁判所がその旨を指示した場合のみ(したがって指示が与えられた場合のみ)上訴の提出は同様の効力を持つものとする。

(4) 本条により産業裁判所で行われる訴訟のために、一名あるいはそれ以上の裁判所補佐人を任命することができる。

切迫した危険原因に対処する権限

25. (1) 監督官が立ち入りの権限を有した施設内において発見した物品又は物質について、それが発見された状況のため、当該物品又は物質が重大な個人被害をもたらす切迫した危険原因になっていると判断するに足る妥当な理由がある場合、監督官はこれを押収し、(破壊又は他の方法により)無害化することができる。

(2) 本条に基づいて、

(A) 一連の同様の物品を構成している物品の一つ、又は
(B) 何らかの物質

を無害化するに先立って、監督官はそれが実行可能であるならば、その標本を採取し、それを特定するのに十分な記しを付けた標本の一部を、こうした物品又は物質を発見した施設内の責任ある人物に与えるものとする。

(3) 本条に基づいて物品又は物質が押収され、無害化された場合、監督官はその後速やかに当該物品又は物質が押収され、処理された状況の詳細について述べた報告書を作成し、これに署名すると共に、以下を行うものとする。即ち、

(A) 当該物品又は物質を発見した施設内の責任ある人物に、署名の入った報告書の写しを与える。
(B) 当該人物がこうした物品又は物質の所有者ではない場合には、署名の入った報告書の写しを所有者に対して送達する。

さらに、上記規定(B)について、監督官が妥当な照会を行っても所有者の氏名及び住所を明らかにできない場合は、上記規定により写しが与えられた人物に手渡すことにより、写しを送達することができる。

実施当局による監督官への補償権限

26. 関連法規定の執行、又は執行の意味を以て行われた行為について監督官に反する行動が取られ、しかも監督官が自らを任命した実施当局に対してその補償を求める法的な資格を与えられていない状況にある場合、申し立てられた行為が監督官の権限内にあり、さらに監督官としての義務によりそうした行為が求められ、あるいはその資格があったと監督官が誠実に考えていたことを当該機関が認めれば、監督官が支払いを命じられ、あるいは監督官に生じた損害、費用、支出の全て、あるいはその一部を、当該機関が監督官に対して補償することができる。

情報の取得と開示
「委員会」、「庁」、「実施当局」等による情報の取得

27. (1) 以下の情報を取得することを目的として、即ち、

(A) その職務を果たすために「委員会」が必要としている情報。あるいは、
(B) 機関としての職務を果たすために実施当局が必要としている情報。

「委員会」は、所轄大臣の同意を得た上で、通知書に特定された事項に関する情報を、特定された形式、方法、及び期間内に、「委員会」あるいは関係する実施当局に提出することを求めた通知書を何らかの人物に送達することができる。
この項目における「同意」には、一定の種類の事例に拡大される全般的な同意が含まれる。

(2) 1947年「貿易統計法」{1947c.39} の第9条(同法によって得られた情報開示の制限)におけるいかなる条文も、以下を妨害し、あるいは有罪とするものではないものとする。即ち、

(A) 同法が意味するところの企業について、その情報が、当該企業を営んでいる人物の氏名と住所、企業活動の性質、当該企業で働いている各種の人物の数、こうした企業活動が行われているか、あるいは行われていた住所又は場所、そこで行われていた活動の性質、あるいはその場所における企業で働いている、又は働いていた各種の人物の数であるならば、同法の下で得られた情報を閣内相が「委員会」又は「庁」に開示すること。
(B) 開示機関及び本文条に基づいて所轄大臣によって情報受領者に与えられる文書通知の中で得られた情報の種類が特定されているような情報を、「労働斡旋委員会」、「職業安定所」、及び「職業訓練所」が、「委員会」又は「庁」に開示すること。

(3) 上の項目において、閣内相、「委員会」 、「庁」 、「職業斡旋委員会」 、又は上述の他の機関と言う場合、そこには当該大臣又は機関の担当官がそれぞれ含まれ、さらに「委員会」と言う場合には、以下が含まれるものとする。即ち、

(A) 13(1)(A)条により、「委員会」又は「庁」に代わってその職務を遂行する人物。
(B) こうした職務を遂行している機関の担当官。
(C) 13(1)(D)に基づいて任命されたアドバイザー。

(4) 上の項目(2)により情報が開示される人物は、「委員会」あるいは「庁」の目的以外のために情報を用いてはならないものとする。

情報開示の制限

28. (1) この項目及び以下の二つの項目において、

(A) 「関連情報」とは、 27(1)条によりある人物が得た情報、又は関連法規定が課した要件に従ってある人物に提供された情報を意味する。
(B) 関連情報についての「受領者」とは、当該情報を得た人物、あるいは当該情報が提供された人物を意味する。

(2) 下の項目に基づき、いかなる関連情報も、それを提供した人物の同意を得ることなくして開示されないものとする。

(3) 上の項目は、以下には適用されないものとする。即ち、

(A) 「委員会」、「庁」、政府機関、 又は他の実施当局に対して情報を開示すること。
(B) 上の規定(A)を侵害することなく、関連法規定により、あるいはその下で、受領者に委譲された職務のために当該受領者がある人物に対して情報を開示すること。
(C) 上の規定(A)を侵害することなく、受領者が以下の人物に対して情報を開示すること。即ち、
(i) 地方当局によって受領の権限を与えられた当該当局の担当官。
(ii) 水道公社又は水源開発委員会によって受領の権限を与えられた当該機関又は委員会の担当官。
(iii) 河川浄化委員会によって受領の権限を与えられた当該委員会の担当官。
(C) 警察署長によって受領の権限を与えられた警察官。
(D) 個々の事例又は人物に関わるものであることを特定できないように計算された書式により、受領者が情報を開示すること。
(E) 法的訴訟、又は14(2)条により行われる調査又は審査を目的として、あるいはこうした訴訟又は審査の報告書を目的として、さらには14(2)条により作成された特別報告書を目的として、情報を開示すること。

(4) 上の項目において、「委員会」、「庁」、政府機関、 又は実施当局と言う場合、そこには当該機関又は当局の担当官(実施当局の場合には、これに任命された監督官を含む)のそれぞれが含まれ、さらに「委員会」と言う場合には、以下が含まれる。即ち、

(A) 13(1)(A)条により、「委員会」又は「庁」に代わってその職務を遂行する人物。
(B) こうした職務を遂行している機関の担当官。
(C) 13(1)(D)に基づいて任命されたアドバイザー。

