第 IV 章 安全
第21条 機械類の外囲い
- (1) どのような工場においても、
-
(i) 動作部分あるいはフライホイールが機関室にあるか否かにかかわらず、原動機の動作部分と、原動機に接続したフライホイール;
(ii) フライホイールおよび水力タービンの導水路と放水路;
(iii) 旋盤の主軸台を越えて突出する軸棒の部分;および
(C) 以下が位置あるいは構造により、確実に外囲いされた場合と同様に、工場のあらゆる被用者に安全でない限り、
(a)発電機、電動機または回転変流機、
(b)伝導装置のあらゆる部分;および
(c)他の機械類のあらゆる危険な部分
を丈夫な構造のガードで確実に外囲いするものとし、そのガードは囲っている機械類の構成部分が動作中あるいは使用中、1[常に維持され、その場所に位置してい]なければならない。
2[ただし、機械類のどのような部分が位置あるいは構造から、前述のように安全か否かを決める目的では、以下のような時点の状況を考慮してはならない‐
(i) 機械類の関係部分が動作中に果たす必要のある検査または活動であって、前述した機械類のどれかの部分を動作中に検査する必要がある時、あるいは検査の結果、動作中に給油または他の調節活動を果たす必要がある時、あるいは
(ii) 定められるような工程に使う動力伝導機械類の部分の事例で(工程の実行が継続的性質であり、関係機械類の部分の停止が、その工程を実質的に妨害あるいは妨害する恐れがある)機械類のその部分を動作中に検査を行う必要がある時、または検査の結果、潤滑ベルトの着脱その他の調節作業を果たす必要がある時、またこのような検査あるいは活動が、第22条1項の規定に即して行われ、または果たされる時]
(2) 3 [州]政府は規則により、特定の機械類またはその部分につき、必要と考えるその他の予防措置を定めることができ、あるいは定められる条件に従い、労働者の安全確保のため、本条の規定から特定の機械類またはその部分を適用除外できる。
注
第21条2項は、政府に法律により必要な更なる予防措置を規定するよう求めている。事業主が義務規定である安全措置履行上の怠慢の罪を問われた場合、同人はE.S.Iコーポレーションに、その請求された金額を返金する責任がある。
Employees
State Insurance Corpn. v. Shree Sitaram Mills Ltd. 1979 (38) FLR 1
第21条1項(C)(c)および第92条‐第92条の解釈と第21条1項(C)(c)に従い、機械類の危険な動作部分を外囲いする安全措置の不採用に関し、上訴人に下された有罪判決命令は不当とし却下。N.R.Dixit,
Manager Vegoils Ltd. v. The State of Mah. & Ors. 1986 I CLR 9.
第22条 動作中の機械類に接し、あるいは近隣での作業
1(1) 工場において、第21条で述べた機械類の部分を動作中に検査する必要が生じた場合、またはそのような検査の結果、機械類が動作中に以下を実行する必要が生じた場合
(a) 第21条1項但し書き(i)が述べた事例における給油または他の調節作業;
(b) 前述の但し書き(ii)が述べた事例における給油、ベルト着脱または他の調節作業、
このような検査あるいは作業は、特別に訓練され、その氏名が本条のため規定された登録簿にあり、その任命証明書を持つ成人男子労働者が(占有者から供給される)身体に密着する衣服を着けて行い、または果たさなければならず、またその者がこれに従事している間
- (a) このような労働者は以下の例外の他には、動作中の滑車のベルトを扱ってはならず
-
(i) ベルト幅が15センチ以下である;
(ii) 滑車が通常、駆動目的であって、単なるフライホイールまたはバランスホイールではない(フライホイールまたはバランスホイールである場合、ベルトは認められない);
(iii) ベルトの接合部が紐打ち、あるいはベルト表面と平滑化されている;
(C) 接合部を含むベルトおよび滑車の手入れが行き届いている;
(D) 滑車と固定した工場設備、あるいは建造物との間に妥当な間隔がある;
(E) 作業者のため、堅固な足場および必要な個所に堅固な握り手が備えてある;
(F) 前述した検査あるいは作業を果たすため用いる梯子が、堅固に固定され、あるいは結び付けられ、もしくは第2の人物が支え安定している。]
