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アメリカOSHA規則パート1910労働安全衛生規則

目次

サブパートI 個人用保護具

1910.132 一般規定

1910.132(a)

適用:吸収、吸入、または物理的な接触を通じ、身体のいずれかの部分の機能に傷害または損傷を生じさせる工程上または環境上の危険、また化学物質による危険や放射線による危険、あるいは機械的刺激、そうしたものの存在のために必要がある場合は必ず、眼、顔面、頭部および四肢用の個人用保護具、防護服、呼吸用保護具を含む保護機器、および防護シールドとバリアが、提供され、使用され、衛生的で信頼できる状態で維持されなければならない。

1910.132(b)

労働者所有の装置 労働者が自己の所有する保護具を提供する場合、事業者は、その装置機器の正しい保守を含め、その適格性と衛生の確保に責任を持たなければならない。

1910.132(c)

デザイン  すべての個人用保護具は、安全なデザインと構造のもので、行なう作業に適しているものでなければならない。

1910.132(d)

危険度評価および装置の選定  事業者は作業場を評価して、危険が存在するか、または危険が存在する可能性があるか、を決定しなければならない。その判断により、個人用保護具(PPE)の使用が必要になる。そうした危険が存在する場合、または存在する可能性がある場合、事業者は次のことを行わなければならない。

1910.132(d)(1)(i)

危険度評価により特定された危険から、影響を受ける労働者を保護する個人用保護具の型を選定し、影響を受けるそれぞれの労働者に使用させなければならない。

1910.132(d)(1)(ii)

選定の決定を、影響を受けるそれぞれの労働者に伝えなければならない。

1910.132(d)(1)(iii)

影響を受けるそれぞれの労働者にきちんと合う個人用保護具を選定しなければならない。 注:非強制適用補遺Bは、危険度評価の規定に適合する手順の例を示している。

1910.132(d)(2)

事業者は、必要とされる作業場の危険度評価が実施されたことを、証明書の形で証明しなくてはならない。この証明書には、評価された作業場、評価が実施されたことを証明する者、危険度の評価が行われた日、およびその書類が危険度評価の証明書であることを明記する。

1910.132(e)

不良および損傷を受けた機器  不良品または損傷を受けた個人用保護具を使用してはならない。

1910.132(f)

訓練

1910.132(f)(1)

事業者は、個人用保護具の使用が本セクションにより必要となるそれぞれの労働者に訓練を実施しなければならない。そうした労働者は、少なくとも次の事項を理解するように訓練されなければならない。

1910.132(f)(1)(i)

個人用保護具が必要とされる時。

1910.132(f)(1)(ii)

必要とされる個人用保護具の種類。

1910.132(f)(1)(iii)

個人用保護具の正しい装着、脱着、調整、および使用の方法。

1910.132(f)(1)(iv)

個人用保護具の限界。および、

1910.132(f)(1)(v)

個人用保護具の適切な手入れ、メンテナンス、使用可能期間、および廃棄。

1910.132(f)(2)

影響を受けるそれぞれの労働者は、本セクションのパラグラフ(f)(1)に示された訓練を理解したこと、および適切に個人用保護具を使用できることを証明した後に始めて、個人用保護具の使用が必要な仕事の実施が許可されなければならない。

1910.132(f)(3)

事業者が、すでに訓練を受けた関係労働者が本セクションのパラグラフ(f)(2)によって求められる知識および技能を持つに至っていない、と信じるに足る理由を持つ場合、この事業者はこうした労働者を再度訓練しなければならない。再訓練が必要になる状況には、次のような場合が含まれるが、これだけに限定されるわけではない。

1910.132(f)(3)(i)

作業場の変更によりそれまでの訓練が陳腐化したとき。

1910.132(f)(3)(ii)

使用する個人用保護具の変更によりそれまでの訓練が陳腐化したとき。または、

1910.132(f)(3)(iii)

関係労働者の指定個人用保護具の知識または使用に不適切な点があり、労働者が必要とされる知識および技能を保持していないことが示されたとき。

1910.132(f)(4)

事業者は、それぞれの関係労働者が必要とされる訓練を受講し理解したことを、訓練を受けた労働者の氏名、訓練実施日、および証明の主題を記載した証明書により、証明しなければならない。

1910.132(g)

本セクションのパラグラフ(d)および(f)は、1910.133、1910.135、1910.136、および 1910.138にのみ適用される。本セクションのパラグラフ(d)および(f)は、1910.134および 1910.137には適用されない。

[参照官報:39 FR 23502, 1974年6月27日、改正59 FR 16334, 1994年4月6日;59 FR 33910, 1994年7月1日;59 FR 34580, 1994年7月6日]


1910.133 眼および顔の保護

1910.133(a)

一般規定

1910.133(a)(1)

事業者は、眼または顔が、飛来物、溶融金属、液体化学物質、酸、腐食性の液体、化学物質ガスまたは蒸気、または潜在的に有害な光エネルギーに暴露されるとき、影響を受ける労働者が眼および顔の適切な保護具を使用することを確認しなければならない。

1910.133(a)(2)

事業者は、飛来物による危険がある場合、影響を受ける労働者が側面防護の施された眼の保護具を使用することを確認しなければならない。本セクションの関係基準に適合する脱着式側面防護具(クリップ・オン型またはスライド・オン型側面保護具)でも可能である。

1910.133(a)(3)

事業者は、視力矯正レンズの入った眼鏡を着用する労働者が眼への危険がある作業に従事する場合、光学的矯正力をもった眼の防護具、または、視力矯正レンズの上にそのレンズまたは保護レンズの位置を乱すことなく着用できる保護具を着用することを確認しなければならない。

1910.133(a)(4)

眼および顔の個人用保護具には、製造者を容易に識別できるマークをはっきりと付けておかなければならない。

1910.133(a)(5)

事業者は、影響を受けるそれぞれの労働者が、有害光線から保護する必要のある作業に適した遮光度番号のフィルターレンズ付き装置を使用することを確認しなければならない。次は、種々の作業に適切な遮光度番号のリストである。

放射エネルギーに対する保護用フィルターレンズ

作業 電極寸法(1/32インチ) アーク電流 最小*保護遮光
被覆金属アーク溶接 3未満
3−5
5−8
8を超える
60未満
60-160
160-250
250-550
7
8
10
11
ガスメタルアーク溶接と
フラックス入りワイヤー
によるアーク溶接
60未満
60-160
160-250
250-550
7
10
10
10
ガスタングステン
アーク溶接
50未満
50-150
150-500
8
8
10
アークカーボン
アーク溶断
(軽)
(強)
500未満
500-1000
10
11
プラズマアーク溶接 20未満
20-100
100-400
400-800
6
8
10
11
プラズマアーク溶断 (軽)**  
(中)**  
(強)**
300未満
300-400
400-800
8
9
10
ろう付け
ハンダ付け
炭素アーク溶接
3
2
14

放射エネルギーに対する保護用フィルターレンズ

作業 プレート厚さ(インチ) プレート厚さ(ミリ) 最小*遮光保護
ガス溶接



1/8未満
1/8 〜 1/2
1/2を超える

3.2未満
3.2 〜 12.7
12.7を超える

4
5
6
酸素溶断



1未満
1 〜 6
6を超える

25未満
25 〜 150
150を超える

3
4
5

脚注*: 経験則として、溶接部が暗すぎて見えない遮光度から始めるとよい。次に、最小遮光度を下回らない、溶接部の十分な視界が得られる明るい遮光度へ進むこと。溶接棒から黄色の強い光が生じる酸素ガス溶接または溶断においては、黄色または可視光線のスペクトル解析におけるナトリウム線を吸収するフィルターレンズの使用が望ましい。
脚注**: これらの値は実際にアークがはっきり見える場合に適用される。経験的には、製品によってアークが隠れる場合、より明るいフィルターが使用できる。

1910.133(b)

眼および顔面の保護具適用基準

1910.133(b)(1)