(4) 上の項目(3)により情報が開示される人物は、以下の目的以外のために情報を用いてはならないものとする。即ち、

(A) 上の項目の規定(A)に該当する事例については、「委員会」、「庁」又は件の政府機関の目的、あるいは関連法規定に関する件の実施当局の目的。
(B) 地方当局、水道公社、河川浄化委員会、又は水資源開発委員会の担当官に与えられる情報については、関連法規定に関する当該当局又は委員会の目的、あるいは公衆衛生、公衆安全、又は環境保護に関する何らかの法規の目的。
(C) 警察官に与えられる情報については、関連法規定に関する警察の目的、あるいは公衆衛生、公衆安全、又は国家の安全に関する何らかの法規の目的。

(6) 上の項目(3)(C)及び(5)において、 1975年5月16日以前のスコットランドに適用される水道公社への言及は、地方水道委員会を指すものとして読むものとする。

(7) ある人物が、14(4)(A)条又は20条により自らに委譲された権限執行の結果として得た情報(特にこれには、こうした権限により立ち入った施設内で得られた取引上の秘密に関する情報が含まれる)は、以下を除いて開示できないものとする。即ち、

(A) その職務上の目的のため。
(B) 法的訴訟、又は14(2)条により行われる調査あるいは審査のため、あるいはこうした訴訟又は審査の報告書、さらには14(2)条により作成される特別報告書のため。
(C) 関連する合意の下で、
この項目において「関連する合意」とは、第20条により課された要件に従って提供される情報については、これを提供する人物の合意を意味し、それ以外についてはこうした情報が得られた施設について責任を有する人物の合意を意味する。

(8) 上の項目に述べられたことに反して、自らの安全衛生、福利厚生に関する事項について適切な情報を有した人物(又は人物の代表者)が雇用を失わないようにするためにそうすることが必要な状況においては、監督官は以下のような種類の情報を当該人物又は代表者に与えるものとする。即ち、

(A) 当該施設に関して、あるいはそこにあるか、そこにあったもの、又はそこで行われたか、おこなわれつつあるものに関して当該項目に言及されており、監督官が入手した事実に関する情報。
(B) 監督官がその職務の遂行において当該施設中で、あるいはこれに関連して取ったか、あるいは取ろうとしている行動についての情報。

さらに監督官が上述の行為を行う場合、前述の人物の事業者に対して同様の情報を与えるものとする。

農業に関する特別規定

関連する農業上の目的について農業担当相が有する一般的な職務

29. (1) 適切な農業相は以下の義務を負うものとする。即ち、

(A) 関連する農業上の目的のために自らが適切と判断することを行い、またそうした手配を行うこと。
(B) 事業者、従業員、事業者及び従業員の各代表組織及びこうした諸目的に関連した事項に関わりを有する人物が、こうした事項について常に情報を与えられ、諮問を受けられるように、自らが適切と判断する手配を行うこと。

(2) 農業・漁業・食料相は、関連法規定によるその行為について議会に年次報告書を提出するものとする。

農業安全衛生規則

30. (1) 本条による規定(本章では「農業安全衛生規則」と称する)は、関連する農業上の目的のために作成することができる。

(2) 農業安全衛生規則は、大ブリテン島に適用され、農業・漁業・食料大臣と所轄大臣が共同で作成する規定であるか、又はイングランドとウェールズのみに適用され上述の担当相によって作成される規定であるか、あるいはスコットランドのみに適用され、所轄大臣によって作成される規定とすることができる。

(3) 安全衛生規則が、農業の運営に関わる事項(但しそれのみに限らない)について、何らかの目的のための規定を作成する場合、

(A) こうした目的のための規定は、当該事項に関しては農業安全衛生規則によって作成、発効されず、前述の規定が実施されるものとする。但し農業安全衛生規則を作成する当局が、農業の運営という特殊な状況において必要又は適切であると判断する追加的な要件を、安全衛生規則の課する要件へと加えるといった目的は除く。
(B) 前述の規定と、当該事項に関して農業安全衛生規則により作成された規定との間に矛盾が生じた場合は、前述の規定が優先されるものとする。

(4) 15(2)から(10)条までの規定及び別表3は、農業安全衛生規則に関しても発効するが、安全衛生規則についての以下の修正に従った上で発効するものとする。即ち、

(A) 関連法規定又は既存の法規定に言及している場合、これらは農業に関する以下の規定を指すものとして読むものとする。即ち、
(B) 14(4)条の「委員会」への言及は、適切な農業相を指すものとして読むものとする。
(C) 15(6)及び(10)条及び別表3の第23文条における安全衛生規則への言及は、農業安全衛生規則を指すものとして読むものとする。

(5) 上の項目(1)の一般性を損なうことなく、関連法規定による、あるいはその下での農業免許について、農業安全衛生規則はこうした免許の交付、更新、変更、移転、又は取り消しの権限を有する当局に対して、以下の通知を求める規定を作成できる。即ち、

(A) こうした免許の交付、更新、変更、移転の申請者に対する、当局の申請拒否の決定案。
(B) こうした免許の保持者に対する、当該免許の取り消しを行い、あるいは当該免許を保持するに当たって従うべき、又はそれが基づいている期間、条件、及び制限を変更する当局の決定案。さらにこうした決定案によって被害を受ける人物が、当該規則によって別に定められた方法及び期間内に、関連当局又はその任命を受けた人物に対して申し立てを行うことができること。

(6) 本条が適用される別表3の規定2に従って作成された農業安全衛生規則について、上の項目(2)は、文言「大ブリテン島」の後に「又は連合王国」の文言が挿入されたものとして発効するものとする。

農業に関する関連法規定の実施

31. 第15、18、及び30条の規則により作成された規定に従い、適切な農業相は関連する農業上の目的のみに関わる事項に適用される関連法規定を実施するために、適切な手配を行うものとする。

農業に関する本章の規定の適用

32. (1) 各農業相又は関連する農業上の諸目的にのみ関わる事項に本章の一部の規定を適用するために、本条の以下の規定が発効するものとする。

(2) 以下の項目に基づき、

(A) 第13、14、17(3)、及び28条は、「委員会」について適用されるように、適切な農業相についても適用されるものとする。
(B) 第16条は、他の目的について適用されるように、関連する農業上の諸目的のみに関わる事項についても適用されるものとする。