(b) 本法律の機械類外囲いに関するその他条項を侵害することなく、このような労働者が、そのままでは接触する可能性がある、あらゆる回転シャフト、スピンドル、ホイールあるいは小歯車(ピニオン)およびすべての拍車、ウオームおよび他の歯を立てた、あるいは摩擦によるギアの上の止めネジ、ボルトおよびキー(割りピン)は、接触を防ぐため確実に外囲いされなければならない。
2 [(2) 女性あるいは若年労働者が、動作中の原動機あるいは動力伝導機械類の清掃、給油、調節で、その機械あるいは隣接した機械の動作中の部分から傷害を受ける危険に曝される恐れがある場合、原動機あるいは動力伝導機械類が動作中に、どのような女性または若年者にも、これら機械の清掃、給油または調節を行わせてはならない。]
(3) 3[州]政府は官報の通達により、あらゆる特定の工場あるいは工場の等級または種類において、機械類が動作中は、その特定部分の清掃、給油あるいは調節を禁止できる。
注
単にひとつの事故が発生しただけで、その事故の原因とされた機械類の部分が危険な部分であるとは言えない。ひとつの機械が危険か否か考慮するに際し、担当労働者側の不注意の有無、およびこの偶然性が起こり得る頻度は考慮されねばならない事柄である。機械類の一部分が、もし人間が正常な状況下で合理的に期待される行動を取っている間に傷害を与え得るならば、危険であると呼ばれるだろう。機械の部分が危険か否かの試験は客観的である。問題の機械の特定部分が危険か否かを決めるため答えなければならない疑問とは、もし機械が外囲いされなければ、機械部分の位置および使用法は、日常的な成り行きで危険を生み出す妥当な可能性を持つようなものか否か、である。
Inspector
of Factories v. Harishankar Singhania 1977 (34) FLR 145
第23条 危険な機械を扱う作業での若年者の雇用
(1) どのような若年者も本条が適用されるどのような機械でも、彼がその機械から生じる諸危険と、守らねばならない予防措置について十分に教えられ、そして、
(a) その機械で作業しながら十分な訓練を受け終え、あるいは
(b) その機械について徹底した知識と経験を持つ者の適切な監督下に置かれない限り、
1[作業を要求され、あるいは容認されないものとする。]
(2) 州政府の意見では、機械が危険な性質を持ち、若年者は前述の要件が順守されない限りそれで働くべきでない場合、(1)項は、2[州]政府が特定する機械に適用される。
第24条 動力遮断用のストライキングギアおよび装置
(1) あらゆる工場において‐
(a) 動力伝導機械類の一部をなす固定車と空回り車との間の動力ベルトを動かすために、適切なストライキングギアまたはその他の機械的装置を提供、維持、使用し、かかるギア、装置等は動力ベルトが固定車に接近するのを防ぐよう構築され、配備し、維持しなければならない。
(b) 休止中の動力ベルトを動作中のシャフト上にもたれかけ、または懸架してはならない。
(2) あらゆる工場において、緊急時に動力が機械類を駆動しないよう、動力を遮断するための適切な装置を各作業場に備え、維持しなければならない。ただし、本法律の施行前に操業していた工場に関しては、この項の規定は電力を動力に用いている作業場だけに適用される。
3[(3) 動力を遮断するため工場に設けた装置が、偶発的にその設定を「遮断」から「接続」へ変える恐れのある装置である時は、動力伝導機械類あるいはこの装置を付けた他の機械の偶発的な作動開始を防ぐため、設定を固定する手段を講じなければならない。]
第25条 自走機械
あらゆる工場において、自走機械とその搬送する材料の旋回する部分は、もし同機が人の作業のために、または作業とは無関係に通行する空間を通行する場合には、同機の外向け・内向けの旋回部分を、自走機械の構成部分の一部ではない固定構築物から4[45a]以上の距離に維持しなければならない。ただし、主任監督官は本法律の施行以前に設置され、本条の要求に合致しない機械の継続使用を、彼が課すことを適切と考える、安全確保のための条件付きで認めることができる。
第26条 新しい機械類の囲い
(1) 本法律の施行後、工場に設置された動力駆動のすべての機械類において‐
(a) すべての回転シャフト、スピンドル、ホイールあるいは小歯車(ピニオン)上の止めネジ、ボルトおよびキー(割りピン)は、危険防止のために頭を埋め、または覆いを付け、他の方式で効果的に防護しなければならない。