1994年7月5日以降に購入された眼および顔面の保護具は、米国基準「職業的および教育的な眼および顔の保護実践」ANSI Z 87.1-1989に適合するものでなければならない。この基準は、セクション1910.6に示されているように、官報掲載がなされている。

1910.133(b)(2)

1994年7月5日以前に購入された眼および顔の保護具は、米国基準「職業的および教育的な眼および顔の保護実践」ANSI Z 87.1-1968に適合しなければならない。または事業者によって、基準に等しい効果があることが証明されなければならない。この基準は、セクション1910.6に示されているように、官報掲載がなされている。

[参照官報:59 FR 16360, 1994年4月6日;59 FR 33910, 1994年7月1日、61 FR 9227, 1996年3月7日;61 FR 19547, 1996年5月2日]


1910.134 呼吸器の保護

本セクションは一般産業(パート1910)、造船所(パート1915)、海運船舶発着所(パート1917)、港湾労働(パート1918)、および建設業(パート1926)に適用する。

1910.134(a)

許容される実施方法

1910.134(a)(1)

有害な粉塵、霧、ヒューム、ミスト、ガス、煙、スプレー、または蒸気によって汚染された空気を吸うことによって生ずる労働災害の管理において、第一義的な目的は、大気の汚染を防ぐこととしなければならない。これは、容認された工学技術的管理手段(例えば、作業を覆うまたは囲うこと、全体および局所換気、毒性の少ない物質の代替使用など)によって可能な限り達成されなければならない。効果的な工学的管理に実現の可能性がないとき、またはそうした工学的管理方法が研究段階にあるとき、本セクションに従って適切な呼吸用保護具が使用されなければならない。

1910.134(a)(2)

呼吸用保護具は、労働者の健康を保護するためにそうした器具が必要な場合、事業者によって提供されなければならない。事業者は、意図する目的に適った呼吸用保護具を提供しなければならない。事業者は、呼吸保護計画を責任を持って策定および維持しなければならない。その計画は、本セクションのパラグラフ(c)に概略された規定を含まなければならない。

1910.134(b)

定義  次の定義は、本セクションの呼吸器保護に関する基準に用いられている重要な用語である。

「濾過式呼吸用保護具:Air-purifying respirator」とは、空気清浄フィルター、カートリッジ、または周囲の空気を空気清浄エレメントに通過させることにより、特定の汚染空気を取り除く吸収缶が備わったものをいう。

「指示保護係数:Assigned protection factor (APF)」 「保留」

「給気式呼吸用保護具:Atmosphere-supplying respirator」とは、呼吸用保護具の使用者に周囲の大気とは独立したソースから呼吸用の空気を供給する呼吸用保護具であって、送気マスク(SARs)および自給式呼吸器(SCBA)がある。

「吸収缶またはカートリッジ:Canister or cartridge」とは、フィルター、吸収剤、または触媒、もしくはこれらを組み合わせたものを備えた容器であって、この容器を通過した空気から特定の汚染物質を取り除くものをいう。

「デマンド型空気呼吸器:Demand respirator」とは、呼吸によって顔接体の内部に負の圧力が生じた時にのみ、顔接体内へ給気を入れる空気呼吸器をいう。

「緊急事態:Emergency situation」とは、装置の破損、容器の破裂、または制御装置の破損といった事態の発生のことで、これにより空中の汚染物が制御不能なほど流入することがある。しかし、この事態だけに限定されるわけではない。

「労働者への暴露:Employee exposure」とは、労働者が万が一呼吸用保護具を使用していない場合に起こる、空気中の濃縮された汚染物質への暴露をいう。

「使用可能期間終了表示:End-of-service-life indicator (ESLI)」とは、呼吸用保護具の使用者に、適切な呼吸器保護の終了が近づいている旨を警告するシステムをいう。例としては、吸収剤が飽和状態に近づいていること、またはもはや有効でないことを示す。

「避難用呼吸用保護具:Escape-only respirator」とは、避難用にのみ使用される意図の呼吸用保護具をいう。

「フィルターまたは空気清浄エレメント:Filter or air purifying element」とは、吸入された空気から固形物または液体エアゾールを取り除くために使用される呼吸用保護具の部品である。

「フィルター付き面体(防じんマスク):Filtering facepiece (dust mask)」とは、フィルターが面体の最重要な一部分であるもの、または面体全体がフィルター素材で構成される陰圧粉じん呼吸用保護具をいう。

「密着度係数:Fit factor」とは、特定の個人に対する粉じんマスクの密着度の定量的な予測値であり、典型的な予測値としては、周囲の空気中の物質濃度対装着された呼吸器の内側における濃度比がある。

「密着性試験:Fit test」とは、定量的または定性的な個人の呼吸用保護具の密着性に関する評価方法をいう(定性的密着性試験(QLFT)および定量的密着性試験(QNFT)も参照のこと)。

「ヘルメット:Helmet」とは、内部に呼吸用保護具が装着された覆いで、頭部の衝撃および貫入からの保護も行う。

「高効率微粒子空気フィルター(ヘパフィルター):High efficiency particulate air (HEPA) filter」とは、直径が0.3マイクロメータの単一分散粒子の除去性能が99.97%以上であるフィルターをいう。同等のNIOSH 42 CFR 84 粉じんフィルターは、N100、 R100、および P100フィルターである。

「フード:Hood」とは、呼吸用保護具を内部に含む覆いであって、頭部および頸部が完全に覆われるものをいう。肩および胴の一部を覆うこともある。

「生命または健康に対する差し迫った危険:Immediately dangerous to life or health (IDLH)」とは、生命に差し迫った脅威を与える大気が、不可逆的な健康への悪影響の原因となったり、または個人が危険な大気から逃れる能力を損傷するものをいう。

「構造物内部における消火:Interior structural firefighting」とは、初期の段階を超えた火災にみまわれた建物または囲われた構造物の内部における消火、救助、またはその両方を行う身体的活動をいう(29 CFR 1910.155を参照のこと)。

「密着性の緩い面体:Loose-fitting facepiece」とは、呼吸用保護具を内部に含む覆いであって、顔面と部分的な密着しかなされないように設計されているものをいう。

「使用最高濃度:Maximum use concentration (MUC)」 「保留」

「陰圧式呼吸用保護具(密着型):Negative pressure respirator (tight fitting)」とは、面体の内部の空気圧力が、空気を吸入している間、呼吸用保護具外部の周囲の大気圧に対して陰圧となる呼吸用保護具をいう。

「酸素不足環境:Oxygen deficient atmosphere」とは、酸素含有量が容積で19.5%を下回る大気をいう。

「医師またはその他の健康管理に関する免許を持つ専門家:Physician or other licensed health care professional (PLHCP)」とは、免許、登録、認証等により法的に認可された業務範囲を持つ個人をいい、その業務範囲により、個人としてまたは責任を持つ代表者として、本セクションのパラグラフ(e)によって規定される健康管理の一部分または全部を実施することが許可される。

「陽圧式呼吸用保護具:Positive pressure respirator」とは、呼吸用保護具が、内蔵された覆いの内部圧力が、呼吸用保護具外部の大気圧を超えるものをいう。

「電動ファン付呼吸用保護具(PAPR):Powered air-purifying respirator (PAPR)」とは、ブロアーを用いて周囲の空気を強制的に濾過材を通過させ、覆いの内部に送る濾過式呼吸用保護具をいう。

「プレッシャデマンド形呼吸用保護具:Pressure demand respirator」とは、吸気により面体内部の陽圧が減少したときに、面体内への空気の流入が可能となる陽圧外気供給式呼吸用保護具をいう。

「定性的密着性試験(QLFT):Qualitative fit test (QLFT)」とは合格・不合格を決定する密着性テストをいい、個人の試験剤への反応を見て呼吸用保護具の適切さを評価するものである。

「定量的密着性試験 (QNFT):Quantitative fit test (QNFT)」とは、呼吸用保護具への漏れの量を数値的に測定することにより、呼吸用保護具の密着性の適切さを評価する試験をいう。