(3) 本章の別表4の第一縦列に特定された規定は、上の項目に定められた適用において、同表第二縦列に定められた修正を条件として発効するものとする。

違反に関する諸規定

違反

33. (1) ある人物が以下を行うことは違反となる。即ち、

(A) 第2から7条により従うべき義務を果たさないこと。
(B) 第8又は9条に背くこと。
(C) 安全衛生規則、農業安全衛生規則、あるいはこうした規則により課される他の要件又は禁止事項への違背(当該規定により、あるいはその下で交付された免許、認可、免除、又は発行された他の権限に付随する条文条、条件、又は制限によって従うべき何らかの要件あるいは禁止事項を含む)。
(D) 第14条により、あるいはその下での規制により課された要件に背き、あるいは当条によって権限を行使している人物を意図的に妨害すること。
(E) 第20条又は25条により監督官が課す要件に背くこと。
(F) 他の人物が監督官の前に出頭し、あるいは20(2)条により監督官が返答を求める質問に当該人物が返答するのを妨害するか、あるいはそれを試みること。
(G) 改善通知書又は禁止通知書が課す要件又は禁止事項に背くこと。
(H) 監督官がその権限又は義務を行使又は遂行しようとするのを意図的に妨害すること。
(I) 27条の通告によって課せられた要件に違反すること。
(J) 27(4)条又は28条に背いた情報を利用したり、開示すること。
(K) 自らが偽りと知っている内規を行い、あるいは以下のような内規が成された場合に、それが偽りであるとの内規を無思慮によって行うこと。即ち、
(i) 関連する法規定により、あるいはその下で課される情報を提供するために、何らかの要件に従っていると称する内規。
(ii) 自ら又は他の人物のために、関連法規定による文書の発行を得ることを目的とした内規。
(L) 関連法規定によって、あるいはその下で保管、使用、提出が求められる帳簿、記録、通知書、又は他の文書に意図的に偽りの記入を行い、あるいは自らが偽りと知っているこうした記入を利用すること。
(M) 関連法規定により発行されるか、発行が許可され、あるいはその目的のために必要な文書を、何らかの意図により改竄、偽造、又は使用し、あるいは改竄が計画されたこうした文書にきわめて類似した文書を作成したり、所有すること。
(N) 偽って監督官と称すること。
(O) 第42条により法定が作成する命令に従わないこと。

(2) 上の項目の規定(D)、(F)、(H)、又は(N)への違反、あるいは第20条により監督官が課す要件に背いたことから構成される当該項目の規定(E)への違反により有罪の人物は、略式判決により最高400ポンドの罰金を課せられるものとする。

(3) 15(6)(D)条又は別表3の2(2)条により作成される規定に基づき、上の項目(1)の何らかの規定への違反、又は上の項目に該当しない項目1(E)への違反、あるいは他に罰則が特定されてない既存の法規定への違反により有罪となった人物は、以下を課せられるものとする。即ち、

(A) 略式判決により最高400ポンドの罰金。
(B) 正式起訴による判決の場合、
(i) この下位規定が適用される違反については、最高二年の拘留、又は罰金、あるいはその両方。
(ii) 上の下位規定が適用されない違反については、罰金。

(4) 上の項目(3)(B)(i)は、以下の違反について適用される。即ち、

(A) その実行には関連法規定の免許が求められることを、「庁」又は適切な農業相によって発行される免許の権限によらずに行い、関連法規定に背いたことから構成される違反。
(B) 上記規定に言及された免許に付随する条文条、条件、又は制限に背いたことから構成される違反。
(C) 関連法規定に背いて(関連法規定が意味するところの)爆発性の物品又は物質を取得、保持、又は使用し、あるいはこれを試みたことから構成される違反。
(D) 禁止通知書が課す要件に背いたことから構成される上の項目(1)(G)への違反。
(E) 上の項目(1)(J)への違反。

(5) ある人物が上の項目(1)(G)又は(O)による違反の有罪判決を受け、さらに判決後も判決の対象となった違背が継続している場合、当該人物は(42(3)条に基づき)累犯の罪を問われ、こうした違背が継続する一日につき最高50ポンドの罰金を課せられるものとする。

(6) イングランド及びウェールズについて、本条における「偽造」とは、 1913年「偽造法」 {1913c.27} におけるものと同じ意味を持つ。

略式訴訟を行うための期間の延長

34. (1) 以下に該当する場合、即ち、

(A) 本法の第14条が適用される事項に関する特別報告書が、当条の項目(2)(A)により作成されるか、又は
(B) 当条の項目(2)(B)により、こうした事項についての審査を行った人物が報告書を作成するか、又は
(C) 就労中に生じた事故、又は就労中に罹患したか、罹患した可能性のある疾病、又は就労中の人物に関連した何らかの事故、行為、又は怠慢によって起こったと考えられる人物の死亡について、検死が行われるか、又は
(D) こうした原因によるものと考えられる死亡について、1895年「死亡事故審査(スコットランド)法」{1895c.36} 、又は1906年「死亡事故及び突然死審査(スコットランド)法」{1906c.35} により公開審査が行われ、
 さらに当該報告書により、あるいは上記規定(C)又は(D)に該当する事例について、検死又は審査の記録により、当該報告書、検死、審査の内容にとって重要な意味のある時点において、関連法規定への違背があったと思われる場合、当該違背について訴えらるべき人物に対する略式訴訟は、当該報告書の作成から三ヶ月以内に、さらに上記規定(C)又は(D)に該当する事例については、当該検死又は審査の判定から三ヶ月以内に随時開始することができる。

(2) 関連法規定への違反が、こうした規定により、あるいはその下で定められた時期、又は期間内に何事かを行わないことにより犯される場合、当該違反はこうしたことが成されるまで継続すると見なされるものとする。

(3) この項目が適用される違反についての略式訴訟は、責任ある実施当局がこうした違反への訴追が可能だと判断するに足る証拠が、当該当局の知るところになった日付から六ヶ月以内に、随時開始することができる。さらにこの項目のため、以下とする。即ち、

(A) 特定の日付にこうした証拠を知ることになったことを述べた実施当局の証明書は、当該事実に関する最終的な証拠になるものとする。さらに、
(B) こうした証明書と称され、件の実施当局によって、又はその代理によって署名された文書は、そうでないことが証明されない限り、こうした証明書として扱われるものとする。

(4) 上の項目は、何かの設計者、製造者、輸入者、又は供給者として従うべき規定又は要件について、ある人物が犯した関連法規定への違反に適用される。さらにこの項目における「責任ある実施当局」とは、第35条又はそれ以外により、件の違反がその責任の範囲内にあるような実施当局を意味する。

(5) 上の項目(3)をスコットランドに適用する場合、

(A) 文言「責任ある実施当局が」から「知るところになった」までを、次の文言に置き換えるものとする。即ち、「こうした訴追の検討を目的として法務総裁への報告書の提出が可能だと実施当局が判断するに足るだけの証拠が、当該当局の知るところになった」
(B) 規定(B)の末尾に、以下の文言をつけ加えるものとする。 「さらに、
(C) 1954年「略式裁判(スコットランド)法」{1954c.48}の23(2)条(訴訟開始の日付)は、同条のために発効するものとする。」