(b) すべての平歯車、ウオームおよび他の歯によるまたは摩擦による歯車で、動作中に頻繁な調節を必要としないものは、その位置が完全に蔽いを施したと同様に安全である場合を除き、完全に被覆しなければならない。
(2)1[1項、あるいは2項の下で定められたどのような規則も]の条項に合致しない動力駆動機械類を、工場で使用するため販売あるいは賃借による賃貸し、または販売者もしくは賃借者の代理人として、売却あるいは賃貸を実現または斡旋した者は、3ヶ月以下の禁固または500ルピー以下の罰金、もしくはその双方に処せられるものとする。
2[(3) 州政府は、どのような特定の機械あるいは機械の等級または種類の、どのような他の危険な部分に関しても、さらなる安全措置を規定する規則を定めることができる。
第27条 開棉機近くでの女性および児童の就労禁止
女性あるいは児童は、開棉機が動作している綿花圧縮工場のどのような部分にも雇用してはならない。ただし、もし開棉機の給棉口が、放出口とは別の屋根の高さあるいは監督官が個々の事例に従い文書で特定した高さに達した仕切りで区切った別室にあるならば、女性と児童は給棉口が位置する仕切り側で就労できる。
第28条 ホイスト(貨物昇降機)およびエレベータ
(1) あらゆる工場で (a) あらゆるホイストとエレベータは
(i) 良好な機械構造、堅固な材質、妥当な強度で、
(ii) 適切に維持され、少なくとも6ヶ月に1回、有資格者によって入念に検査され、あらゆるこれら検査に関し規定された細目を含む登録簿を保持しなければならない。
(b) あらゆる貨物上げ下ろし口とエレベータ通路は、戸口を取り付けた囲いで保護し、またホイストあるいはエレベータおよびすべての囲いは、人または物品がホイストまたはエレベータの一部と固定構築物もしくは可動部分との間に挟まれないよう、構築しなければならない。
(c) 安全最大荷重はあらゆるホイストあるいはエレベータに明白に表示し、またそのような荷重よりも大きな荷重を運搬してはならない。
(d) あらゆるホイストあるいはエレベータの乗客用ケージは、乗降のため出入できる側面に、それぞれ戸口を備えなければならない。
(e) (b)項あるいは(d)項に述べた戸口は、ケージが乗降場にある時以外には戸口が開かず、また、戸口が閉まらない限りケージが動かないことを確実にする連動装置または他の効果的装置を設けなければならない。
(2) 以下の追加規定は、本法律の施行後に工場に設置あるいは再構築された人運搬用のホイストおよびエレベータに適用する。
(a) ケージが索または鎖で維持される場合、それぞれ独立してケージおよび平衡重しと接続した最少限2條の索または鎖がなければならず、各々の索あるいは鎖はその付帯物とも、最大荷重を伴うケージの全重量を運搬可能でなければならない;
(b) 索、鎖あるいは付帯物が破損した際、最大荷重を伴うケージを維持できる効果的装置を備え、維持しなければならない;
(c) ケージが定位置を過ぎて止まるのを防ぐため、効果的な自動装置を設け、維持しなければならない。
(3) 主任監督官は、本法律の施行前に工場に設置され、(1)項の規定に全面的に適合しないホイストまたはエレベータに関し、監督官が安全確保のために課すことが適切と考える条件を付け、その継続使用を認めることができる。
(4)1 [州]政府は、もしホイストあるいはエレベータのあらゆる等級または種類に関して(1)項および(2)項の規定の実施が合理的でないと考えた場合、命令によりそのような規定をこれらホイストまたはエレベータの等級または種類に適用しないことを指示できる。
2 [説明‐本条の目的では、プラットフォームあるいはケージを持たず、その方向または動作が単数または複数のガイド(滑り座)で制限されない、巻き上げ機械あるいは装置は、ホイストまたはエレベータと見なされない。]
3[第29条 巻上げ機械、鎖、索および巻上げ滑車装置
(1) あらゆる工場において、人、荷物、原材料を上げ、降ろす目的を持つ、ホイストおよびエレベータ以外のあらゆる巻上げ機械、鎖、索および巻上げ滑車装置は、以下の規定に従わなければならない:
(a) あらゆる巻上げ機械および鎖、索あるいは巻上げ滑車装置の、固定または可動の動作ギアを含むすべての部分は;
(i) 良好な構造、堅固な材質、妥当な強度で、また欠陥なく;
(ii) 適切に維持され、
(iii) 少なくとも12月に1回、あるいは主任監督官が文書で特定する間隔で、有資格者によって入念に検査し、これらの検査に関し規定された細目を含む登録簿を保持しなければならない。