「呼吸用保護具が内蔵された覆い:Respiratory inlet covering」とは、使用者の呼吸器官と濾過装置、または呼吸用空気源、もしくはその両方との間に防護バリアを形成する呼吸用保護具の一部分をいう。面体、ヘルメット、フード、被服、または鼻どめを備えたマウスピース呼吸用保護具などがある。

「自給式呼吸器(SCBA):Self-contained breathing apparatus (SCBA)」とは、使用者によって呼吸用の空気が運ばれるように設計されている大気供給呼吸用保護具をいう。

「使用可能期間:Service life」とは、呼吸用保護具、フィルターまたは吸収剤、もしくはその他の呼吸用保護具の要素が着用者に適切な保護を与える時間をいう。

「送気マスク(SAR):Supplied-air respirator (SAR) or airline respirator」とは、使用者によって呼吸用の空気が運ばれるようには設計されていない大気供給呼吸用保護具をいう。

「本セクション:This section」とは、この呼吸保護基準をいう。

「密着型面体:Tight-fitting facepiece」とは、顔面の完全な密封を行う呼吸用保護具内蔵覆いをいう。

「使用者による密着度チェック:User seal check」とは、呼吸用保護具の使用者によって行われる行為のことで、これにより呼吸用保護具が顔面に適切に密着しているかどうかを決定する。

1910.134(c)

呼吸保護計画  本パラグラフは、事業者が文書の形で呼吸保護計画を策定し、かつ実施することを規定する。この計画には、呼吸用保護具の使用に必要となる作業現場に特有な手順および事項が明記される。この計画は、適切な訓練を受けた計画統括者により統括されなければならない。さらに、計画に含まれる事項の中には、呼吸用保護具の使用に伴って生じる潜在的な危険を防止するために、自主的に実施されなければならないものがある。「小企業遵守ガイド」には、計画統括者の選定基準および本パラグラフの規定に適合する計画の例が示されている。この小企業遵守ガイドは、1998年4月8日もしくはその頃、労働安全衛生局(OSHA)出版室、部屋番号N3101、200 コネチカット通り、NW、ワシントンDC、20210 (202-219-4667)でその写しを入手することができる。

1910.134(c)(1)

労働者の健康を保護するために呼吸用保護具が必要ないずれの作業場においても、または事業者により呼吸用保護具が必要とされたときはいつでも、事業者は、その作業現場特有の手順を含む書面による呼吸保護計画を策定し、かつ実施しなければならない。この計画は常に新しく改訂して、呼吸用保護具の使用に影響を及ぼす職場環境の変化を反映させなければならない。事業者は、適用可能であれば本セクションの次の条項を計画の中に含めなければならない。

1910.134(c)(1)(i)

作業場で使用する呼吸用保護具の選定の手順。

1910.134(c)(1)(ii)

呼吸用保護具の使用が必要な労働者の医学的評価。

1910.134(c)(1)(iii)

密着型呼吸用保護具の密着性テスト手順。

1910.134(c)(1)(iv)

通常の作業および想定される緊急事態における呼吸用保護具の適切な使用手順。

1910.134(c)(1)(v)

清掃、殺菌、収納、検査、修理、破棄およびその他呼吸用保護具のメンテナンスに関する事項の手順およびスケジュール。

1910.134(c)(1)(vi)

給気式呼吸用保護具の呼吸用空気の適切な性質、量および流量を確認するための手順。

1910.134(c)(1)(vii)

通常の作業および緊急事態において、潜在的に暴露される恐れのある呼吸に関する危険についての労働者への訓練。

1910.134(c)(1)(viii)

呼吸用保護具の装着および脱着、使用上の制限、およびメンテナンスといった呼吸用保護具の正しい使用についての労働者への訓練。および、

1910.134(c)(1)(ix)

当計画の効果についての定期的な評価の手順。

1910.134(c)(2)

呼吸用保護具の使用が必要でない場所

1910.134(c)(2)(i)

呼吸用保護具の使用それ自体が危険を招かないと判断できる場合、事業者は、労働者の求めにより呼吸用保護具を提供するか、または労働者自身の呼吸用保護具の使用を許可することができる。事業者は、呼吸用保護具の自主的な使用は差し支えない判断した場合、本セクションの補遺Dにある情報を呼吸用保護具の使用者に提供しなければならない(「本基準により使用が義務づけられていない場合の呼吸用保護具を使用する労働者への情報」)。および、

1910.134(c)(2)(ii)

さらに、事業者は、呼吸保護計画書の自主使用の部分を策定し、かつ実施しなければならない。この部分は、自主的に呼吸用保護具を使用する労働者がその呼吸用保護具を医学的に使用することが可能であること、および、その呼吸用保護具が使用者に健康上の危険を招かないように清掃され、保管され、かつ維持されていること、を確認するために必要である。例外:事業者は、呼吸保護計画書に、自主的な呼吸用保護具の使用が濾過面体(ダストマスク)のみである労働者を含める必要はない。

1910.134(c)(3)

事業者は、適切な訓練または豊富な経験により十分な資格のある計画統括者を指名しなければならない。この訓練または経験は、呼吸保護計画の統括または監督の実施、および、計画の効果に必要な評価の実施にかかる複雑な業務に釣り合ったものとする。

1910.134(c)(4)

事業者は、呼吸用保護具、訓練、および医学的評価を無料で労働者に提供しなければならない。

1910.134(d)

呼吸用保護具の選定  本パラグラフは、事業者が作業場における呼吸に関する危険を評価し、作業場および使用者についての関係因子を特定し、この因子に基づいて呼吸用保護具を選定することを規定している。本パラグラフではまた、IDLH(生命または健康に対する差し迫った危険)環境下での使用に適した呼吸用保護具を特定し、また濾過式呼吸用保護具の選定および使用を制限している。

1910.134(d)(1)

一般規定

1910.134(d)(1)(i)

事業者は、労働者が暴露される呼吸に関する危険、並びに、呼吸用保護具の性能および信頼性に影響を与える作業場および使用者に関する因子、に基づいて適切な呼吸用保護具を選定し提供しなければならない。

1910.134(d)(1)(ii)

事業者は、国立労働安全衛生研究所NIOSHによって認定された呼吸用保護具を選定しなければならない。呼吸用保護具はその認定の条件に従って使用されなければならない。

1910.134(d)(1)(iii)

事業者は、作業場における呼吸に関する危険を特定し、かつ評価しなければならない。この評価において、呼吸に関する危険への労働者暴露がどの程度のものであるかという推定、および、汚染物質の化学的性状および物理的形状の特定がなされなければならない。事業者が暴露される労働者の特定または妥当な推定ができない場合、事業者は、この状態を生命または健康に対する差し迫った危険(IDLH)とみなさなければならない。

1910.134(d)(1)(iv)

事業者は、呼吸用保護具の型とサイズから十分な数の呼吸用保護具を選定し、呼吸用保護具が使用者に満足されるように、使用者に正しく合うように計らわなければならない。

1910.134(d)(2)

生命または健康に対する差し迫った危険環境下で使用される呼吸用保護具

1910.134(d)(2)(i)

事業者は、次の呼吸用保護具を、生命または健康に対する差し迫った危険環境下での使用用に、労働者に提供しなければならない。

1910.134(d)(2)(i)(A)

30分の最小使用可能期間があるNIOSHにより認定された、プレッシャデマンド型の自給式呼吸用保護具 (SCBA)で、全面形の面体のもの。または、

1910.134(d)(2)(i)(B)

プレッシャデマンド型の送気マスク(SAR)で全面形の面体のもの、および予備の自給式呼吸器の併用。

1910.134(d)(2)(ii)

生命または健康に対する差し迫った危険環境からの退避の用途のみに用いられるNIOSHから認定を受けている呼吸用保護具でなければならない。

1910.134(d)(2)(iii)