違反の場所

35. 何らかの機械設備又は物質について、関連法規定への違反が犯された場合、当該違反を実施当局の責任範囲内とするか、あるいは当該違反に関する訴訟を維持する裁判権を裁判所に委譲するために必要であるならば、当該機械設備又は物質が差し当たって存在する場所において、こうした違反が犯されたものとして扱うことができる。

他の人物の過失による違反

36. (1) ある人物による関連法規定への違反が、他の人物の行為又は過失によって犯されたものである場合、この別の人物が違反の罪に問われるものとし、また最初の人物に対する訴訟が行われているかどうかに関わらず、この項目により当該人物に対しても違反の罪を問い、有罪を宣告することができる。

(2) 第33条が王権を拘束しないという状況以外において、同条への違反が王権によって犯されたか、又は犯されていると思われ、さらにこの事実が王権以外の人物の行為又は過失によるものである場合、こうした状況でなければ王権が犯したか、又は犯していると思われる違反について当該人物が罪を問われるものとし、それに応じて当該人物を告発し、有罪を宣告することができる。

(3) 本条の上の諸規定は、15(6)条により作成される規定に従う。

法人団体による違反

37. (1) 法人団体による関連法規定への違反が、法人団体の経営者、管理者、書記、又は他の同等の役員、あるいはこうした地位によって行動していると目される人物の同意又は黙認によって犯され、あるいはこれらの怠慢に起因するものであることが証明された場合、当該人物及び法人団体がこうした違反の罪を問われ、さらに訴追され、それに応じて罰せられるものとする。

(2) 法人団体の事業が複数の構成員によって経営されている場合、上の項目は、あたかも個々の構成員が当該法人団体の経営者であるかのように、その経営上の職務に応じた行為及び過失について適用されるものとする。

イングランド及びウェールズにおける訴訟行為の制限

38. イングランド及びウェールズにおいては、関連法規定の違反に関する訴訟は、監督官によって、あるいは公訴局長官により、又はその同意によってのみ行われるものとする。

監督官による訴追

39. (1) 監督官は、自らを任命した実施当局によってその代理となる権限を与えられている場合に、法廷弁護士又は事務弁護士としてではないが、関連法規定の違反を治安判事裁判所に訴追することができる。

(2) 本条はスコットランドには適用されないものとする。

実行可能なものの限界を証明する義務その他

40. 実行可能であるか、合理的な範囲において実行可能であることを行う義務又は要件、あるいは実行可能な最良の手段を用いる義務又は要件への不服従から構成される関連法規定の違反に関する訴訟においては、被告人は(その場合に応じて)当該義務又は要件を満たすために実際に行われたこと以外は実行不可能であったか、又は合理的に実行不可能であり、あるいは当該義務又は要件を満たすために実際に用いられた以上の最良の手段がなかったことを証明するものとする。

証拠

41. (1) 関連法規定によって帳簿又は他の記録への記入が求められている場合、こうした記入がこれを行った人物又はそれを委託した人物に反していたとしても、証拠としての許容性があるか、またスコットランドにおいてはそこに述べられた事実の十分な証拠となるものとする。

(2) 関連法規定を遵守するために必要な記入が行われていなかった場合、この事実は証拠として許容性があり、またスコットランドにおいては当該規定が遵守されなかったことの十分な証拠になるものとする。

違反の原因の回復、またある場合においては没収を命じる裁判所の権限

42. (1) 関連法規定の違反によりある人物が有罪を宣告され、それに関連した何らかの事項の回復を行わせる権限が自らにあると裁判所が判断した場合、裁判所は何らかの罰則に加えて、あるいはこれに代って、上述の事項の回復させるための命令に特定された手段を、当該命令に定められた期間内に行うよう当該人物に命じることができる。

(2) 上の項目(1)に定められた期間は、当初定められた期間、あるいは本条により延長された期間の終了以前に行われた申し立てに基づき、裁判所の命令によって延長するか、さらに延長することができる。

(3) 上の項目(1)によりある人物が何らかの事項の回復を命じられた場合、こうした命令に特定された期間中、あるいは上の項目(2)で認められた延長期間中にわたって当該事項が継続している限り、当該人物は当該事項に関して関連法規定の下で責任を負わないものとする。

(4) 以下の項目を条件として、33(4)(C)条に言及された爆発性の物品又は物質について同条に言及されている違反を犯した人物に有罪の宣告を行った裁判所は、件の物品又は物質を没収し、さらに裁判所が命じる方法でこれを破壊するか、又は処理する命令を出すことができる。

(5) 上の項目により何らかの没収命令を出されたものについて、その所有者であるか、又はそれに利害があると主張する人物が当該裁判所への申し立てを行った場合、命令を出すべきでない理由を当該人物が表明するための機会を与えない限り、当該裁判所はこうした命令を出せないものとする。

財務上の規定
43. (1) 所轄大臣は、大蔵省によって承認され、さらに「委員会」にその職務を遂行させるために自らが適切と判断する金額を、「委員会」に対して支払う義務を負うものとする。さらに「委員会」は、「庁」にその職務を遂行させるために自らが適切と判断する金額を「庁」に対して支払う義務を負うものとする。

(2) この項目の適用される当局が、関連法規定により、あるいはその下で委譲された職務を自らが、又はその代理によって遂行した場合、これに対して、又はこれに関連して支払うべき金額を設定、又は決定するために規定によりこうした手数料を定めることができる。

(3) 上の項目(2)は以下に対して適用される。即ち、「委員会」、「庁」、所轄大臣、農業・漁業・食料相、各実施当局及び関連法規定により、あるいはその下で何らかの職務を委譲された他の人物。

(4) 本条による規定は、当該規定の下で手数料を支払うべき人物を特定することができる。但し以下の立場の人物には、こうした手数料の支払いができないものとする。即ち、従業員、求職中の人物、職業訓練中の人物、及び求職のため職業訓練を求めている人物。

(5) 82(3)条を侵害することなく、本条による規定は異なった職務の各種の手数料について、あるいは同一の職務の異なった状況における各種を設定、又は決定することができる。

(6) 本条により規定を作成する権限は、以下の人物によって執行されるものとする。即ち、

(A) 専ら農業の運営にのみ関わらない事項の職務については、所轄大臣、
(B) 関連する農業上の目的のみに関わる事項の職務については、適切な農業当局。

(7) 上の項目(6)(B)に該当する職務についての本条の規定は、大ブリテン島に適用され、農業・漁業・食料大臣と所轄大臣が共同で作成する規定であるか、又はイングランドとウェールズのみに適用され上述の担当相によって作成される規定であるか、あるいはスコットランドのみに適用され、所轄大臣によって作成される規定とすることができる。さらに上の項目(6)(B)における「適切な農業当局」も、これに従って解釈されるものとする。