(b) 検査目的以外には、どのような巻上げ機械もしくは鎖、索、巻上げ滑車装置も安全最大荷重を越えて積荷してはならない。この安全最大荷重は識別標識とともに明白にそれらに掲示され、定められた登録簿に正しく記載されるものとし、それが実行不可能な場合には、使用中のあらゆる種類および規模の巻上げ機械もしくは鎖、索、巻上げ滑車の安全最大荷重を示す表を構内の目立つ場所に掲示しなければならない。
(c) 天井クレーンの車輪走路に接し、あるいは近く、クレーンに打たれる可能性がある場所に人が雇用され、または働いている間は、クレーンがその場所から4[6b]以内に接近することを防ぐ効果的な措置を取らなければならない。
(2) 州政府は工場で使用されるあらゆる巻上げ機械、または鎖、索、巻上げ滑車についても、規則を作り‐
(a) 本条に定めた要件に加え、順守しなければならない要件を定めることができる。
(b) 州政府の見解で、そのような順守が不必要または現実的でないとする、本条のすべて、あるいはどれかの要件順守免除を設けることができる。
(3) 本条の目的では、もし検査対象部分の安全に関して信頼できる結論に達するため、目視検査が必要に応じて、他の手段および一部のギアの解体で補完され、状況が許す限り注意深く実施された場合には、巻上げ機械あるいは鎖、索、巻上げ滑車が入念に検査されたものと見なされる。
説明:本条で、(a)「巻上げ機械」とはクレーン、ウィンチ台車(クラブ)、ウィンチ、プーリ・ブロック、三叉起重装置、搬送機、または斜路を意味する。
5[(b)「巻上げ滑車」とは鎖、スリング、ロープスリング、フック、シャックル、回転カップリング、ソケット、クランプ、トレーまたは類似装置で、諸昇降機械が固定か可動にかかわらず人あるいは荷物の昇降に使用するもの。]
第30条 回転機械類
(1) 研削工程が行われる1 [あらゆる工場では、]あらゆる砥石盤または研磨盤の安全作業回転速度の最大値、盤を装着した主軸または支軸速度、およびそのような安全作業回転速度を確保するため必要なシャフトまたはスピンドル上のベルト滑車の直径を示す注意を、各機械に恒久的に固定し、または近くに置くものとする。
(2) (1)項に述べた注意に示される速度を越してはならない。
(3) あらゆる工場において、動力により駆動されるすべての回転容器、ケージ、バスケット、フライホイール、プーリ、ディスク、または類似の機器の安全作業回転速度を確保するため、効果的な措置を講じなければならない。
第31条 圧力プラント
2 [(1)どのような工場も、その工場設備、機械類またはその部分が大気圧を超える圧力下で動作している場合、そのような工場設備、機械類またはその部分の安全な作業圧力を確保するため、効果的な措置を講じなければならない。]
(2)3 [州]政府は規則を定めて、(1)項に述べた工場設備あるいは機械類の検査および調査を設け、またこれに関し、同政府があらゆる工場または工場の等級もしくは種類で必要と考える他の安全措置を規定できる。
4[(3)州政府は規則により、同規則に定められる条件に従い、(1)項に述べたあらゆる工場あるいは機械類のあらゆる部分を、本条の条項から適用除外できる。
第32条 床、階段および接近手段
あらゆる工場において
(a) すべての床、段差、階段、通路および渡り板は、堅固な構造で適切に維持され5 [また妨害物または滑りやすい物体でないものにする。] また、安全を確保するため必要な場合は、段差、階段、通路および渡り板は実質的な手すりを設けなければならない。
(b) 合理的に実行可能な限り、どのような時にも人が作業を求められるすべての場所へ至る通路に、安全な接近手段を講じなければならない。
6 [(c)どのような人でも、彼が落下する可能性がある高所で働かなければならない時、合理的に実行可能な限り、外囲いあるいは他の方法で、このように働く人の安全確保のため、方策を講じなければならない。]
第33条 ピット、排水溜め、床の開口部等
(1) あらゆる工場において、固定容器、排水溜め、貯蔵槽(タンク)、ピットまたは地上もしくは床上の開口部であり、その深さ、位置、構造または内容のため、危険源であるか、危険源となり得るものは確実に蓋するか、もしくは確実に外囲いしなければならない。
(2)7 [州]政府は、命令書により、定められた規定に従って、いかなる工場あるいは工場の等級または種類をも、あらゆる容器、排水溜め、タンク、ピットまたは開口部について、本条の規定から適用除外できる。