すべての酸素欠乏環境は、生命または健康に対する差し迫った危険とみなされなければならない。例外:事業者が、すべての予期できる状況下で酸素濃度が本セクションの表IIにおいて示された範囲(すなわち当該表において高度に対応して示されている範囲)に維持されることを実証すれば、普通の給気式呼吸用保護具を使用して構わない。

1910.134(d)(3)

生命または健康に対する差し迫った危険のない環境下で使用される呼吸用保護具

1910.134(d)(3)(i)

事業者は、通常の作業および普通に予測される緊急事態において、労働者の健康を守り、すべてのOSHA法令および規則の規定遵守が確認できる呼吸用保護具を提供しなければならない。

1910.134(d)(3)(i)(A)

指定保護係数 「保留」

1910.134(d)(3)(i)(B)

最高使用濃度 「保留」

1910.134(d)(3)(ii)

選択された呼吸用保護具は、汚染物質の化学的性状および物理的形状に見合ったものでなければならない。

1910.134(d)(3)(iii)

ガスおよび蒸気に対する保護のため、事業者は以下のいずれかのものを提供しなければならない。

1910.134(d)(3)(iii)(A)

給気式呼吸用保護具。または、

1910.134(d)(3)(iii)(B)

濾過式呼吸用保護具で、次のような場合。

1910.134(d)(3)(iii)(B)(1)

呼吸用保護具が、汚染物質に対応したNIOSH認定の使用可能期間の終了表示(ESLI)を備えている。

1910.134(d)(3)(iii)(B)(2)

事業者の作業場における状況に適応するESLIがない場合、事業者は、吸収缶およびカートリッジの交換予定計画を定め実施しなければならない。この計画は客観的な情報またはデータに基づいていて、使用可能期間終了前に吸収缶およびカートリッジの交換が行えることを保証する。事業者は、呼吸保護計画書の中で根拠として拠る情報とデータ、吸収缶とカートリッジの交換予定の根拠、データに拠る根拠、について説明しなければならない。

1910.134(d)(3)(iv)

粉塵に対する保護のため、事業者は次のものを提供しなければならない。

1910.134(d)(3)(iv)(A)

給気式呼吸用保護具。または、

1910.134(d)(3)(iv)(B)

30 CRFのパート11によりNIOSHから認定されたヘパ(HEPA)フィルターが備わった濾過式呼吸用保護具、または、42 CRFのパート84によりNIOSHから粉塵用として認定されたフィルターが備わった濾過式呼吸用保護具。または、

1910.134(d)(3)(iv)(C)

中間粒子径が少なくとも2マイクロメータである粉塵を主要素とする汚染物質については、NIOSHから粉塵用として認定されたフィルターが備わった濾過式呼吸用保護具。

表I 指定保護係数

「保留」

表II 

高度(フィート) 事業者が給気式呼吸用保護具を使用させることができる酸素欠乏環境(酸素濃度 %)
3,001未満
3,001-4,000
4,001-5,000
5,001-6,000
6,001-7,000
7,001-8,000 *
16.0-19.5
16.4-19.5
17.1-19.5
17.8-19.5
18.5-19.5
19.3-19.5

* 8,000フィートを超える高度では、適用除外が適用されない。14,000を超える高度では、酸素濃度を高めた呼吸用空気を供給しなければならない。

1910.134(e)

医学的評価: 呼吸用保護具の使用は、身につける呼吸用保護具の型、呼吸用保護具が使用される作業および作業場の状況、および労働者の健康状況によって異なる生理的な負荷を、労働者に与えることがある。従って、本パラグラフでは、労働者が呼吸用保護具を使用する能力があるかどうかを決定するために、事業者が実施すべき医学的評価に関する最低規定を明確にするものである。

1910.134(e)(1)

概要: 事業者は、労働者が呼吸用保護具を使用する能力があるかどうかを決定するために、医学的評価を行わなければならない。これは、労働者に密着性テストを実施し、作業場における呼吸用保護具の使用を要求する前に行われる。事業者は、労働者が呼吸用保護具の使用を必要としなくなった場合、労働者に対する医学的評価を中止することができる。

1910.134(e)(2)

医学的評価手順

1910.134(e)(2)(i)

事業者は、医師または他の免許を受けた健康管理専門家(PLHCP)を指定し、医学的評価を実施しなければならない。これには、問診票を用いた医学的評価または一次健康診断を行うが、一時検診は問診票を用いた場合と同じ情報を得るものである。

1910.134(e)(2)(ii)

医学的評価からは、本セクションの補遺CのパートA、セクション1および2における問診票によって求められる情報を入手しなければならない。

1910.134(e)(3)

フォローアップ健康診断

1910.134(e)(3)(i)

事業者は、補遺CのパートA、セクション2の質問1から8の質問にひとつでも「正」の回答をした労働者、または、一次健康診断の結果によりフォローアップ健康診断が必要であるとされた者、がフォローアップ健康診断を受診できることを確認しなければならない。

1910.134(e)(3)(ii)

このフォローアップ健康診断には、PLHCPが最終決定を行うために必要と考えられる医学的検査、問診、診断が含まれなければならない。

1910.134(e)(4)

問診票および健康診断の実施体制

1910.134(e)(4)(i)

問診票および健康診断は、労働者の所定労働時間内に、または労働者の都合の良い時間および場所において、内々に実施されなければならない。この問診票は、労働者がその意味を理解できるような方法で実施されなければならない。

1910.134(e)(4)(ii)

事業者は、労働者が問診票および健康診断結果についてPLHCPと話し合う機会を設けなければならない。

1910.134(e)(5)

PLHCPに対する補足情報

1910.134(e)(5)(i)

次の情報を、PLHCPが労働者の呼吸用保護具の使用についての能力について助言する前に、PLJCPに対し提供されなければならない。

1910.134(e)(5)(i)(A)

労働者が使用する呼吸用保護具の型および重量。

1910.134(e)(5)(i)(B)

呼吸用保護具の使用期間および使用頻度(救助および退避のための使用を含む)。

1910.134(e)(5)(i)(C)

予定される身体的作業量。

1910.134(e)(5)(i)(D)

身につけるべき他の保護衣および保護具。および、

1910.134(e)(5)(i)(E)

予期される気温および湿度の極限値。

1910.134(e)(5)(ii)

PLHCPに対して事前に提供されたある労働者に関する補足情報は、その情報およびPLHCPがそのまま同じであれば、その後に行われる医学的評価のために改めて提供される必要はない。

1910.134(e)(5)(iii)

事業者は、PLHCPに対し呼吸保護計画の写しおよび本セクションの写しを提供しなければならない。

パラグラフ(e)(5)(iii)に対する注:事業者がPLHCPを交替する場合、この書類を直接PLHCPに渡すか、以前のPLHCPに新しいPLHCPに書類を転送させるかして、新しいPLHCPがこの情報を入手できるようにしなければならない。しかしながら、OSHAは、新しいPLHCPが選任されたからという理由のみで、労働者が医学的評価を再度受けることを期待はしない。

1910.134(e)(6)

医学的決定  労働者の呼吸用保護具の使用能力を決定するにあたり、事業者は、次のことを行わなければならない。

1910.134(e)(6)(i)

PLHCPから、労働者の呼吸用保護具の使用能力に関する勧告を書面により受け取ること。この勧告に含まれているのは、次の情報のみでなければならない。

1910.134(e)(6)(i)(A)

労働者が医学的見地から呼吸用保護具を使用することができるか否かをはじめ、労働者の健康状況、または、労働者が医学的に呼吸用保護具が使用可能かどうかを含めて呼吸用保護具が使用される作業場の状況に関連する呼吸用保護具の使用制限。

1910.134(e)(6)(i)(B)

フォローアップ医学的評価が必要な場合その必要性。

1910.134(e)(6)(i)(C)

PLHCPが書面により勧告の写しを労働者に提供した旨の記述書。

1910.134(e)(6)(ii)