(8) 上の項目(4)における職業訓練中の人物及び求職のため職業訓練を求めている人物の中には、1973年「雇用及び職業訓練法」{1973c.50} により提供される産業リハビリテーション・コースに参加している人物及びこうしたコースへの参加を求めている人物の各々が含まれるものとする。

(9) 本条のため、監督官によるその職務の遂行は、関連法規定により、あるいはその下で自らに委譲された職務を当該監督官に割り当てた実施当局による行為として扱うものとする。

雑及び補遺

関連法規定における免許交付規定に関する上訴

44. (1) 関連法規定により免許(農業免許及び原子力用地免許を除く)交付の権限を有している当局が以下の決定を行い、ある人物に対して被害を与える場合、即ち、

(A) 当該人物への免許の交付、当該人物が保持している免許の更新、又は他の人物が保持している免許の当該人物への移転の拒否。
(B) 当該人物に被害を与えるような何らかの条文条、条件、又は制限の下での、あるいはこれを前提とした当該人物への免許の交付。
(C) 当該人物による免許保持の条文条、条件、又は制限の変更、又は変更の拒否。
(D) 当該人物が保持する免許の取り消し。

当該人物は所轄大臣に上訴することができる。

(2) 所轄大臣は、何らかの性質の問題が生じると思われ、そうすることが適切だと判断した場合、自らが任命する代理人が本条に基づく上訴の判定を行うよう指示することができる。

(3) 上訴の判定を行うに先立って、所轄大臣は、上訴人及びその決定に対して上訴が行われた当局に対して、出頭した上で当該上訴に関する聴聞が開かれるのを希望するかどうかを尋ねるものとする。さらに、

(A) 出頭した上で上述のような聴聞が行われるのを、両当事者とも希望しない場合には、上訴を判定することができる。
(B) 出頭した上で聴聞が行われるのを、両当事者のいずれかが希望した場合、所轄大臣はこれを行う機会を両者に与えるものとする。

(4) 1971年「法廷及び審査法」{1971c.62} は、所轄大臣によって行われる法定審査にこれが適用されるように、上訴を判定するために上の項目(2)に従って任命された人物によって行われる聴聞に対しても適用されるものとする。但し同法の12(1)条(決定理由の内規)における、所轄大臣によって取られた決定の中には、あたかも当該人物がその代理として行った決定が含まれるかのように解釈されるものとする。

(5) 本条により所轄大臣に代わって上訴の判定を行う人物が、こうした上訴の判定を行うのであれば、その決定を発効させるために自らが適切と判断する指示を与えることができる。

(6) 本条により所轄大臣に代わって聴聞及び上訴の決定を行うよう任命された人物に対して、所轄大臣は公務相の承認を得た上で自らが決定する報酬及び手当を支払うことができる。

(7) 本条において、

(A) 「免許」とは、農業免許及び原子力用地免許を除いた関連法規定による免許を意味する。
(B) 「原子力用地免許」とは、以下の項目が意味する範囲内で、原子力施設の設置又は運用目的で用地を用いるための免許を意味する。

(8) 上の項目のため、「原子力」施設とは以下を意味する。即ち、

(A) 原子炉(水、陸、空を問わず輸送手段に含まれる原子炉を除く) 。又は、
(B) 本規定又は1965年「原子力施設法」{1965c.57} の1(1)(B)条を目的として別に定められた分類又は種類の他の施設で、以下のために設計又は応用されたもの。即ち、(i) 核エネルギーの製造又は使用
(ii) 核エネルギーの製造又は使用を準備するか、又はこれに付随し、イオン化放射能の排出に関わるか、又はこれが可能な過程の遂行。
(iii) 核燃料、あるいは核燃料の製造又は使用の過程によって産出又は放射された大量の他の放射性物質の貯蔵、加工、又は処理。

さらにこの項目において、
「核エネルギー」とは、1946年「核エネルギー法」{1946c.80} で指定された意味を持つ。「原子炉」とは、中性子源を追加することなく管理された連鎖反応を維持できるような核分裂過程による、核エネルギーの製造を目的とした、あるいはそのために応用された機械設備(土地に付属しているか否かを問わず、機械類、設備、又は装置を含む)を意味する。

職務不履行に関する権限

45. (1) 地方当局が実施当局である場合に、当該当局がその実施上の職務の遂行を怠ったかどうかについて調査を行うべきだと「委員会」が判断するのであれば、「委員会」は所轄大臣に対して報告書を作成することができる。

(2) 所轄大臣は、上の項目により提出された報告書を検討した後、地方審査を開催することができる。さらに地方審査に関する1972年「地方自治体法」 {1972c.70} 第250条の項目(2)から(5)の規定は、同条の項目(1)の一般性を損なうことなく、同条に従って開催される地方審査に適用されるように、地方審査に対しても適用されるものとする。

(3) 所轄大臣が、当該事項に関して地方審査を開催した後、当該地方当局がその実施上の何らかの職務の遂行を怠ったことに納得した場合、当該当局の職務不履行を宣言した命令を出すことができる。

(4) 上の項目により当局の職務不履行を宣言した命令は、当該不履行の回復のために、当該当局 (以後本条では「不履行当局」と称する) に対して、命令に特定された実施上の機能を特定された方法により遂行させるための指示を出し、さらに当該不履行当局がこうした実施上の職務を遂行するための時期又は期間を特定することができる。

(5) 不履行当局がこうした命令に含まれている指示に従わなかった場合、所轄大臣は職務執行令状によって命令を実施する代わりに、当該不履行当局の実施上の職務のうち適切と判断するものを「庁」に移転する命令を作成することができる。

(6) 上の項目により不履行当局の実施上の職務が移転された場合、当該職務を遂行するに当たって生じたと「庁」が認定する金額は、その請求に応じて不履行当局によって支払われるものとする。

(7) 本条により移転された実施上の職務について、上の項目に基づいて不履行当局がその支払いを求められた支出は、あたかもこうした実施上の職務が移転されず、当該支出がこれを遂行すべき当局によって生じたかのように、当該当局によって支払われ、その会計の借方となるものとする。

(8) 不履行当局がこうした支出の支払いを求められた場合、当該当局はこうした実施上の職務を実際に遂行していたときの支出の支払いのために要したのと同じ権限により、こうした支出の資金を調達するものとする。

(9) 上の項目(5)により不履行当局の実施上の職務を移転する命令においては、所轄大臣が適切と判断する当該当局の権利、責任、及び義務を「庁」に移転するための規定を設けることができる。さらにこうした命令を撤回する場合、所轄大臣は、移転された実施上の職務に関して「庁」が保持している権利、責任、義務について適切と判断する規定を、当該撤回命令又はそれ以後の命令によって作成することができる。