第34条 過大な重量
(1) 工場では、重量が大きく人に傷害を与える可能性のある荷を持ち上げ、運搬あるいは移動するため、人を雇用してはならない。
(2) 8[州]政府は、工場あるいはあらゆる等級または種類の工場、もしくは定められた工程の実施に雇用された成人男性、成人女性、未成年者および児童により、持ち上げ、運搬あるいは移動を許される最大重量を規定する法律を制定することができる。
第35条 目の保護
いかなる工場においても、そこで実行されている製造工程が、以下に記載するような危険な工程を伴う場合、
1 [州]政府は、命令により、効果的な幕(スクリーン)あるいは適切な保護眼鏡(ゴグル)を、その工程に就労し、またはその直近にいる人々の保護のため提供するよう要求できる。
(a) 工程進行中に飛散する粒子あるいは破片から、目を傷つける危険性、または
(b) 過度な明るさへの暴露のため、目に対する危険性。
2[第36条 危険なヒューム、ガス、その他に対する予防措置
(1) いかなる人も、工場において何らかのガス、ヒューム、蒸気あるいは粉塵が、それに取り巻かれた人に危険を及ぼしかねない程度まで存在するチェンバー、タンク、ピット、パイプ、煙道または他の閉鎖された部屋には、それが適切な大きさのマンホールあるいは他の効果的な退室手段が設けられていない限り、入室を要求され、もしくは容認されないものとする。
(2) (1)項に述べた、あらゆる閉鎖された室には、そこに存在するあらゆるガス、ヒューム、蒸気または粉塵を除去するすべての実行可能な措置が講じられ、その水準が許容される限度以内に引き下げられ、このようなガス、ヒューム、蒸気、粉塵の浸入を防止し、また次により満たされるまで、いかなる人も入室を要求され、もしくは容認されてはならない。
(a) 有資格者により証明書が、その者自身による調査に基づき、その空間は危険なガス、ヒュームまたは粉塵から合理的に無縁であるとして与えられた場合;または
(b) その人が、適切な呼吸装置と、ロープを確実に取り付けたベルトを体に付け、ロープの他の端を閉鎖された室の外にいる者が保持している場合。]
3[第36A条 携帯電灯の使用に関する予防措置
あらゆる工場において、
(a) 電圧24ボルトを超える携帯電灯あるいは他の電気装置は、チェンバー、タンク、大桶、ピット、パイプ、煙道あるいは他の閉鎖された空間で、4 [適切な予防装置が供されない限り]使用してはならない。そして
(b) 可燃性ガス、ヒュームあるいは粉塵が、チェンバー、タンク、大桶、ピット、パイプ、煙道または閉鎖された空間にある可能性があれば、耐圧防曝構造以外のランプもしくは照明は、その内部での使用を認めてはならない。]
第37条 爆発性あるいは可燃性の粉塵、ガス等
(1) 工場のあらゆる製造工程で、粉塵、ガス、ヒュームまたは蒸気を作り、その性質と規模が引火すれば爆発を起こしかねない場合には、爆発防止のため実行可能なあらゆる措置を、次により、講じなければならない。
(a) その工程で使う工場設備または機械類の効果的な囲い込み;
(b) そのような粉塵、ガス、ヒュームあるいは蒸気蓄積の除去もしくは防止;
(c) あらゆる可能な着火源の排除あるいは囲い込み。
(2) いかなる工場でも(1)項に述べたような工程で使われる設備あるいは機械類が、前述の爆発が生む可能性がある圧力に耐えないならば、設備あるいは機械類に抑制装置、圧力緩衝装置、圧力放散口または他の装置を設け、爆発の広がりと影響を限定するため実行可能なあらゆる措置を講じなければならない。
(3) 工場において、工場設備あるいは機械類の部分が、爆発性ガスまたは大気よりも高圧の可燃性ガスもしくは蒸気を含んでいる場合、以下の規定に従わずにその部分を開いてはならない:‐
(a) その部分に接続したパイプ接合部あるいはその部分への開口部カバー接合部を緩める前に、パイプ部分へのガスまたは蒸気の流れを、ストップバルブその他の手段で停止しなければならない;
(b) 前述の接合部を取り除く前に、その部分あるいはパイプ内のガスまたは蒸気の圧力を大気圧までに減らすため、すべての実行可能な措置を講じなければならない;
(c) 前述の接合部が緩められ、あるいは取り除かれる場合、接合部が閉められ、または確実に交換されるまでは、爆発性または可燃性ガスもしくは蒸気がその部分のパイプに入らないよう、効果的措置を講じなければならない。ただし、この項の規定は、屋外に設置された工場設備あるいは機械類には適用しない。