呼吸用保護具が陰圧式呼吸用保護具で、PLHCPがこの呼吸用保護具を使用すると労働者の健康を冒す危険が増すという状態に気付いた場合、事業者は、PLHCPが電動ファン付き呼吸用保護具(PAPR)の使用ならば労働者にとって可能であるという医学的評価をしているときは、労働者に陰圧式呼吸用保護具ではなくPAPRを提供しなければならない。引き続き行われる医学的評価において、陰圧式呼吸用保護具の使用が医学的見地から可能であるとされた場合、事業者はそれ以上PAPRを提供する必要はない。

1910.134(e)(7)

追加で行う医学的評価 最小限、事業者は、次の場合に本セクションの規定に沿った追加の医学的評価を提供しなければならない。

1910.134(e)(7)(i)

労働者が、呼吸用保護具の使用の可能性に関連する医学的兆候または症状を報告したとき。

1910.134(e)(7)(ii)

PLHCP、職長、または呼吸用保護具計画統括者が、労働者の再評価が必要であると事業者に報告したとき。

1910.134(e)(7)(iii)

密着性試験および計画評価の間に行われた観察などの呼吸保護計画の実施によって得られた情報が、労働者の再評価の必要性を指し示しているとき。および、

1910.134(e)(7)(iv)

作業場における条件(身体的労働負荷、防護衣、温度など)に変化があり、労働者にかかる実質的な生理的負荷が増加する可能性があるとき。

1910.134(f)

密着性試験:本パラグラフでは、労働者が陰圧または陽圧型の密着型面体を備えた呼吸用保護具の使用を必要とする前に、労働者は使用されることになる呼吸用保護具と同じ製造元、型、形状、および大きさのもので密着性試験を受けなければならないことを規定している。本パラグラフでは、許される密着性試験の種類、試験の実施手順、および、密着性試験の結果をどのように使用すべきかについて示している。

1910.134(f)(1)

事業者は、密着型面体の呼吸用保護具を使用する労働者が、本パラグラフに述べられている適切な定性的密着性試験(QLFT)または定量的密着性試験(QNFT)に合格することを確認しなければならない。

1910.134(f)(2)

事業者は、密着型面体の呼吸用保護具を使用する労働者が、異なる呼吸用保護具面体(大きさ、形状、型、または、製造元)を使用するときはいつでも、この呼吸用保護具を最初に使用する前に密着性試験を受けることを確認しなければならない。この試験は、以降、少なくとも一年に一度受けなければならない。

1910.134(f)(3)

事業者は、呼吸用保護具の密着性に影響を与える可能性のある労働者の物理的条件の変化について、労働者から報告がなされたり、事業者、PLHCP、職長または計画統括者が目視による観察を行ったときはいつでも、追加の密着性試験を実施しなければならない。そうした条件には、顔面の傷、歯の変化、整形手術、または体重の明らかな変化が含まれるが、これだけに限定されるわけではない。

1910.134(f)(4)

QLFTまたはQNFT試験に合格した後、労働者が呼吸用保護具の装着度が不十分であると事業者、プログラム統括者、職長、または、PLHCPに告げた場合、労働者は、他の面体を備えた呼吸用保護具を選定し、再度試験を行う機会を与えられなければならない。

1910.134(f)(5)

この密着性試験は、OSHA承認のQLFTまたはQNFTプロトコルを用いて進められなければならない。このOSHA承認QLFTまたはQNFTプロトコルおよび手順書は、本セクションの補遺Aに含まれている。

1910.134(f)(6)

QLFT試験は、密着度係数が100以下でなければならない陰圧型濾過式呼吸用保護具の密着性試験にのみ用いられなければならない。

1910.134(f)(7)

OSHA承認のQNFTプロトコルにおいて決定される密着度係数が、密着型半面体について100以上である場合、または、密着型全面面体について500以上である場合、この呼吸用保護具はこのQNFT試験に合格しているものとする。

1910.134(f)(8)

密着型給気式呼吸用保護具および密着型電動ファン付き呼吸用保護具の密着性試験は、呼吸保護に用いられる操作モード(陰圧または陽圧)に関わりなく、陰圧モードで定量的または定性的密着性試験を行わなければならない。

1910.134(f)(8)(i)

これらの呼吸用保護具の定性的密着性試験は、この呼吸用保護具の使用者の実際の面体を適切なフィルターを備えた陰圧型呼吸用保護具に一時的に代えて実施されなければならない。または、給気式呼吸用保護具または電動ファン付き呼吸用保護具の代用として同様の密着面を備えた陰圧型濾過式呼吸用保護具の面体と同一のものを用いて、定性的密着性試験は実施されなければならない。

1910.134(f)(8)(ii)

これらの呼吸用保護具の定量的密着性試験は、面体内の使用者が呼吸を行う区域の鼻と口の中ほどからサンプリング試料が採取できるように、面体を改造して実施されなければならない。この規定は、恒久的サンプリング用探針を面体代用品に取り付ける。または、面体の内部から空気を採取する一時的な手段として設計されたサンプリング用アダプターを用いる、ことで達成されなければならない。

1910.134(f)(8)(iii)

密着性試験のために呼吸用保護具面体へ施した改造は、作業場でその面体を使用する前に完全に取り除き、面体をNIOSH承認の形状に復帰させなければならない。

1910.134(g)

呼吸用保護具の使用  本パラグラフでは、事業者が呼吸用保護具の適切な使用のための手順を確立し、かつ実施することを規定している。これらの規定には、面体の密封の漏れにつながるような状態の禁止、危険な環境で労働者が呼吸用保護具を取り外すことの防止、労働者の交替シフトを通じて呼吸用保護具の効果的な操作が継続できるように措置を講じること、および、IDLH環境下または、建物内部の消火活動での呼吸用保護具の使用に関する手順の確立が含まれる。

1910.134(g)(1)

面体密封性の保護

1910.134(g)(1)(i)

事業者は、次のものを有する労働者が密封型面体を装着することを許可してはならない。

1910.134(g)(1)(i)(A)

面体密封面および顔面の間にかかる顔面の毛、またはバルブ機能に障害を及ぼす顔面の毛。または、

1910.134(g)(1)(i)(B)

顔面と面体またはバルブ機能に障害を招く何らかの状況。

1910.134(g)(1)(ii)

労働者が視力矯正めがねかゴーグルをかける、または他の保護具を使用している場合、事業者は、そうした装置が使用者の顔面と面体の密封性に障害を起こさせないような方法でその装置を身につけることを確認しなければならない。

1910.134(g)(1)(iii)

すべての密着型呼吸用保護具について、事業者は、労働者が呼吸用保護具を身につける度、密封性のチェックを行うことを確認しなければならない。これには、補遺B-1の手順、または呼吸用保護具の製造者により推奨される手順を使用する。この製造者推奨手順は、事業者が実証するところでは、本セクションの補遺B-1と同等の効力がある。

1910.134(g)(2)

呼吸用保護具の効力の持続性

1910.134(g)(2)(i)

作業を行う区域の状況および労働者の暴露またはストレスの程度について、適切な調査を継続して行わなければならない。作業を行う区域の状況および労働者の暴露またはストレスの程度に変更があり、その変更が呼吸用保護具の性能に影響を及ぼす場合、事業者は呼吸用保護具の効力の持続性について再評価を行なわなければならない。

1910.134(g)(2)(ii)

事業者は、労働者が次のような場合に呼吸用保護具を使用している区域を出ることを確認しなければならない。

1910.134(g)(2)(ii)(A)

呼吸用保護具の使用に伴って生じる目や皮膚の炎症を防止するために、顔および呼吸用保護具の面体を洗う必要がある。

1910.134(g)(2)(ii)(B)

労働者が蒸気またはガスの漏れの個所、呼吸を行う際の抵抗の変化、面体の漏れに気付いた。または、

1910.134(g)(2)(ii)(C)

呼吸用保護具、フィルター、カートリッジまたは吸収剤エレメントを取り替える。

1910.134(g)(2)(iii)

労働者が蒸気またはガスの漏れの個所、呼吸を行う際の抵抗の変化、面体の漏れに気付いた場合、事業者は、労働者に作業区域に戻ることを許可する前に、その呼吸用保護具を交換するか修理しなければならない。