(10) 所轄大臣は、本条により以前自らが作成した命令を、命令により修正又は撤回することができる。

(ll) 本条において地方当局に関する「実施上の職務」とは、実施当局としての当該当局の職務を指す。

(12) 本条をスコットランドに適用する場合、

(A) 項目(2)における文言「1972年「地方自治体法」 {1972c.70} 第250条の項目(2)から(5)」を、「1973年「地方自治体(スコットランド)法」{1973c.65} 第210条の項目(2)から(8)」に置き換えるものとする。但し1975年5月16日以前は、前述の文言を「1947年「地方自治体(スコットランド)法」{1947c.43} 第355条の項目(2)から(9)」に置き換えるものとする。

項目(5)の文言「職務執行令状によって命令を実施する代わりに」を削除するものとする。

通知書の送達

46. (1) 関連法規定により監督官に送達し、又は手渡すことを求められるか、又はその権限を与えられている通知書は、監督官の事務所に郵送するか、配送し、あるいはそこに残すことで送達し、又は手渡すことができる。

(2) 監督官以外の人物に対して送達し、又は手渡すことが求められ、又はその権限が与えられている通知書は、当該人物の固有の住所に配送するかそこに残しておき、又は当該住所に郵送することで送達し、又は手渡すことかできる。

(3)こうした通知書は、

(A) 法人団体の場合、当該団体の秘書又は事務員に送達するか、手渡すことができる。
(B) 共同経営の場合、こうした共同経営者か、又は当該共同経営事業の管理又は経営を行っている人物、スコットランドの場合では会社の管理又は経営を行っている人物に送達するか、手渡すことができる。

(4) 本条及び1889年「解釈法」{1889c.63} 第26条(郵便による文書の送達)の本条への適用のため、こうした通知書が手渡され、又は送達される人物の固有の住所とは、当該人物について知られている最新の住所とする。但し、

(A) 法人団体又はその秘書あるいは事務員の場合、当該団体の登記事務所又は本社の住所とする。
(B) 共同経営又は共同経営事業を管理あるいは経営している人物の場合、当該共同経営の本社とする。

さらに本項目のため、連合王国外で登記されている会社の本社、あるいは連合王国外で事業を営んでいる共同経営の本社は、連合王国内におけるその本社とする。

(5) こうした通知を手渡すか、又は送達すべき人物が、上の項目(4)の意味において自ら又はその代理が当該通知書を受け取る住所以外の連合王国内の住所を特定している場合、本項目及び1889年「解釈法」{1889c.63} の第26条のため、当該住所を当該人物の固有の住所として扱うものとする。

(6) 本条の他の規定を損なうことなく、何らかの施設の所有者又は占有者(法人団体であるか否かを問わず)に対して手渡すか、送達することが求められ、あるいはそれが許可されている通知書は、こうした施設の当該人物に郵送するか、あるいは通知書を手渡し又は送達すべき人物を宛名として、こうした施設内の居住者又は従業員であるか、あるいはそうであると判断される責任ある人物にこれを手渡すことによって、手渡すか、あるいは送達することができる。

(7) 上述のように通知書を手渡すか、送達すべき施設の所有者、又は占有者の氏名又は住所を、妥当な照会を行っても明らかにできない場合、当該通知書に関する施設の「所有者」又は「占有者」に当てはまる人物(どれに当てはまるかを述べた上で)を宛名として、当該施設の居住者又は従業員であるか、あるいはそうであると判断される責任ある人物にこれを手渡すか、又は手渡すべきこうした人物が存在しない場合には、当該施設の目立つ場所に通知書又はその写しを添付することによって、手渡すか、あるいは送達することができる。

(8) 本条の上の規定は、通知書について適用されるように、何らかの文書を送付し、又は手渡す場合についても適用されるものとする。

民事上の責任

47. (1) 本章のいかなる条文も、以下のようには解釈されなものとする。即ち、

(A) 第(2)条から(7)条によって課される義務の不履行に関する、あるいは第(8)条の違背に関する民事訴訟を提訴する権利を委譲するものとして。又は、
(B) 既存の法規定が課する義務への背任について、その提訴可能な範囲に関わるものとして。
(C) 1965年「原子力施設法」{1965c.57} 第12条(本法の一部の規定による補償の権利)の運用に関わるものとして。

(2) 安全衛生規則又は農業安全衛生規則が課す義務への背任は、それが損害をもたらした限りにおいて、規定が別に定めていない限り提訴可能とする。

(3) 15(6)(B)条のいかなる規定も、それが上の項目(2)によって行われたか否かを問わず、民事訴訟において抗弁を与えるものではないものとする。但し上の項目(2)において課された義務については、安全衛生規則又は農業安全衛生規則は、こうした義務への背任に関する訴訟において当該規定に特定された抗弁を用いることができる。

(4) の項目(1)(A)及び(2)は、本法の諸規定を離れて存在する何らかの訴訟権を侵害するものではなく、さらに上の項目(3)はそこに言及された規則上の規定を離れて行われる可能性のある何らかの抗弁を侵害するものではない。

(5) 上の項目(2)の運用、あるいは当該項目により生じる責任を除外するか、又は制限する意味を有した何らかの契約条文条は、安全衛生規則、あるいは農業安全衛生規則が別に定めていない限り、無効であるものとする。

(6) 本条において「損害」とは、ある人物の死亡、又は(疾病及び精神・身体的状態の毀損を含めた)傷害を意味する。

王権の適用

48. (1) 本条の規定を条件として、第21条から25条、第33条から42条を除いた本章の規定及び本章の下で作成された規定は王権を拘束するものとする。

(2) 第33条から42条は王権を拘束しないものの、これらは他の人物に適用されるように、王権の公職に就いている人物に適用されるものとする。

(3) 本章及びその下で作成された規定のため、王権に仕えている人物は、この項目を離れた場合にそう扱われるかどうかを問わず、王権の従業員として扱われるものとする。

(4) 15(5)条を侵害することなく、所轄大臣は国家の安全に関わる利益のために、あるいは合法的に拘留された人物の安全な保護のためにそうすることが必要又は適切だと判断する範囲において、上の項目(1)により王権を拘束することになる本章の規定の全て、又はその一部から、王権を全般的に、あるいはその個々の側面について、命令により免除することができる。