(4) 何らかの爆発性あるいは可燃性物質を含む、または含んでいた工場設備、タンクもしくは容器は、いかなる工場においても、そのような物質および、それが発生するヒュームをまず除去するか、または物質を非爆発性または非可燃性とするまで、熱を伴う溶接、蝋付け、ハンダ付けもしくは切断の作業を行ってはならない。また作業後、引火の危険性を防ぐため、このような物質は金属が十分に冷えるまで、設備、タンクあるいは容器に入れてはならない。
(5)1 [州]政府は規則をもって、あらゆる工場、あるいは工場の等級または種類をも、定められる条件に従い、本条のどの規定もしくは、そのすべてから適用除外できる。
2 [第38条 火災時の予防措置
(1) あらゆる工場において、構内、構外とも火災の発生と延焼を防止し、また以下を備え、維持して、すべての実行可能な措置を講じなければならない。
(a) 火災発生のさい、すべての人々の安全な脱出手段、および
(b) 消火に必要な機材および施設。
(2) あらゆる工場において、すべての労働者は、火災時の脱出手段を熟知し、そのような事態に取る手順について適切に訓練されていなければならない。
(3) 州政府は、あらゆる工場あるいは工場の等級または種類についても、(1)項および(2)項の規定を効果的にするため採用する諸処置を要求する規則を定めることができる。
(4) (1)項(a)または(2)項の内容にかかわらず、主任監督官は工場で実行中の作業内容、建築構造、人命または安全への危険性、もしくは他の状況に照らし、もし、その工場が備えた1項(a)または2項の目的に沿う、規定されあるいは未規定の諸措置は不十分である、と考えるならば、同監督官は、命令書により、合理的で必要と考える追加的措置を命令に示した期日まで設けるよう要求できる。
第39条 欠陥部分の規格または安定性調査を要求する権限
もし監督官が工場における建物あるいは建物の部分、または工場の諸通路、機械類もしくは工場設備のあらゆる部分かを見て、その状態に人命または安全に危険性がある、と考えたならば、監督官は、工場の3 [占有者または支配人もしくはその両者]に命令書を渡して、定められた期日までに以下を要求できる
(a) そのような建物、諸通路、機械類、工場設備が安全に使用できるか否かを決定するため必要になる図面、規格および他の細目、または
(b) 命令で特定される方法による調査の実施と、監督官へのその結果報告。
第40条 建物および機械類の安全
(1) もし監督官が工場の建物または建物の部分、あるいは諸通路、機械類、作業場の何らかの部分を見て、その状態は人命または安全に危険である、と考えたならば、監督官は、採用しなければならない、と考える諸措置を特定し、定めた期日までに、それらの実施を要求する命令書を工場の1 [占有者または支配人もしくは両者に]渡すことができる。
(2) 監督官の見るところ、建物または建物の部分、あるいは工場の諸通路、機械類、作業場の何らかの部分の使用が人命または安全に差し迫った危険を含んでいるならば、監督官は工場の2 [占有者または支配人くは両者に]命令書を渡し、適切に修理または変更されるまで、その使用を禁じることができる。
3[第40-A条 建物の維持 監督官が工場の建物または建物の部分が修理不足により著しく破損し、労働者の健康と福利厚生に有害な状態につながる可能性があると見た場合、監督官は工場の占有者または支配人くは両者に命令書を渡し、監督官が採用しなければならない、と考える諸措置を特定し、命令に記した期日までに実施するよう要求できる。
第40-B条 安全管理者
- (1) あらゆる工場において、
-
(i) 1000人または、それ以上の労働者が日常的に雇用され、あるいは
(ii) 州政府の見解では、工場で製造工程または製造活動が遂行されており、そこの被用者に身体的傷害または中毒、疾病もしくはその他の健康に対するリスクを伴う製造工程または製造活動が行われていれば、工場の占有者は、州政府が官報の通達で要求した場合、通知が示した人数の安全管理者を雇わなければならない。
(2) 安全管理者の責務、資格および勤務条件は、州政府の定め通りとする。
第41条 本章の補足規定を作成する権限
4[州]政府は、工場あるいは工場の等級または種類について、その被用者の安全を確保するため、それがさらに必要である、と考える5[機器および措置]の設置・採用を要求して、規則を定めることができる。