1910.134(g)(3)

IDLH環境における手順 すべてのIDLH環境下において、事業者は次のことを確認しなければならない。

1910.134(g)(3)(i)

一人の労働者、または必要に応じて1名以上の労働者をIDLH環境の外側に配置する。

1910.134(g)(3)(ii)

視覚、音声、または信号による連絡手段が、IDLH環境内の労働者とIDLH環境の外側に配置された労働者との間に維持される。

1910.134(g)(3)(iii)

IDLH環境の外側に配置された労働者は、効果的な非常時救護を行えるように訓練され装備されている。

1910.134(g)(3)(iv)

IDLH環境の外側に配置された労働者が非常時救護を行うためIDLH環境内へ立ち入る前に、事業者または指名を受けた者が通知を受ける。

1910.134(g)(3)(v)

事業者または事業者によりそのようにする権限を与えられた指名者は、いったん通知を受け取ったならば、状況に即した必要な援助を提供しなければならない。

1910.134(g)(3)(vi)

IDLH環境の外側に配置された労働者は、次のものを装備していなければならない。

1910.134(g)(3)(vi)(A)

プレッシャデマンド型かまたは他の陽圧SCBA、またはプレッシャデマンド型かまたは他の補助SCBAを備えた陽圧送気マスク。および次のもの、

1910.134(g)(3)(vi)(B)

そうした危険環境に立ち入った労働者を救出するための適切な救助装置。この装置は労働者の救出に貢献するもので、立ち入った結果全体の危険を増加させることがないものとする。または、

1910.134(g)(3)(vi)(C)

パラグラフ(g)(3)(vi)(B)の規定により救出装置の設置が義務づけられていない場所における救護のための同等の手段。

1910.134(g)(4)

構造物内部における消火活動手順:パラグラフ(g)(3)に規定された事項に加え、構造物内部の火災においては、事業者は次の事項を確認しなければならない。

1910.134(g)(4)(i)

少なくとも二人の労働者がIDLH環境に立ち入り、常時互いに目視または音声により連絡を保つ。

1910.134(g)(4)(ii)

少なくとも二人の労働者がIDLH環境の外側に配置される。および、

1910.134(g)(4)(iii)

構造物内部の消火活動に従事するすべての労働者はSCBAを使用する。

パラグラフ(g)の注1:IDLH環境の外側に配置されるふたりの労働者のうちの一人には、さらに、緊急時に対処する指揮者または安全管理者の役割が与えられることとなる。ただし、この者は、事故現場で消火活動に従事している者の安全および衛生に対して危険を及ぼすことなく、補助を行い救助活動を行なわなければならない。

パラグラフ(g)の注2:本セクションのいずれの規定も、全体の救助チームが結集される前に、緊急時の救助活動を消防士が行うことを妨げるものではない。

1910.134(h)

呼吸用保護具のメンテナンスおよび手入れ:本パラグラフは、事業者が労働者の使用する呼吸用保護具の清掃および消毒、保管、検査、および修理を実施しなければならないことを規定している。

1910.134(h)(1)

清掃および消毒: 事業者は、それぞれの呼吸用保護具の使用者に、清潔で衛生的かつ良好な状態の呼吸用保護具を提供しなければならない。事業者は、呼吸用保護具が本セクションの補遺B-2の手順、または呼吸用保護具の製造者によって同等の効力があると推奨される手順によって、清掃し消毒することを確認しなければならない。呼吸用保護具は次のような期間毎に清掃し消毒しなければならない。

1910.134(h)(1)(i)

特定の労働者の専用として供給された呼吸用保護具は、衛生的な状態に保つために必要な頻度で清掃され、かつ消毒されなければならない。

1910.134(h)(1)(ii)

一人以上の者に供給された呼吸用保護具は、他の者が身につける前に、清掃かつ消毒されなければならない。

1910.134(h)(1)(iii)

緊急時用として保持されている呼吸用保護具は、使用の都度、清掃かつ消毒されなければならない。

1910.134(h)(1)(iv)

密着性試験および訓練用に使用される呼吸用保護具は、使用の都度、清掃かつ消毒されなければならない。

1910.134(h)(2)

保管:事業者は、呼吸用保護具が次のように保管されることを確認しなければならない。

1910.134(h)(2)(i)

すべての呼吸用保護具は、損傷、汚染、ほこり、太陽光線、異常に高いかまたは低い気温、過度の湿度、および、化学物質による損傷から保護するために、保管されなければならない。また、面体および排気弁の変形を防ぐため、包んで保管されなければならない。

1910.134(h)(2)(ii)

本セクションパラグラフ(h)(2)(i)の規定に加え、緊急用呼吸用保護具は次のように保管されなければならない。

1910.134(h)(2)(ii)(A)

作業区域から近い場所に保管する。

1910.134(h)(2)(ii)(B)

容器に入れるかカバーをかけて保管し、非常用呼吸用保護具が保管されていることがはっきりわかるマークを付ける。および、

1910.134(h)(2)(ii)(C)

適用できる製造業者のすべての指示に従って保管する。

1910.134(h)(3)

検査

1910.134(h)(3)(i)

事業者は、呼吸用保護具が次のように検査されることを確認しなければならない。

1910.134(h)(3)(i)(A)

通常の状態で使用されるすべての呼吸用保護具は、それぞれの使用前および清掃中に、検査されなければならない。

1910.134(h)(3)(i)(B)

緊急事態での使用のために保持されているすべての呼吸用保護具は、少なくとも一ヶ月に一度、および製造業者の薦めに従って、検査されなければならない。さらに、使用の前後に、正規の機能について検査されなければならない。および、

1910.134(h)(3)(i)(C)

緊急時の避難専用呼吸用保護具は、作業場に使用のため持ち込まれる前に、検査されなければならない。

1910.134(h)(3)(ii)

事業者は、呼吸用保護具の検査が次の事項を含むことを確認しなければならない。

1910.134(h)(3)(ii)(A)

呼吸用保護具の機能の検査、接続部の締まり具合、面体、面体の頭部への締め付けひも、弁、接続管、カートリッジ、吸収缶、フィルター等の様々な部品の状態の検査。

1910.134(h)(3)(ii)(B)

柔軟性部材の伸縮性および劣化兆候の検査。

1910.134(h)(3)(iii)

本セクションのパラグラフ(h)(3)(i)

および (ii)の規定に加え、自給式呼吸器は月に1回検査されなければならない。空気および酸素ボンベは、全量まで充填された状態に維持されなければならず、かつ、製造業者の推奨する圧力レベルの90%に低下したときは再度充填しなければならない。事業者は、調整器および警報器が適切に機能しているかどうかを判断しなければならない。

1910.134(h)(3)(iv)

緊急時使用に維持されている呼吸用保護具に関し、事業者は次の事を行わなければならない。

1910.134(h)(3)(iv)(A)

検査が実施された日、検査を行った者の名前(または署名)、所見、必要な改善処置、および、シリアル番号または検査を行った呼吸用保護具を特定するための他の措置について文書を作成することによって、呼吸用保護具を認証する。および、

1910.134(h)(3)(iv)(B)

この情報は、呼吸用保護具の保管箱に貼付するタグまたはラベルに書き、呼吸用保護具とともに保管し、または、紙または電子ファイルに記された検査報告に含める。この情報は、次の承認が行われて新しい内容に更新されるまで保持しなければならない。

1910.134(h)(4)

修理:事業者は、検査で不合格となった呼吸用保護具、また、そうではないが欠陥が発見された呼吸用保護具は使用から外し、破棄、または修理もしくは調整を次の手順に従って行うことを確認しなければならない。

1910.134(h)(4)(i)

呼吸用保護具の修理または調整は、こうした業務を実施するように適切に訓練された人のみによって行われなければならず、かつ、その呼吸用保護具用として設計された製造業者のNIOSH認証部品だけを用いて行われなければならない。

1910.134(h)(4)(ii)