(5) 本条により命令を作成する権限は法定文書により行使が可能になるものとし、またこうした命令はそれ以後の命令によって修正又は撤回することができる。

(6) 本条のいかなる条文も、女王陛下の私的な立場に対する提訴を認めるものではなく、またこの項目はあたかも1947年「王権訴訟法」{1947c.44} 38(3)条(同法における私的な立場の女王陛下への言及の解釈)が本法に含まれているかのように解釈されるものとする。

メートル法単位、又は適切なメートル法単位への法規の修正

49. (1) 適切な閣僚は、規定により以下のような修正を行うことができる。即ち、

(A) 関連法規定、又は
(B) 本章の一般的な目的に関連した何らかの事項についての法規の規定であるが、関連法規定に含まれていないもの、又は
(C) 上記規定に言及された法規により作成されたか、又はその下で発効する法的文書の規定について、
 メートル法単位で表記されていない数量をこうした表記に置き換えるか、あるいは規定中の異なった種類のメートル法単位で表記された数量を、特定された種類のメートル法単位の表記に置き換えること。

(2) こうした修正は、言及された規定の効力を保つように行われるものとするが、便利かつ適切な数量表記を得るために必要だと適切な閣僚が判断する範囲に応じてこれを免除する。

(3) この項目により適切な閣僚が作成する規定は、それが上の項目(1)の規定(A)から(C)に該当する規定であり、またそこにメートル法以外の単位を指す言葉が用いられている場合には、こうした言葉を削除しても当該規定の効力が変わらないと適切な閣僚が判断するのであれば、こうした言葉を取り消すことができる。

(4) 本条における適切な閣僚とは、

(A) 農業上の運営にのみ関わるものではない規定については、所轄大臣を意味する。
(B) 大ブリテン島又は連合王国に適用される関連する農業上の目的にのみ関わる規定については、各農業担当相を意味する。
(C) イングランド及びウェールズにのみ適用されるこうした規定については、農業・漁業・食料相を意味する。
(D) スコットランドのみに適用されるこうした規定については、所轄大臣を意味する。

関連法規定の下での規定

50. (1) 以下の項目(5)を条件として、関連法規定により所轄大臣に委譲される規定作成の権限は、「委員会」によって提出された規定作成の提案を (修正又は無修正で) 当該権限により自らが発効させるために、あるいはこうした提案とは無関係に行使することができるが、提案とは無関係にこうした規定の下で規則を作成する場合には、所轄大臣はこれに先立って「委員会」及び自らが適切と判断する他の機関に諮問を行うものとする。

(2) 所轄大臣が上の項目に言及されている提案を修正して発効させるために、そこに言及されている権限の行使を提案する場合、所轄大臣はこうした規定を作成するに先立って「委員会」に諮問を行うものとする。

(3) 「委員会」が上の項目(1)に言及された提案を所轄大臣に提出する場合、43(2)条による規定作成の提案を除いて、これに先立って以下に対して諮問を行うものとする。即ち、

(A) 他の政府機関、又は「委員会」が適切と判断する他の機関(及び特に18(2)条による規定作成の提案については、適切と判断される地方当局の代表機関。さらに電子・電磁的放射に関する規定作成の提案については、「国家放射線保護委員会」)。
(B) 提案で扱われる他の事項については、所轄大臣が与える指示により本条の下で「委員会」が諮問を求められる政府機関、及び他の機関。

(4) 農業・漁業・食料相及び所轄大臣、あるいはそのいずれかが、関連法規定により規定の作成を提案する場合、こうした規定を作成するに先立って「委員会」及び自らが適切と判断する他の機関に諮問を行うものとする。

(5) 上の項目(1)から(3)は、所轄大臣が農業・漁業・食料相と共同で大ブリテン島に対して行使することのできる規定作成の権限については適用されないものとする。

家内雇用に対する適用の除外

51. 本章のいかなる条文も、ある人物が私的な家庭における家内使用人として別の人物を雇用しているか、又は自らが雇用されているという理由によってのみ、こうした人物に適用されることはないものとする。

労働及び就労中の意味

52. (1) 本章のため、

(A) 「労働」とは、従業員又は自営業者の労働を意味する。
(B) 従業員は、その雇用が遂行されている全ての時間について就労中であるが、それ以外についてはそうでない。
(C) 自営業者は、自営業者として労働に従事している全ての時間について就労中である。
及び、以下の項目を条件として、「労働」及び「就労中」という表現はいかなる文脈においても、これに応じて解釈されるものとする。

(2) この項目の下で作成される規定は、以下を行うことができる。即ち、

(A) 本章の目的のために「労働」及び「就労中」の意味を拡張すること。
(B) これと関連して、規定に特定された改修に応じて発効するような関連法規定を定めること。
(3) 上の項目(2)の下で規定を作成する権限は、以下のように行使できるものとする。即ち、

(A) 農業上の運営のみに関わらない活動については、所轄大臣により。
(B) 関連する農業上の目的のみに関わる活動については、適切な農業当局により。

(4) 上の項目(3)(B)に該当する活動についての上の項目(2)による規定は、大ブリテン島に適用され、農業・漁業・食料大臣と所轄大臣が共同で作成する規定であるか、又はイングランドとウェールズのみに適用され上述の担当相によって作成される規定であるか、あるいはスコットランドのみに適用され、所轄大臣によって作成される規定とすることができる。さらに上の項目(3)(B)における「適切な農業当局」も、これに従って解釈されるものとする。

第一章の一般的な解釈

53. (1) 本章においては、文脈により他の解釈が求められない限り、

以下の項目(3)を条件として、「農業」には園芸、果樹栽培、種子栽培、酪農、牧畜及び畜産(屠殺又は大ブリテン島外への輸出に至るまでの家畜の管理を含む)、林業、牧草地としての土地の利用、放牧地、ヤナギ畑、市場向け農園、養殖場及び農業利用のための土地の準備が含まれる。さらに「農業上」という言葉もこれに従って解釈されるものとする。

「各農業相」とは、農業・漁業・食料相及び所轄大臣を意味し、さらに各農業相によって行われるべきものについては、これら閣僚による共同行為を意味する。

「農業安全衛生規則」は、30(1)条に指定された意味を有する。

「農業免許」とは、関連法規定の下での各農業相、又はそのいずれかによる免許を意味する。

「農業上の運営」には、取引、事業、又は企業(営利又は非営利を問わず)の途上において遂行されるもの以外は含まれないが、以下の項目(2)を条件として、こうした取引、事業、又は企業の途上において遂行される農業に付随する運営を含む。

「適切な農業相」は、イングランド及びウェールズに適用される関連法規定については農業・漁業・食料相を意味し、スコットランドに適用されるこうした規定については所轄大臣を意味する。