修理は、修理を行う型および修理の範囲に関する製造業者の推薦する方法、および仕様書に従って行わなければならない。

1910.134(h)(4)(iii)

減圧バルブ、供給バルブ、調整器および警報は、製造業者または製造業者によって訓練された技術者だけがその調整および修理を行わなければならない。

1910.134(i)

呼吸用空気の品質および使用:本パラグラフでは、事業者が、給気式呼吸用保護具(送気マスクおよびSCBA)を使用する労働者に、高度に純粋な呼吸用気体を提供しなければならないことを規定している。

1910.134(i)(1)

事業者は、給気に用いられる圧縮空気、圧縮酸素、液体空気、および液体酸素が次の仕様に沿うものであることを確認しなければならない。

1910.134(i)(1)(i)

圧縮酸素または液体酸素は、米国薬局方の医療または吸気用酸素の規定を満たすものでなければならない。および、

1910.134(i)(1)(ii)

呼吸用圧縮空気は、少なくとも、空気に関するANSI/圧縮ガス協会共同仕様書、G-7.1-1989に規定された呼吸用空気のグレードDに適合し、次を満たすものでなければならない。

1910.134(i)(1)(ii)(A)

19.5-23.5%(v/v)の酸素含有量。

1910.134(i)(1)(ii)(B)

空気1立方メートル当たり5ミリグラムまたはそれ以下の炭化水素(液化)含有量。

1910.134(i)(1)(ii)(C)

10ppmまたはそれ以下の一酸化炭素(CO)含有量。

1910.134(i)(1)(ii)(D)

1,000ppmまたはそれ以下の二酸化炭素含有量。

1910.134(i)(1)(ii)(E)

知覚できる臭いがないこと。

1910.134(i)(2)

事業者は、以前に圧縮空気を使用した空気供給型呼吸用保護具には圧縮酸素を使用しないことを確認しなければならない。

1910.134(i)(3)

事業者は、濃度が23.5%以上の酸素は酸素供給用または分配用に設計された装置でしか使用されないことを確認しなければならない。

1910.134(i)(4)

事業者は、呼吸用空気を呼吸用保護具へ供給するために使用されるボンベは、次の規定に適合することを確認しなければならない。

1910.134(i)(4)(i)

ボンベの試験と維持は、運輸省の輸送用コンテナ容器仕様基準(49 CFR パート 173 およびパート178)の規定に従って行われる。

1910.134(i)(4)(ii)

購入した呼吸用空気ボンベには、呼吸用空気グレードDの基準に適合するものである、という供給者からの分析証明書が備えられている。および、

1910.134(i)(4)(iii)

ボンベ内の水分含有量が、1気圧において華氏-50度(摂氏-45.6度)の結露点を越えない。

1910.134(i)(5)

事業者は、呼吸用空気の供給に使用される圧縮機は、次のような構造で次のように据え付けられていることを確認しなければならない。

1910.134(i)(5)(i)

汚染された空気が空気供給システムに入ることを防ぐ。

1910.134(i)(5)(ii)

1気圧における結露点が周囲の気温より華氏10度(摂氏5.56度)低くなるように、水分含有量を最小にする。

1910.134(i)(5)(iii)

呼吸用空気の品質をさらに確実にするため、空気濾過用吸収剤およびフィルターを内部に持つ。吸収剤およびフィルターは、製造業者の指示に従って維持され、かつ定期的に交換、再生されなければならない。

1910.134(i)(5)(iv)

最新の交換日、および事業者によって交換を行う権限を与えられた者の署名のあるタグを付ける。このタグは、圧縮機に付けておかなければならない。

1910.134(i)(6)

注油がなされていない圧縮機について、事業者は、呼吸用空気の一酸化炭素のレベルが10ppmを超えないことを確認しなければならない。

1910.134(i)(7)

注油がなされた圧縮機について、事業者は、高温警報器または一酸化炭素警報器のどちらかまたは両方を使用して、一酸化炭素レベルを監視しなければならない。高温警報装置のみが用いられる場合は、呼吸用空気の一酸化炭素のレベルが10ppmを超えることを防止するため、十分な期間毎に呼吸用空気を監視しなければならない。

1910.134(i)(8)

事業者は、呼吸用空気の継ぎ手は呼吸用以外の作業場空気または他のガスの供給システムの継ぎ手口とは互換性のないことを確認しなければならない。窒息性のいかなる物質も、呼吸用空気の管内に入れてはならない。

1910.134(i)(9)

事業者は、呼吸用ガスの容器には、NIOSH呼吸用保護具認証基準の42 CFR パート 84に従って、マークを付さなければならない。

1910.134(j)

フィルター、カートリッジおよび吸収缶の識別:事業者は、作業場で使用されるすべてのフィルター、カートリッジおよび吸収缶はNIOSH認証のラベルで標識と色コードを付すことを確認しなければならない。また、標識がはがされないようにすること、および文字が読めるようにしておくことを確認しなければならない。

1910.134(k)

訓練および情報提供  本パラグラフでは、事業者が、呼吸用保護具の使用が必要となる労働者に効果的な訓練を実施しなければならないことについて規定している。この訓練は、総合的でわかりやすく、かつ1年に一度または必要に応じそれより多く、繰り返して行われなければならない。本パラグラフでは、事業者が、本セクションの補遺Dの呼吸用保護具に関する基本的な情報を、本セクションまたは事業者から使用の指示を受けていないときに、呼吸用保護具を身につける労働者に提供しなければならないことも規定している。

1910.134(k)(1)

事業者は、それぞれの労働者が少なくとも次の事項についての知識を得ていることを示すことができること、を確認しなければならない。

1910.134(k)(1)(i)

なぜ呼吸用保護具が必要であるか、また不適切な装着、使用、またはメンテナンスが呼吸用保護具の保護効果をどのように弱めるかについて。

1910.134(k)(1)(ii)

呼吸用保護具の限界および能力について。

1910.134(k)(1)(iii)

呼吸用保護具に不具合が生じたときをはじめ、緊急事態に呼吸用保護具を、どのように効果的に使用するかについて。

1910.134(k)(1)(iv)

呼吸用保護具の検査、装着、脱着、使用および密封性のチェックをどのように行うかについて。

1910.134(k)(1)(v)

呼吸用保護具の維持および保管を行う手順について。

1910.134(k)(1)(vi)

呼吸用保護具の効果的な使用を制限する、または禁止する医学的兆候および症状をどのように認識するかについて。

1910.134(k)(1)(vii)

本セクションの一般規定。

1910.134(k)(2)

訓練は、労働者に分かりやすい方法で行われなければならない。

1910.134(k)(3)

事業者は、作業場において労働者に呼吸用保護具の使用を求める場合は、前もって訓練を実施しなければならない。

1910.134(k)(4)

新しい労働者が過去12ヶ月以内にパラグラフ(k)(1)(i)から(vii)に特定された要素について訓練を受けていることを証明できる事業者は、パラグラフ(k)(1)の規定どおりに労働者がこれらの要素について知識を持つことを示すことができれば、そうした訓練を繰り返して行う必要はない。以前の訓練が着任の初期に繰り返されなかった場合、その訓練の実施日から12ヶ月以内に再訓練が行われなければならない。

1910.134(k)(5)

再訓練は一年に一度、および次の状況が発生したとき行われなければならない。

1910.134(k)(5)(i)

作業場または呼吸用保護具の型の変更により、それまでの訓練が使いものにならなくなったとき。

1910.134(k)(5)(ii)

労働者の知識または呼吸用保護具の使用に関して不適切さがみられ、それが必要とされる知識または技能が労働者に浸透していないことを示しているとき。または、

1910.134(k)(5)(iii)

他の状況が生じて、呼吸用保護具の使用に関する再訓練が安全のために明らかに必要であると思えるとき。

1910.134(k)(6)

呼吸用保護具に関する基本的な注意事項についての情報が、本セクションの補遺Dに示されているとおり、事業者により、書面または口頭の形で、本セクションまたは事業者から使用の要求はないが呼吸用保護具を身につけている労働者に、提供されなければならない。