「労働に用いられる物品」とは、以下を意味する。即ち、

(A) 就労中の人物による使用又は操作(専用であるか否かを問わず)のために設計された機械設備。及び、
(B) こうした機械設備の部品として使用するために設計された物品。
「実施準則」には(16(8)条を侵害することなく)、実際的な指針に関する標準、仕様、及び他の文書形態が含まれる。

「委員会」は、10(2)条に指定された意味を有する。

「条件付き販売契約」とは、その下での購入価格又はその一部を分割で支払うことができる財の販売協定を意味し、分割払い又は当該契約に別に特定された支払いの条件が満たされるまで(たとえ買い手が財を保有することになっても) 、当該財の所有権は売り手の側にとどまる。

「雇用契約」とは、雇用又は見習いの契約を意味する(明示的であるか暗黙的であるかを問わず、また明示的な場合には口頭であるか文書であるかを問わない) 。

「信用販売契約」とは財の販売に関する契約のうち、その下での購入価格又はその一部を分割で支払うことができるが、条件付き販売契約ではないものを意味する。

「居住用施設」とは、私的な住居として使用されている施設を意味し(庭、裏庭、車庫、離れ、又は複数の住居の居住者によって共同で利用されていない他の付属物を含む)、「非居住用施設」もこれに従って解釈されるものとする。

「従業員」は、雇用契約の下で働いている個人を意味し、関連する表現もこれに従って解釈されるものとする。

「実施当局」は、18(7)条で指定された意味を有する。

「庁」は、10(5)条で指定された意味を有する。

「既存の法規定」は、それらが施行されている間の範囲に応じて、以下の規定を意味する。即ち、別表1の第3縦列に特定された当該別表中の法律の規定及びそのように特定された規定の下で作成されたか、又は発効している規定、命令、あるいは法律的な性格を備えた他の法的文書の規定。

「林業」には以下が含まれる。即ち、

(A) 樹木の伐採、及びそれが育った森林での樹木の抽出及び一時的な転換。
(B) 他の農業上の目的に付随する土地利用としての森林地の利用。

「本章の一般的な目的」は、第1条に指定された意味を有する。

「安全衛生規則」は、15(1)条に指定された意味を有する。

「分割払い購入契約」とは、条件付き販売契約以外のうち、以下であるような契約を意味する。即ち、

(A) 財を委託又は(スコットランドにおいて)貸し出した人物に対して、これらを委託され、あるいは貸与された人物がその見返りとして定期的な支払いを行うもの。
(B) 契約の条文条が満たされ、さらに以下のうち、一つ以上が起こった場合に財の所有権が当該人物に移るもの。即ち、
(i) 当該人物による購入オプションの行使。
(ii) 契約のいずれかの当事者による他に特定された行為の遂行。
(iii) 他の何らかの出来事の出来。また「分割払い」も、これに従って解釈されるものとする。

「改善通知書」は、第21条の下での通知書を意味する。

「監督官」は、第19条により任命された監督官を意味する。

「家畜」には、食料、羊毛、皮、毛皮の生産のために、あるいは何らかの農業活動の遂行に利用するために飼われている動物を意味する。

「地方当局」は、以下を意味する。即ち、

(A) イングランド及びウェールズについては、州議会、大ロンドン議会、郡議会、ロンドン自治区議会、ロンドン市議会、イナー・テンプルの支金庫、ミドル・テンプルの分金庫。
(B) スコットランドについては、地方、島嶼、又は郡議会。但し1975年5月16日以前は町議会又は郡議会。

「沖合いの施設」とは、水面下の鉱物資源の開発、又はこうした開発のための探査を目的とした施設を意味する。

「個人被害」には、疾病及びある人物の身体・精神的な毀損が含まれる。

「機械設備」には、機械類、設備、又は器具が含まれる。

「施設」には、何らかの場所及び以下が含まれる。即ち、

(A) 車輌、船舶、航空機、又はホバークラフト。
(B) 土地(沖合い、及び間欠的に水面に覆われる土地を含む)の上の何らかの施設、沖合いの施設、及び他の施設(漂流しているか、海底又はその下の土壌に固定されているか、あるいは水面に覆われた他の土地、又はその下の土壌に固定されているかを問わない) 。及び、
(C) テント又は可動構造物。

「別に定められた」とは、所轄大臣によって作成された規定によって別に定められていることを意味する。

「禁止通知書」とは、第22条の下での通知書を意味する。

「関連する農業上の目的」とは、以下の諸目的を意味する。即ち、

(A) 農業の運営に従事する人物の就労中の安全衛生、及び福利厚生を確保すること。
(B) これに従事している就労中の人物の活動によって、あるいはそれに関連して生ずる安全衛生への危険から、これに従事していない人々を保護すること。

さらに上記規定(B)において言及されている危険とは、 1(3)条に従って解釈されるものとする。

「関連法規定」とは、以下を意味する。即ち、

(A) 本章、安全衛生規則、農業安全衛生規則の諸規定。及び、
(B) 既存の法規定。

「自営業者」とは、自らが他の人物を雇用しているか否かを問わず、雇用契約以外による利得又は報酬のために働いている個人を意味する。

「物質」とは、液体又は固体であるか、あるいは気体又はガスであるかを問わず、自然又は人工の物質を意味する。

「労働に用いられる物質」とは、就労中の人物による使用(専一的であるか否かを問わず)を目的とした物質を意味する。

「供給」とは、それが物質又は物品の供給を指している場合には、本人であるか代理人であるかを問わず、販売、リース、貸与、又は分割払いよってこれらを供給することを意味する。

(2) 上の項目の「農業上の運営」の定義において、個々の事例が農業に付随する運営であるかどうかを決定するために、当該の運営の重要性、それが遂行されている規模及び他の全ての関連状況を考慮すべきであるとする。

(3) 本章の意味における農業に該当するか否かが特定された何らかの活動又は運営を、本章の目的のために農業に該当しないか、あるいはこれに該当するものとして扱うべく指示した命令により、こうした規定を作成することができる。

(4) 上の項目(3)による命令は、大ブリテン島に適用され、農業・漁業・食料大臣と所轄大臣が共同で作成する規定であるか、又はイングランドとウェールズのみに適用され上述の担当相によって作成される規定であるか、あるいはスコットランドのみに適用され、所轄大臣によって作成される規定とすることができる。

(5) 上の項目(3)による命令は、当該命令を作成した当局による、それ以後の命令によって修正又は撤回することができる。

(6) 上の項目(3)による命令の作成権限は、上下両院のいずれかの議決による取り消しに従い、法定文書により実施可能になるものとする。

シリー諸島(Isles of Scilly)への第一章の適用

54. 本章をシリー諸島に適用するに際しては、あたかも当該諸島が地方自治区であり、当該諸島の議会が地方当局であるかのようにして適用されるものとする。