1910.134(l)

計画の評価  本セクションでは、事業者が作業場の評価を行って書面による呼吸保護計画が適切に実施されていることを確認すること、および、事業者が労働者と話し合いを行って労働者が呼吸用保護具を正しく使用していることを確認すること、を規定している。

1910.134(l)(1)

事業者は、必要とされる作業場の評価を行って、現行の計画の規定が効果的に実施されていること、および、その効果が継続されていくことを確認しなければならない。

1910.134(l)(2)

事業者は、呼吸用保護具の使用が必要な労働者と定期的に話し合いを行い、労働者の計画の効果に関する意見を聴取し、問題があればそれを特定しなければならない。この評価の際に特定された問題はどんなものであっても、是正されなければならない。評価の対象となる要素には、次の事項が含まれなければならないが、これだけに限定されるわけではない。

1910.134(l)(2)(i)

呼吸用保護具の装着に関すること(作業場における作業性に影響を及ぼすことなく、呼吸用保護具を使用する能力について、を含む)。

1910.134(l)(2)(ii)

労働者がさらされる危険に見合った呼吸用保護具の選定について。

1910.134(l)(2)(iii)

労働者が遭遇する作業場の条件下における呼吸用保護具の適切な使用について。および、

1910.134(l)(2)(iv)

呼吸用保護具の適切なメンテナンスについて。

1910.134(m)

記録:本セクションでは、事業者が保管方法を策定して、医学的評価、密着性試験、および呼吸保護計画に関する情報を、文書に記録し保管することを規定している。この情報により、労働者の呼吸保護計画への参加が容易となり、労働者が当計画の適切さを評価するのを助け、およびOSHAよる監督時に遵守状況を示す記録提供を促すこととなる。

1910.134(m)(1)

医学的評価  本セクションによって要求される医学的評価の記録は、29 CFR 1910.1020に従って保管され開示できるようにされなければならない。

1910.134(m)(2)

密着性試験

1910.134(m)(2)(i)

事業者は、労働者に対して行った定性的および定量的密着性試験の、次の事項も含めた記録を作成しなければならない。

1910.134(m)(2)(i)(A)

試験を行った労働者の氏名または識別するためのもの。

1910.134(m)(2)(i)(B)

試験された種類。

1910.134(m)(2)(i)(C)

密着性試験が行われた呼吸用保護具の製造元、型、形式、およびサイズ。

1910.134(m)(2)(i)(D)

試験実施日。および、

1910.134(m)(2)(i)(E)

QLFT試験に関する合否結果またはQNFT試験に関する密着度係数および記録紙またはその他の記録事項。

1910.134(m)(2)(ii)

密着性試験の記録は、呼吸用保護具の使用者のために次の試験が行われるまで保管されなければならない。

1910.134(m)(3)

現行の呼吸保護計画の写しは、事業者によって書面で保管されなければならない。

1910.134(m)(4)

本パラグラフに基づいて保管が義務づけられる書面は、請求により、影響を受ける労働者、労働次官、または、試験の実施について指名を受けた者に対し、開示および写しの作成がなされなければならない。

1910.134(n)

公布

1910.134(n)(1)

発効日:本セクションは、1998年4月8日に有効となる。本セクションにより課せられた義務は、本パラグラフに別の記載がない限り、この発効日より適用される。この発効日に義務の遵守が開始されないものについては、適用開始日に遅れることなく適用されなければならない。

1910.134(n)(2)

適用開始日: 本セクションのすべての義務は、次のものを除いて、発効日に開始される。

1910.134(n)(2)(i)

呼吸用保護具の使用が必要かどうかの決定(パラグラフ(a))は、1998年9月8日までに完了されなければならない。

1910.134(n)(2)(ii)

他のすべての規定に対する本セクションの規定への遵守は、1998年10月5日までに完了されなければならない。

1910.134(n)(3)

1997年7月1日の時点で改訂となった、29 CFR パート1900 から 1910.99、および 29 CFR パート1926 所蔵 の29 CFR 1910.134 および 29 CFR 1926.103の規定は、1998年10月5日まで、または本セクションの規定の行政的または司法的猶予期間中は、有効で適用可能である。

1910.134(n)(4)

既存の呼吸保護計画:1998年4月8日より12ヶ月前の間に、事業者が呼吸用保護具に関する訓練、密着性試験、呼吸保護計画の評価、医学的評価を実施した場合、本セクションの規定に適合する方法で実施されたものについては、事業者は、それらの活動の記録を本セクションの該当する規定に適合するものとして使用することができる。

1910.134(o)

補遺

1910.134(o)(1)

本セクションの補遺A、補遺B-1、補遺B-2、およびAppendix Cは、強制適用である。

1910.134(o)(2)

本セクションの補遺Dは強制適用ではなく、その意図は新たな義務を生じさせるものでも既存の義務を減じるものでもない。

[参照官報:63 FR 1152, 1998年1月8日;63 FR 20098, 1998年4月23日]


1910.135 頭部の保護

1910.135(a)

一般規定

1910.135(a)(1)

事業者は、落下物による頭部の傷害が発生する恐れがある区域で作業を行う場合、関係労働者のそれぞれが保護ヘルメットをつけることを確認しなければならない。

1910.135(a)(2)

事業者は、頭部に接触する可能性のある露出しかけた電気伝導体が近くにある場合、感電による衝撃の危険を減少させる設計の保護ヘルメットを関係労働者がつけることを確認しなければならない。

1910.135(b)

保護ヘルメットの基準

1910.135(b)(1)

1994年7月5日以降に購入された保護ヘルメットは、セクション1910.6に示された官報掲載にまとめられている米国基準「個人防護:工業労働者用頭部保護具規定」ANSI Z89.1-1986に適合するもの、または同様の効果があることが実証されるものでなければならない。

1910.135(b)(2)

1994年7月5日以前に購入された保護ヘルメットは、セクション1910.6に示された官報掲載にまとめられている米国基準「工業頭部防護に関する安全規定」ANSI Z89.1-1969に適合するもの、または同様の効果があることが実証されるものでなければならない。

[59 FR 16362, 1994年4月6日、61 FR 9227, 1996年3月7日改正;61 FR 19547, 1996年5月1日]


1910.136 足部の保護

1910.136(a)

一般規定 事業者は、落下物または回転体、もしくは靴底を突き通す尖ったものによる足部の傷害の危険があるところ、および、電気による危険に足部がさらされるところにおいて作業するときは、関係労働者が足部保護具を使用することを確認しなければならない。

1910.136(b)

足部保護具の基準

1910.136(b)(1)

1994年7月5日以降に購入された足部保護具は、セクション1910.6に示された官報掲載にまとめられている米国基準「個人保護;足部保護具」ANSI Z41-1991に適合するもの、または同様の効果があることが実証されるものでなければならない。

1910.136(b)(2)

1994年7月5日以前に購入された足部保護具は、セクション1910.6に示された官報掲載にまとめられている米国基準「作業者用つま先安全靴」ANSI Z41.1-1967に適合するものか、または同様の効果があることが実証されるものでなければならない。

[参照官報:59 FR 16360, 1994年4月6日;59 FR 33910, 1994年7月1日;61 FR 9227, 1996年3月7日改正;61 FR 19547, 1996年5月2日;61 FR 21228, 1996年5月9日]


1910.138 手部の保護

1910.138(a)

一般規定  事業者は、労働者の手が危険にさらされる場合、適切な手部の保護具を選択して労働者にその使用を求めなければならない。このとき、危険とは皮膚の有害物質吸収、重度の切り傷または裂傷、重度の擦過傷、穿刺、化学薬品による火傷、熱による火傷、および有害な異常温度などである。

1910.138(b)

選定  事業者は適切な手部保護具の選定を行わなければならないが、このとき基準となるのは、遂行される業務、現在の状況、使用期間、および特定された危険と潜在的な危険に対する手部保護具の性能特性の評価である。

[59 FR 16362, 1994年4月6日]

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